31 / 78
第一部
第30話 ※
しおりを挟む「ダメ‥兄妹では‥」
「大丈夫だ、私たちは血が繋がっていない。兄妹じゃない。結ばれて問題がない。二人でトレンメルの血を引く子を残し領地を守っていこう」
本当に?血が繋がっていない‥?
いないのなら‥‥
ラルドがエルーシアの理論武装を一枚ずつ剥いでいく。二人はこんなに求め合っている。トレンメル家の血を残す。義兄と血が繋がっていなければもう兄妹ではない。ならば体を繋げてもいいのではないか?義兄に誘惑され思考を侵されて、その言い訳に流される。意識がラルドに支配される。
胸の先端をきつく摘まれ乳房に淫らに舌を這わされエルーシアの背が弓形に反る。そして乳首を嬲られ震えるエルーシアの秘肉にラルドの指が這わされた。エルーシアは咄嗟に脚を閉じようとしたが脚の間に差し込まれたラルドの右膝に阻まれる。蜜口から中指が差し込まれ熱く潤う膣孔をかき回された。エデルがつけた痛みの防壁はもうない。そこはラルドを受け入れるために愛蜜が溢れていた。
あの夜の淫行の記憶が体を駆け抜けた。義兄に触れられればあっさり体に火がつく。エルーシアはエデルに散々快楽を刷り込まれていた。指が性急に膣内を蠢いてクチュクチュと水音を立て抜き差しされる。拒絶か快楽か、震える膣襞が指をぎゅっと締め上げた。
「アアァ‥そこダメ‥」
「もうこんなに濡れて‥私を待ち切れなかったのか?もう少し待っておいで、馴染んだらすぐに挿れてやろう」
「ハァ‥‥イ‥あ‥あ‥や‥そこ‥‥ヤァぁぁッ」
「ここが気持ちいいか?もっと擦ってやろうな」
腰に響く甘い快楽に溶けエルーシアは髪を振り乱して首を左右に振りビクビクと跳ねる。両手を頭上で押さえられ拘束から空いた左脚が悶えのたうちシーツを掻いた。愛蜜の溢れる膣に指がもう一本差し込まれる。抜き差しする手の付け根が勃ち上がった陰核を優しく押し潰しエルーシアをさらに淫へ堕とした。
「アッああァッイッヤァッ」
「ここは気持ちいいだろう?いい哭き声だ。お前は本当に愛らしいな」
あぁ、なんて気持ちいいの‥‥
拘束され抵抗しても敵わない。背徳の熱と手荒い愛撫と快感、喘ぐような息継ぎ、寝室に響く水音、激しく抜き差しされる指。そして淫堕へ誘うようにラルドが耳元で甘く囁いた。それは酷い狂気を纏っていたがエルーシアは気がつかない。
「お前はもう私のものだ。今までも、そしてこれからもずっと一緒だよ。全て私がうまくやるから」
「わたしは‥おにぃさま‥の‥もの?ずっと‥いっしょに‥?」
「そうだよ、お前をたくさん愛してイかせてとろとろに蕩かせて、ここに私を埋めて穿って。この奥に子種をたっぷり注いでやろう。そしてお前は私の子を孕むんだ。それがお前の侯爵令嬢としての務めだ。大丈夫だよシア、痛いのは最初だけ、すぐに善くなる」
「‥つと‥め?わたし‥の?」
義兄に言われたことを舌足らずに繰り返せば当たり前のことに思えた。義兄に抱かれ子宮に精を受けて義兄の子を産む。トレンメル家を残し民を守る。それが侯爵家に生まれたエルーシアの務め。その務めを果たすために———
「おにぃさまの‥ください‥‥なかに‥たくさん‥」
愉悦から意識が混濁するエルーシアが囁く。ラルドがひどく甘く嫣然と、だがどこか獰猛に微笑んだ。膣内の指がぐるりとエルーシアを撫でた。
「ああ、お前はこんなに愛らしくて素直でいい子だ。望み通りすぐに孕めるようにたくさん抱いてやろうな。私はお前に酷いことをしないだろう?私たちは生まれた時からこうなる運命だったんだよ。兄妹に生まれたのはそのためだ。怖いことはない、私の檻の中で守ってやる。もう離さないよ。愛しいシア、私の大事な義妹。愛している。今日はお前の中を私で満たしてやろう」
ラルドから与えられる淫熱でエルーシアの思考も手足も絡め取られる。義兄のいつもの、だけどどこか壊れたような甘く優しい声音に、朦朧とするエルーシアは義兄の真意を悟る。今夜は初夜、義兄は最後までエルーシアを抱くつもりだと。それを受け止めるのがエルーシアの務めだと。
絶対に奪われてはいけないと、自分のために守り抜けとエデルに言われた。エルーシアの肉体は一つ。エデルとラルド、焦がれる二人の間でエルーシアの心は選択できない。だが思考と体は勝手にラルドに堕ちようとしている。
仄暗い闇に堕ちそうになる最後の最後でエデルの笑顔が脳裏を掠める。大好きなエデル、ただ一人のひと。檻に囚われ孤独な自分に恋を教えてくれた。たくさん愛してくれた。
エデルだいすき‥‥エデル‥‥
その込み上げる想いで霞が晴れる。エデルに手を引かれがんじがらめだったエルーシアの意識が急速に戻る。同時にラルドの暗示が解けた。
力無く横たわっていたエルーシアが突然暴れ出しラルドが目を剥いた。
「イヤ‥‥お義兄さま‥放して!ダメッダメです!やめて!助けてエデル!」
「シア!やめろ!大人しくするんだ!」
「イヤァ!やめて!放して!エデル!エデル!」
「‥‥あの男の名を二度と口にするな!!」
激昂するラルドが膣孔から引き抜いた手を振り上げた。
殴られる!手を拘束されたエルーシアは身を守れない。咄嗟に顔を背け目をぎゅっと閉じた。
0
お気に入りに追加
368
あなたにおすすめの小説
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
極上の一夜で懐妊したらエリートパイロットの溺愛新婚生活がはじまりました
白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!
