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1章、契約の内容
26.
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二日後、シェリルは変装もせずアシュリーとアリスを連れて本館を歩いていた。
マクロン、ザック、ハイセン医師にはあらかじめ話を通し、所定の位置についてもらっていた。
後は実行するだけ。
一昨日の夜、『癒し』の聖女であるウララから手紙を貰っていた。
北辺境地に来て暫くして、三番目の姉聖女、ティティからピンク色の鳥が飛んできた。姉たちとの連絡交換に・・・と。『先見、千里眼』の聖女の内密の力、『万物創造』で作られたレア生物だった。
マリーと名付けた鳥を早速使って、ウララと連絡を取ったのだ。
もちろん、ウララは当初反対した。
だが、ハイセン医師から聞いた症状を伝えたところ、ウララは反応を変えた。
この病は20歳まで生きられたらいいだろうと。
ニーナはすでに21歳。いつ亡くなるかわからないと。幸い衰弱はしておらず、体力もまだある。
今なら、聖女の力を使えば助けられるだろうと。
ただ、運命を断ち切るのだから、見返りは大きいだろうとも。
すべての命を助けることが出来ると周囲が知れば、もっと縛られてしまうことになるかも知れない。それでもよいのか?と。
二つ返事した。
頑固な妹を熟知しているウララは治すためのイメージを伝えた。祈りの言葉を教えた。
アシュリーとアリスにもアレコレをお願い事をしたのだった。
シェリルはニーナの部屋の前に来ると大きく深呼吸をした。そして、勢い良く部屋に入ったのだった。
今日も十人以上のメイドがいる。
まるで、わかっていない。
病人に無理させるなっていってるのにー!!
「失礼するわ」
「なんですか!!ニーナ様のお部屋です。出て行きなさい」
「それはこちらの言葉です。病人に気遣いもできない者は出て行きなさい」
メイドたちは、真紅の瞳をみて息をのんだ。
赤い瞳は聖女の証。
「聖女、様?」
「何ですって!!旦那様を!!」
「ニーナ様をいじめる気ですか?」
騒がしい。
その中をテクテクと歩き、ニーナの前に立った。
ニーナはさっと血の気を引かし震えていた。噂を聞きつけて、聖女が怒っているのだと思い。
「ごめん、な、さい」
こてん?
シェリルは首を傾げた。
「なんであやまるの?わたし、あなたの治療に来ただけよ?ずっと我慢して・・・しんどいんでしょう。苦しんでしょう。心も身体も。わたしなら治せる。だから、手をとって」
手を差し伸べる。
「ニーナ様、なりません!!」
「ダメ聖女が出来るわけないですっ!!」
アシュリーとアリスに阻まれ近づくことさえできないメイドたちが騒いだ。
ニーナはシェリルの瞳に吸い込まれていた。何より先日あった子を思い出していた。
同じ。
自分を思いやる気持ちが同じ。
自然に涙が溢れてきた。
本当の自分を見てくれている、そう感じた。
手をとる。
シェリルは顔をくしゃくしゃにして笑った。
膝をつき、手を握りしめて祈る。
ウララから教わった祈りの言葉。
感謝の言葉。讃える言葉。願う言葉。思う言葉。
そして、治したい気持ちを伝える。
優しい光が生まれ広がる。
渦を描くようにしてニーナの身体を包み身体の中に入っていくと共に身体の中から黒く不気味な煙が出て行く。
徐々に光は収まり消えていった。
誰も声が出る者はいなかった。
幻想的な光景を目を見開いてみているだけであった。
「ニーナ!!」
グレンディールの声に誰もが我に帰る。
彼は部屋に入るなりニーナに近づいた。
そして、ニーナのベッドの側で突っ伏す聖女のを突き飛ばしたのであった。
「シェリル!」
アシュリーが滑り落ちる寸前でシェリルを抱きかかえた。
誰も何もできず、見ているだけであった。
マクロン、ザック、ハイセン医師にはあらかじめ話を通し、所定の位置についてもらっていた。
後は実行するだけ。
一昨日の夜、『癒し』の聖女であるウララから手紙を貰っていた。
北辺境地に来て暫くして、三番目の姉聖女、ティティからピンク色の鳥が飛んできた。姉たちとの連絡交換に・・・と。『先見、千里眼』の聖女の内密の力、『万物創造』で作られたレア生物だった。
マリーと名付けた鳥を早速使って、ウララと連絡を取ったのだ。
もちろん、ウララは当初反対した。
だが、ハイセン医師から聞いた症状を伝えたところ、ウララは反応を変えた。
この病は20歳まで生きられたらいいだろうと。
ニーナはすでに21歳。いつ亡くなるかわからないと。幸い衰弱はしておらず、体力もまだある。
今なら、聖女の力を使えば助けられるだろうと。
ただ、運命を断ち切るのだから、見返りは大きいだろうとも。
すべての命を助けることが出来ると周囲が知れば、もっと縛られてしまうことになるかも知れない。それでもよいのか?と。
二つ返事した。
頑固な妹を熟知しているウララは治すためのイメージを伝えた。祈りの言葉を教えた。
アシュリーとアリスにもアレコレをお願い事をしたのだった。
シェリルはニーナの部屋の前に来ると大きく深呼吸をした。そして、勢い良く部屋に入ったのだった。
今日も十人以上のメイドがいる。
まるで、わかっていない。
病人に無理させるなっていってるのにー!!
「失礼するわ」
「なんですか!!ニーナ様のお部屋です。出て行きなさい」
「それはこちらの言葉です。病人に気遣いもできない者は出て行きなさい」
メイドたちは、真紅の瞳をみて息をのんだ。
赤い瞳は聖女の証。
「聖女、様?」
「何ですって!!旦那様を!!」
「ニーナ様をいじめる気ですか?」
騒がしい。
その中をテクテクと歩き、ニーナの前に立った。
ニーナはさっと血の気を引かし震えていた。噂を聞きつけて、聖女が怒っているのだと思い。
「ごめん、な、さい」
こてん?
シェリルは首を傾げた。
「なんであやまるの?わたし、あなたの治療に来ただけよ?ずっと我慢して・・・しんどいんでしょう。苦しんでしょう。心も身体も。わたしなら治せる。だから、手をとって」
手を差し伸べる。
「ニーナ様、なりません!!」
「ダメ聖女が出来るわけないですっ!!」
アシュリーとアリスに阻まれ近づくことさえできないメイドたちが騒いだ。
ニーナはシェリルの瞳に吸い込まれていた。何より先日あった子を思い出していた。
同じ。
自分を思いやる気持ちが同じ。
自然に涙が溢れてきた。
本当の自分を見てくれている、そう感じた。
手をとる。
シェリルは顔をくしゃくしゃにして笑った。
膝をつき、手を握りしめて祈る。
ウララから教わった祈りの言葉。
感謝の言葉。讃える言葉。願う言葉。思う言葉。
そして、治したい気持ちを伝える。
優しい光が生まれ広がる。
渦を描くようにしてニーナの身体を包み身体の中に入っていくと共に身体の中から黒く不気味な煙が出て行く。
徐々に光は収まり消えていった。
誰も声が出る者はいなかった。
幻想的な光景を目を見開いてみているだけであった。
「ニーナ!!」
グレンディールの声に誰もが我に帰る。
彼は部屋に入るなりニーナに近づいた。
そして、ニーナのベッドの側で突っ伏す聖女のを突き飛ばしたのであった。
「シェリル!」
アシュリーが滑り落ちる寸前でシェリルを抱きかかえた。
誰も何もできず、見ているだけであった。
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