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第271話 圧倒的救出劇
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カイザークの街――――地下納骨堂。
代々、街で亡くなった人間は魔法《まよけ》の炎で清められ、ここに納められる。
魔神の加護で守られたこのトンネルは、悪魔の侵入から躯を守り続けていた。
無数にある部屋にはそれぞれ1000年も前から骨を積み上げ続け、四方壁一面は人骨で埋め尽くされている。
そんな不気味で薄暗い一室の中、ルナは一人、鎖で繋がれていた。
敵の進撃を止められなかったルナの隊はほぼ壊滅。
生き残ったわずかな味方も、多くは捕虜として連行されていった。
ルナだけがここに残されているのは、彼女が中隊長として多くの情報を持っていることと、敵将から見ても目を瞠《みは》るほどの孤軍奮闘ぶりを見せたからである。
ルナ一人でリンガース正規兵100人は殺しただろう。
まるで小枝のように軽く振るう大戦斧と、猫のように素早い動き。
獣人はそれだけで並の人間よりも戦闘力は高いが、ルナのそれはさらに頭二つぶんほど抜けていた。
有能な捕虜は手元に置いておきたい。
下手に移動などさせたら後方の指揮官に横取りされかねない。
そんな理由で、いまだ彼女はここに幽閉されていた。
深夜、月の光が雲に隠れた頃――――。
街はリンガース兵であふれていて、納骨堂へと続く唯一の階段も門兵で固く守られていたはずだったが……。
「……おい、いま上の方で何か音が聞こえなかったか?」
「いいや空耳じゃねぇのか?」
鉄格子の向こうで獣人兵士(犬型)が話し合っている。
ルナは鎖で吊るされながらも聞き耳を立てていた。
軽い拷問を受けて体中が傷だらけ。
耳も耳介が破られてしまっていたが、音はまだよく聞こえる。
「きて……くれたか……」
ルナは兵に見つからないように、弱く薄く笑う。
間抜けな兵士たちが聞こえただ気のせいだと言い合っているその音は、たしかに上の門兵が発したもの。
体全体で、崩れるように地面を叩いた音だった。
――――殴った音も、斬った音もしなかった。
そのかわり響いた小さな炸裂音。
弓で射った音に似ていたが、矢が奏でる独特の風切り音がしなかったし、そもそもいまは夜中。天気はわからないが月齢を計算しても今日は特に暗いはず。
そんな環境で兵士を二人、ほぼ同時に、無音で殺せる弓兵など帝国にはいない。
魔法を使ったなら気配と明かりですぐにバレてしまう。
ならどうやって?
その疑問はすぐに解消されることになる。
――――コツコツコツコツ。
足音が聞こえる。
階段から侵入したとて、中は迷路。
自分が閉じ込められているこの部屋に辿り着くには相当な探索が必要だろう。
しかしその二つの足音はまるで迷うことなく、まっすぐにこちらへ近づいている。
(探索魔法を使っているのか?)
そう思ったが、ここは魔神の結界内。
ほとんどの悪魔を排除すると同時に、同じだけの魔法も制限されてしまう。
そもそも愚鈍な魔法使いなど、侵入任務に連れてくるはずがない。
規格外のアルテマ様じゃあるまいし。
「ぬ? ――――だ、誰だっ!?」
ようやく間抜けな犬どもも侵入者に気付いたようだ。
片方は両手ダガー。もう片方は鉤爪を装備して身構えた。
感覚は猫ほど鋭くないが、それでも獣人。
侮《あなど》れない戦闘力を持っている。
並の兵士でも数人がかりで相手をしなければ勝てないほどの相手。そして侵入者はおそらく諜報部隊の誰かだ。隠密行動重視、白兵戦に向かない彼らがまともに戦って勝てるとは思えない。
――――バヒュンッ!!!!
そんなルナの心配は、鋭い、しかし曇った音で消し飛ばされた。
「――カッ!??」
音とともにコボルトの一人が倒れた。
頭から血を吹き出させて。
――――???
