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11.ミシェル視点

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「ミシェル。絶対にやりすぎるなよ!後始末するこちらの身になれ!」

 学園長からとりあえず聞きたいことを聞き終えたので教室に帰ろうと扉を開ける寸前に釘を打たれた。

「あら、両親は許可してくれましたが?」 

 振り向き返事を返す。

「くっ・・・。先手が・・・。せめて。せめて怪我だけはないようにしろ。もちろん相手にもだ」

 ため息混じりに力無く言われてしまった。
 私は安心させるように

「もちろんですわ。安全に行動をしますわ。ですが・・・」
「うん?」
「精神的に潰させていただきますので、後処理はお願いします、わね?」

 オルセイドお兄様は固まった。

 
 部屋を出て教室に向かう途中、アリスが声をかけてきた。

「お嬢様。お遊びが過ぎます。オルセイド様が可哀想です。折角、気を遣ってくださったのに」

 アリスの言っていることはわかる。
 でも、許せることと許せないことはある。

 ましてや、お花畑脳の女をどうにかしてやらないと気がおさまらなくなっている。

「帝国においてのの保護者に会う必要もあるわね」
「では、今すぐに会えるように手配しましょうか?」

 流石アリス。フットワークが軽いわ。今すぐにでも動き出しそう。
 でも、アリスにはやって貰いたいことがあって連れてきているのよね。

「それはお父様に頼むわ。アリスには、して欲しい仕事があるのよ」
「なんでしょうか?」
「時間系列表を作って欲しいの」
「時間系列表・・・ですか?」

 頷いた。

 今日もきっとに突っかかってくるに違いない。

「私に言いがかりをつけてくる人たちの言い分を時間系列に並べて欲しいのよ」
「はあ・・・」

 ピンときていないか。
 仕方ない。

 はその場にならないとわからないものね。

 そして、それはすぐに現実になった。

 朝から一気に三人に捕まり愚痴られた。
 大して変わらないセリフ。
 内容は・・・まぁ、アリスが呆れ返るくらい内容がないことを演劇のように語ってくれたのだった。
 言いたい事だけ言って去っていく彼らを呆然と見送っているとアリスの哀れそうに声をかけてきた。

「お嬢様・・・。あの方々の思考は大丈夫ですか?」
「本人たちは至ってまとものつもりみたいね」
「ですが・・・側から見れば一人の女性を脅しているようにしか見えないというのに、それすらわかっていないようでしたし、それに内容が・・・」

 頷いた。
 アリスでもわかる事がわかっていないねかだから。

をまとめて欲しいのよ」

 ようやくわかったのか、アリスは力強く頷いた。

「わかりました。大任ですね」

 ふふふっと不気味な笑いがしてきた。

「わかってくれたかしら?」
「はい、事細かに記録します」
「お願いするわよ」

 ついつい私も笑みがこぼれてしまった。
  
「次からは録音装置もご用意したらどうでしょうか?」
「あら、必要だと思う?」
「確実にするには必要です」
「そうか・・・。そうよね。これもお父様にお願いしないと」

 ふふふっ。

 ふふふふふふっ。

 私たちは笑った。

 誰もが遠目で私たちを見ているだけで、近づくものはいなかった。

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