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8.ユーファミア視点

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晴れた日、恒例のオリヴァ様とのお茶会の日です。

久しぶりにカフェで待ち合わせをしました。
時間になってもきません。

ライラが離れた場所で耐える表情でいてくれます。

虚しい。

もう、諦めました。オリヴァ様に期待するのをやめました。
でも、こうして義務としてお付き合いする上で、こうも無視をあからさまにされると虚しくなります。
わたくしのことはどうでもいいのだと、思い知らされるから。


待ち合わせを時間から2時間がたったころ、ライラがすくっと立ち上がり、数分だけどこかに・・・お花摘みでしょうか、いきました。
帰ってきた時にはスッキリした顔でしたし。

ライラは帰ってくるとわたくしの前に座りました。

「ご一緒させてください」
「もちろんよ」

ライラの優しさが嬉しくて、笑ってしまいました。

鼻血だして・・・もう。

どれだけ、わたくしが好きなんだか。

ほんとうに、嬉しいわ。

もう時期お昼です。
折角ですから、お昼を二人で食べましょう。

ライラに声をそうかけようとした時ー。




「ユーファミア嬢」

えっ?

声に振り返ると皇太子殿下がいました。
アルファス様とルシファル様、ケイラー様です。

「ユーファミア嬢」

皇太子殿下が微笑みながらわたくしを呼んだのです。

「アルファス殿下?」
「しー。ここいいかい?」
「どうぞ」

ライラ!?
もう、勝手に。

ライラが立ち上がり、お二人に譲る。

お二人はわたしの前に座りました。

「食事に来たら、君を見つけて・・・。もしよかったら、一緒に昼食を一緒にどうだい?」
「あ、はい。喜んで」

アルファス殿下は手慣れた風で料理を注文しました。

「お兄様。顔が緩んでますわ」

ルシファル様?

「気持ち悪い・・・」

ライラもなんで事いうのよ。折角・・・。

「アルファス様、ライラが申し訳ありません」
「かまわない。ユーファミア嬢。今日はお忍びなんだ。アルと呼んでくれ」
「わたくしはルーシーよ」
「ですが・・・」
「かわりにファミアと呼ばして欲しい」

ファミア?
恥ずかしい・・・
でも、
嬉しい。

「はい。・・・では、アル様」
「ファミア」

チッ。


えっ?

舌打ちの主、ライラを見ます。
殺しをしそうな眼差し。
やめてよ・・・。

「もう、わたくしもいますわよ。わたくしもファミアと呼んでもよろしくて?」
「はい。ルーシー様」

はぁ~。

ライラ大丈夫かしら?
鼻血出てるわよ。

わたくしたちは楽しく昼食をとりながら楽しく会話をしていました。


そこへー。


「ユーファ。楽しそうだね」

オリヴァ様が来られたのです。
右手にはミリア様を連れています。

「僕に嫌がらせかい?」

どう言うことでしょう。

わたくしが応える前にライラがすっとわたくしの前にきました。

「オリヴァ様、何がいいたいのでしょうか?ただいま、お嬢様はとお食事でございます」
「今日はお茶会だったはずだよ」
「予定は3時間前でした。遅れるご連絡もいただいておりません。無断で欠席されたものと思っておりました」
「たかが、3時間の遅刻だろ?」
「紳士としてあるまじきこと。しかも女連れ。ありえませんね」
「メイド風情が!!」


ものすごい音がしました。
ライラが倒れました。その拍子に椅子も倒れました。

「ライラ!」

ライラに駆け寄ります。

ライラの頬が真っ赤になり、口元から血が・・・。

「オリヴァ様!」
「ユーファ。いつも言っているだろう。もっとましなメイドを雇え、と」

「グランツィオ公爵子息」

アル様が厳しい眼差しを向けます。

「アルファス皇太子殿下。ご無礼をお許しください。このものたちはわたしの大事な人を痛めつけるような心なき者でございます。貴方様方が関わる価値もないような者なのです」
「そうですわ。皇太子様。もっと付き合う者は選ぶべきですわ」
「ほぉ・・・」
「この近くにいいお店があります。そちらでお食事はどうですか?」

オリヴァ様・・・。
貴方は・・・。

「君たちは僕に命令するんだね。僕が決めた事を否定するんだね。
 君はユーファミア嬢の婚約者だと言うのに、彼女を卑下するのか。
 ライラがメイドだからと貶めるのか。
 悪いが、そんな事を言うものと関わる気はさらさらない」
「いえ、そんな、つもりは・・・」
「もういい。出ていこう。ケイラー。迷惑料として多めに支払いをしておいてくれ。食べ物を粗末にしてしまう詫びも忘れずに」

わたくしたちはアル様たちと一緒にでていきました。
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