なにが起こったかわからないもう一人のコボルトも、
――――バヒュンッ!!!!
同じ音がして、
「――カッ!??」
同じように倒れた。
(――――……?)
同じく、ルナにも何が起こったかわからなかった。
すぐに二人の味方(?)が現れた。
「ルナ中隊長、ご無事でしたか」
片方が奇妙な覆面をずらし、少し顔を見せてくれる。
「エイミイ?」
それはルナの部下だった。
同じ中隊の同じメス猫型獣人。
てっきり諜報部隊が来てくれたと思ったが。
いや、そもそもこんな器用な任務、この娘にこなせるはずが??
――――シュゴーーーーーーーッ!!!!
不思議な筒から、細い杭のような炎が出て、鉄格子の鍵を焼いている。
やがてバキンと壊れ、外れた。
「それは?」
見たこともない魔法具。
エイミイは室内に入り、ルナの拘束具も同じように焼き切りながら話した。
「トーチバーナー。アニオタ様、という方からの支援物資です」
そう言ってさらに、もう片方の手に持った、別の鉄の塊を見せてくれる。
それはいまコボルトたちを一瞬で葬った異世界の武器。
FA-MAS(サプレッサー付き)という代物だった。
「……そうか……アニオタ様が……。では再び開門揖盗《デモン・ザ・ホール》は繋がったのだな?」
「はい、一週間ほど前に。武器や道具の使い方を学んでいて遅れました」
「そうか……これは?」
拘束が解かれたルナに、エイミイから一つの道具が渡された。
それは手のひらサイズの薄い板のようなもので、使い方はさっぱりわからなかった。
「電脳開門揖盗《サイバー・デモン・ザ・ホール》という物らしいのですが詳しくは……アニオタ様からルナ様(嫁)へ是非にと」
「そうか……」
なぜだろう?
そこはかとなく気味の悪い悪寒を感じる。
しかし大切な恩人がくれたもの。
大事に懐にしまってルナは、カイザークの街から脱出した。
代々、街で亡くなった人間は魔法《まよけ》の炎で清められ、ここに納められる。
魔神の加護で守られたこのトンネルは、悪魔の侵入から躯を守り続けていた。
無数にある部屋にはそれぞれ1000年も前から骨を積み上げ続け、四方壁一面は人骨で埋め尽くされている。
そんな不気味で薄暗い一室の中、ルナは一人、鎖で繋がれていた。
敵の進撃を止められなかったルナの隊はほぼ壊滅。
生き残ったわずかな味方も、多くは捕虜として連行されていった。
ルナだけがここに残されているのは、彼女が中隊長として多くの情報を持っていることと、敵将から見ても目を瞠《みは》るほどの孤軍奮闘ぶりを見せたからである。
ルナ一人でリンガース正規兵100人は殺しただろう。
まるで小枝のように軽く振るう大戦斧と、猫のように素早い動き。
獣人はそれだけで並の人間よりも戦闘力は高いが、ルナのそれはさらに頭二つぶんほど抜けていた。
有能な捕虜は手元に置いておきたい。
下手に移動などさせたら後方の指揮官に横取りされかねない。
そんな理由で、いまだ彼女はここに幽閉されていた。
深夜、月の光が雲に隠れた頃――――。
街はリンガース兵であふれていて、納骨堂へと続く唯一の階段も門兵で固く守られていたはずだったが……。
「……おい、いま上の方で何か音が聞こえなかったか?」
「いいや空耳じゃねぇのか?」
鉄格子の向こうで獣人兵士(犬型)が話し合っている。
ルナは鎖で吊るされながらも聞き耳を立てていた。
軽い拷問を受けて体中が傷だらけ。
耳も耳介が破られてしまっていたが、音はまだよく聞こえる。
「きて……くれたか……」
ルナは兵に見つからないように、弱く薄く笑う。
間抜けな兵士たちが聞こえただ気のせいだと言い合っているその音は、たしかに上の門兵が発したもの。
体全体で、崩れるように地面を叩いた音だった。
――――殴った音も、斬った音もしなかった。
そのかわり響いた小さな炸裂音。
弓で射った音に似ていたが、矢が奏でる独特の風切り音がしなかったし、そもそもいまは夜中。天気はわからないが月齢を計算しても今日は特に暗いはず。
そんな環境で兵士を二人、ほぼ同時に、無音で殺せる弓兵など帝国にはいない。
魔法を使ったなら気配と明かりですぐにバレてしまう。
ならどうやって?
その疑問はすぐに解消されることになる。
――――コツコツコツコツ。
足音が聞こえる。
階段から侵入したとて、中は迷路。
自分が閉じ込められているこの部屋に辿り着くには相当な探索が必要だろう。
しかしその二つの足音はまるで迷うことなく、まっすぐにこちらへ近づいている。
(探索魔法を使っているのか?)
そう思ったが、ここは魔神の結界内。
ほとんどの悪魔を排除すると同時に、同じだけの魔法も制限されてしまう。
そもそも愚鈍な魔法使いなど、侵入任務に連れてくるはずがない。
規格外のアルテマ様じゃあるまいし。
「ぬ? ――――だ、誰だっ!?」
ようやく間抜けな犬どもも侵入者に気付いたようだ。
片方は両手ダガー。もう片方は鉤爪を装備して身構えた。
感覚は猫ほど鋭くないが、それでも獣人。
侮《あなど》れない戦闘力を持っている。
並の兵士でも数人がかりで相手をしなければ勝てないほどの相手。そして侵入者はおそらく諜報部隊の誰かだ。隠密行動重視、白兵戦に向かない彼らがまともに戦って勝てるとは思えない。
――――バヒュンッ!!!!
そんなルナの心配は、鋭い、しかし曇った音で消し飛ばされた。
「――カッ!??」
音とともにコボルトの一人が倒れた。
頭から血を吹き出させて。
――――???
なにが起こったかわからないもう一人のコボルトも、
――――バヒュンッ!!!!
同じ音がして、
「――カッ!??」
同じように倒れた。
(――――……?)
同じく、ルナにも何が起こったかわからなかった。
すぐに二人の味方(?)が現れた。
「ルナ中隊長、ご無事でしたか」
片方が奇妙な覆面をずらし、少し顔を見せてくれる。
「エイミイ?」
それはルナの部下だった。
同じ中隊の同じメス猫型獣人。
てっきり諜報部隊が来てくれたと思ったが。
いや、そもそもこんな器用な任務、この娘にこなせるはずが??
――――シュゴーーーーーーーッ!!!!
不思議な筒から、細い杭のような炎が出て、鉄格子の鍵を焼いている。
やがてバキンと壊れ、外れた。
「それは?」
見たこともない魔法具。
エイミイは室内に入り、ルナの拘束具も同じように焼き切りながら話した。
「トーチバーナー。アニオタ様、という方からの支援物資です」
そう言ってさらに、もう片方の手に持った、別の鉄の塊を見せてくれる。
それはいまコボルトたちを一瞬で葬った異世界の武器。
FA-MAS(サプレッサー付き)という代物だった。
「……そうか……アニオタ様が……。では再び開門揖盗《デモン・ザ・ホール》は繋がったのだな?」
「はい、一週間ほど前に。武器や道具の使い方を学んでいて遅れました」
「そうか……これは?」
拘束が解かれたルナに、エイミイから一つの道具が渡された。
それは手のひらサイズの薄い板のようなもので、使い方はさっぱりわからなかった。
「電脳開門揖盗《サイバー・デモン・ザ・ホール》という物らしいのですが詳しくは……アニオタ様からルナ様(嫁)へ是非にと」
「そうか……」
なぜだろう?
そこはかとなく気味の悪い悪寒を感じる。
しかし大切な恩人がくれたもの。
大事に懐にしまってルナは、カイザークの街から脱出した。
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