上 下
38 / 78
第一部

第37話 ※

しおりを挟む



 他にエデルは何をしてくれた?気持ちよかったこと‥‥

 浅い呼吸と霞む思考の中で思い出しながらエルーシアはエデルの体に手を這わす。その度にエデルの体がビクビクと反応した。頭を抱き寄せて耳に舌を這わせれば呻き声が聞こえる。その艶のある声がエルーシアの興奮を誘った。口角の傷を愛おしげに舌先で舐める。これはエルーシアがつけてしまった傷だ。そのままに深く舌を絡め口づけ合う。
 エデルの耳が真っ赤で背中にも汗が滲んでいた。エデルも辛いのだろうか?エデルの硬いものがエルーシアの下腹部を突いていた。一緒に媚薬を食べた。エデルの興奮がわかる。指で膣壁を愛撫されるも指で届かないところが酷く疼く。エデルがこの奥に入ったらどうなるんだろう。その淫らな妄想にこくりと喉を鳴らした。欲情がエルーシアの身をじりじりと焦がす。

「エデル‥もういいわ‥」
「でもまだ‥」
「ひとつになりたい‥」

 耳元で囁けばエデルが顔を歪めている。ふるふる震えてなんだか泣きそうだ。目元を手で覆いため息混じりの声が聞こえる。

「エルシャ様は‥本当に初めて?それは天性ですか?」
「え?」
「まるで‥小悪魔か淫魔のようだ。僕の身にもなってください。もう色々と辛い‥」
「え?私何か‥した?ごめんなさい」
「その素直さも‥今の僕には毒です。もう何をされても悶絶死してしまいそうだ」

 しおしおとそう言いぎゅっと抱きしめられた。僕も一つになりたいです。そう囁かれエルーシアの胸がときめいた。

「体の力を抜いて‥ゆっくりします」

 こくんと頷けば優しく押し倒され脚を開かれる。蜜口を探られ硬いものが充てがわれた。硬いそこで浅く抜き差しされた後、ゆっくりと滾る雄が差し込まれた。

 体内に差し込まれたものは思っていたより硬く大きい。これが本当に肉体の一部なんだろうか。指なんて比べ物にならない。十分ほぐれたはずの膣壁が裂けんばかりにミチミチと押し広げられ体が勝手に反り上がる。媚薬の効果でか痛みは思っていたより酷くないが、初めてそこに押し入ろうとする異物を阻止する防衛本能で膣壁がエデルをぎゅうぎゅうに締め上げた。

「エルシャさ‥力を‥」
「かってに‥ああん‥」

 大きい。辛い。息苦しくて必死に浅い呼吸を繰り返す。力を抜こうと思うも下腹部が緊張で石の様に固まっている。
 大好きなエデルと繋がりたい。奥が疼いて痛いほどに苦しい。でも力の抜き方がわからない。もどかしくて涙が溢れ出した。

「エデル‥たすけ‥て‥どうすれば‥」
 
 エデルがサイドテーブルのボトルを乱暴に手に取りコルクを咥え栓を開ける。直飲みでワインを含みエルーシアに口づけた。口移しされた液体を嚥下すれば体の内側からあぶられたように熱くなる。

「ハァ‥ハァ‥アァぁッエデッ」

 さらに口内を深く貪られ、舌を絡め取られしゃぶられる。胸の突起も指で弾かれた。その焼ける熱と快楽で体が弛緩したところをエデルが己の屹立きつりつをずるりと滑り込ませる。無垢な膣道に押し入られるたびにエルーシアの中が強引に開かれ暴かれる。通ったところにエデルの跡がつく。

「ハァ‥‥ハァ‥ンッ」
「エル‥‥もっと‥」

 熱で朦朧とする中で再び深く口づけられ口内に塊が押し込まれる。それがあの媚薬とわかったのは溶けて飲み込んだ後だった。あの独特の高揚が背筋をゾクゾクと這い上がる。酷い熱でのぼせて血が逆流しそうだ。弓のように沿っていた体から力が抜け、エルーシアは魂の抜けた人形のように茫然と手足を投げ出した。

「ハァ‥エデ‥な‥」
「少し痛いです‥少しだけ‥耐えて‥」
「ハァハァッあッあッな‥ひんッ」

 両脚を抱えられぐいと腰が押しつけられ、ずるりと太く硬いものが奥に押し入ってきた。ツキンと裂ける痛みが走るもすぐに媚薬とアルコールの熱にのみこまれる。下腹部は力むことなく滾るエデルを奥まで受け入れた。

「‥‥もう少し‥くッ‥‥入り‥ました」

 肩で荒い息を吐いたエデルが力尽きたエルーシアを抱きしめた。エルーシアのはしばみ色ヘーゼルの瞳から新しい涙が溢れ出た。

 これで全部入ったの?

 下腹部の異物感がくさびのようにエデルの存在を主張している。媚薬のおかげか痛みは思ったよりもなかった。それよりもこの圧迫感と息苦しさが凄い。初めてはこれ程に受け入れるのが大変とは思わなかった。媚薬とワインがなかったらもっと酷かったのだろうか。色々と気遣い準備してくれたエデルに感謝しかない。

「大丈夫ですか‥?」
「うん‥だいじょうぶよ‥」

 疲労の中でなんとかにこりと微笑めばエデルが感極まったように抱きしめてきた。

「やっと‥僕のものに出来ました。‥エルシャ様は僕だけのものです‥‥もう誰にも渡しません」
「エデル‥ぁん‥」

 エデルのきつい抱擁にエルーシアが甘い息を吐いた。身も心もエデルのものになった。それがとても嬉しい。

 抱き合った状態でエデルが身動ぎしたことで胸が擦れ媚薬で敏感な体に電気が走った。熱はまだエルーシアの体を炙り続けている。その刺激で中のエデルを締めつめてしまった。膣襞にぎゅうと絞られエデルから熱いうめきが出る。エデルの額から汗が滴り落ちた。びくびくと震え追い詰められたエデルは猛獣がうなるような荒い息を吐いた。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

愛人の子を寵愛する旦那様へ、多分その子貴方の子どもじゃありません。

ましゅぺちーの
恋愛
侯爵家の令嬢だったシアには結婚して七年目になる夫がいる。 夫との間には娘が一人おり、傍から見れば幸せな家庭のように思えた。 が、しかし。 実際には彼女の夫である公爵は元メイドである愛人宅から帰らずシアを蔑ろにしていた。 彼女が頼れるのは実家と公爵邸にいる優しい使用人たちだけ。 ずっと耐えてきたシアだったが、ある日夫に娘の悪口を言われたことでとうとう堪忍袋の緒が切れて……! ついに虐げられたお飾りの妻による復讐が始まる―― 夫に報復をするために動く最中、愛人のまさかの事実が次々と判明して…!?

子育てが落ち着いた20年目の結婚記念日……「離縁よ!離縁!」私は屋敷を飛び出しました。

さくしゃ
恋愛
アーリントン王国の片隅にあるバーンズ男爵領では、6人の子育てが落ち着いた領主夫人のエミリアと領主のヴァーンズは20回目の結婚記念日を迎えていた。 忙しい子育てと政務にすれ違いの生活を送っていた二人は、久しぶりに二人だけで食事をすることに。 「はぁ……盛り上がりすぎて7人目なんて言われたらどうしよう……いいえ!いっそのことあと5人くらい!」 気合いを入れるエミリアは侍女の案内でヴァーンズが待つ食堂へ。しかし、 「信じられない!離縁よ!離縁!」 深夜2時、エミリアは怒りを露わに屋敷を飛び出していった。自室に「実家へ帰らせていただきます!」という書き置きを残して。 結婚20年目にして離婚の危機……果たしてその結末は!?

離婚が決まった日に惚れ薬を飲んでしまった旦那様

しあ
恋愛
片想いしていた彼と結婚をして幸せになれると思っていたけど、旦那様は女性嫌いで私とも話そうとしない。 会うのはパーティーに参加する時くらい。 そんな日々が3年続き、この生活に耐えられなくなって離婚を切り出す。そうすれば、考える素振りすらせず離婚届にサインをされる。 悲しくて泣きそうになったその日の夜、旦那に珍しく部屋に呼ばれる。 お茶をしようと言われ、無言の時間を過ごしていると、旦那様が急に倒れられる。 目を覚ませば私の事を愛していると言ってきてーーー。 旦那様は一体どうなってしまったの?

離婚してくださいませ。旦那様。

あかね
恋愛
元の体がミスで死んじゃったから入れ替えねと魂を入れ替えられて異世界のご婦人アイリスになった私。身分差+借金の形に売られて不遇な結婚生活を送っていた元のアイリスと同じように生活……できるかっ! とさくっと離婚に乗り出す。全力ですれ違っていた?そんなの知りません。断捨離です。

ごめんなさい、全部聞こえてます! ~ 私を嫌う婚約者が『魔法の鏡』に恋愛相談をしていました

秦朱音@アルファポリス文庫より書籍発売中
恋愛
「鏡よ鏡、真実を教えてくれ。好いてもない相手と結婚させられたら、人は一体どうなってしまうのだろうか……」 『魔法の鏡』に向かって話しかけているのは、辺境伯ユラン・ジークリッド。 ユランが最愛の婚約者に逃げられて致し方なく私と婚約したのは重々承知だけど、私のことを「好いてもない相手」呼ばわりだなんて酷すぎる。 しかも貴方が恋愛相談しているその『魔法の鏡』。 裏で喋ってるの、私ですからーっ! *他サイトに投稿したものを改稿 *長編化するか迷ってますが、とりあえず短編でお楽しみください

地味すぎる私は妹に婚約者を取られましたが、穏やかに過ごせるのでむしろ好都合でした

茜カナコ
恋愛
地味な令嬢が婚約破棄されたけれど、自分に合う男性と恋に落ちて幸せになる話。

離婚の勧め

岡暁舟
恋愛
思いがけない展開に?

メリバだらけの乙女ゲーで推しを幸せにしようとしたら、執着されて禁断の関係に堕ちました

桃瀬いづみ
恋愛
母親の再婚により公爵令嬢となったアンナは、はまっていた乙女ゲームに転生したラッキー体質の元オタク。彼女は義兄が攻略キャラであり、自身の最推し・ロイだということを知る。片目が赤いオッドアイを持ち、「忌み子」として周囲に恐れられてきたロイの設定は、ゲームヒロインによって心を開いていくというもの。だけど、ゆくゆくは監禁や薬漬けといった壮絶な事件を引き起こし、メリーバッドエンドを迎えてしまう――。最推しを不幸にしたくないアンナは、ラッキー体質を生かしてロイをハッピーエンドに導くことを決意! それから10年、ようやく義兄との距離が縮まったけれど、アンナが18歳になった時、二人の関係が変わり始めて……?

処理中です...