恋愛
早瀬 果歩はごく普通のOL。
あるとき、元カレに酷く振られて、1人でハワイへ傷心旅行をすることに。
そこで逢見 翔というパイロットと知り合った。
翔は果歩に素敵な時間をくれて、やがて2人は一夜を過ごす。
しかし翌朝、翔は果歩の前から消えてしまって……。
**********
●早瀬 果歩(はやせ かほ)
25歳、OL
元カレに酷く振られた傷心旅行先のハワイで、翔と運命的に出会う。
●逢見 翔(おうみ しょう)
28歳、パイロット
世界を飛び回るエリートパイロット。
ハワイへのフライト後、果歩と出会い、一夜を過ごすがその後、消えてしまう。
翌朝いなくなってしまったことには、なにか理由があるようで……?
●航(わたる)
1歳半
果歩と翔の息子。飛行機が好き。
※表記年齢は初登場です
**********
webコンテンツ大賞【恋愛小説大賞】にエントリー中です!
完結しました!
【R18】フェロモン -堕ちてゆく彼女ー
ちゅー
恋愛
フェロモンは動物が同種の個体に対し一定の行動や発育を促す生理活性物質である。
例えばミツバチは巣に危険が迫った際、針からフェロモンを出し仲間に危険を知らせる。雄のブタは発情期の雌に対し、アンドロステノンというフェロモンを出し、交尾を誘引したり、排卵を活性化させる。
生殖行為を促すフェロモンに絞っても 1600 種以上が既に発見されており、生物界におけるフェロモンによる行動促進は枚挙に暇がない。
動物の場合、フェロモンを感受する器官は主に鼻、嗅覚となる。そこから脳へ伝わり、無意識下で生理変化を促される。
対してヒトに関するフェロモンに存在が証明されたものはない。感受器官である嗅覚に関しては、視覚の進化に伴いヒトは退化を選んだ。
特にコミュニケーション手段が多様化している昨今、嗅覚に頼る必要も薄れてきているのかもしれない。
ただそんな現代社会で自由にフェロモンを操るヒトが存在したらどうだろうか。行動誘導、体質改造、生理現象管理を本人にすら気づかれずコントロールできるようなヒトが、下劣な下心を持ってしまっていたら…
※ノクターンノベルズにアップしていた同名作品を加筆修正したものです
※同一作者です< 麻色 = ちゅー太 >
【R18】今夜、私は義父に抱かれる
umi
恋愛
封じられた初恋が、時を経て三人の男女の運命を狂わせる。メリバ好きさんにおくる、禁断のエロスファンタジー。
一章 初夜:幸せな若妻に迫る義父の魔手。夫が留守のある夜、とうとう義父が牙を剥き──。悲劇の始まりの、ある夜のお話。
二章 接吻:悪夢の一夜が明け、義父は嫁を手元に囲った。が、事の最中に戻ったかに思われた娘の幼少時代の記憶は、夜が明けるとまた元通りに封じられていた。若妻の心が夫に戻ってしまったことを知って絶望した義父は、再び力づくで娘を手に入れようと──。
【共通】
*中世欧州風ファンタジー。
*立派なお屋敷に使用人が何人もいるようなおうちです。旦那様、奥様、若旦那様、若奥様、みたいな。国、服装、髪や目の色などは、お好きな設定で読んでください。
*女性向け。女の子至上主義の切ないエロスを目指してます。
*一章、二章とも、途中で無理矢理→溺愛→に豹変します。二章はその後闇落ち展開。思ってたのとちがう(スン)…な場合はそっ閉じでスルーいただけると幸いです。
*ムーンライトノベルズ様にも旧バージョンで投稿しています。
※同タイトルの過去作『今夜、私は義父に抱かれる』を改編しました。2021/12/25
性欲の強すぎるヤクザに捕まった話
古亜
恋愛
中堅企業の普通のOL、沢木梢(さわきこずえ)はある日突然現れたチンピラ3人に、兄貴と呼ばれる人物のもとへ拉致されてしまう。
どうやら商売女と間違えられたらしく、人違いだと主張するも、兄貴とか呼ばれた男は聞く耳を持たない。
「美味しいピザをすぐデリバリーできるのに、わざわざコンビニのピザ風の惣菜パンを食べる人います?」
「たまには惣菜パンも悪くねぇ」
……嘘でしょ。
2019/11/4 33話+2話で本編完結
2021/1/15 書籍出版されました
2021/1/22 続き頑張ります
半分くらいR18な話なので予告はしません。
強引な描写含むので苦手な方はブラウザバックしてください。だいたいタイトル通りな感じなので、少しでも思ってたのと違う、地雷と思ったら即回れ右でお願いします。
誤字脱字、文章わかりにくい等の指摘は有り難く受け取り修正しますが、思った通りじゃない生理的に無理といった内容については自衛に留め批判否定はご遠慮ください。泣きます。
当然の事ながら、この話はフィクションです。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
【R-18】悪役令嬢ですが、罠に嵌まって張型つき木馬に跨がる事になりました!
臣桜
恋愛
悪役令嬢エトラは、王女と聖女とお茶会をしたあと、真っ白な空間にいた。
そこには張型のついた木馬があり『ご自由に跨がってください。絶頂すれば元の世界に戻れます』の文字が……。
※ムーンライトノベルズ様にも重複投稿しています
※表紙はニジジャーニーで生成しました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる