勇者の料理番

うりぼう

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みんな大好き焼肉

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「朝日」
「どうしたのそんなに真剣な顔して」
「大問題が発生した」
「大問題?」

いつになく真剣で深刻な表情の太陽。
何かを思い詰めているようなそんな表情だけど、俺は知っている。

太陽がこんな顔をする時に言う『大問題』は基本的に『大問題』ではない。

というよりもむしろ小さな小さな問題だ。
いや問題と言えるかどうかも怪しい。
本人にとっては大問題なんだろうけど、周りからすればそんな事かいと言えるような事だ。

以前の『大問題』は宿題が終わらないとか近所の野良猫が可愛すぎて動けないとか購買のパンが売り切れていておやつがなかったとかその程度の事だった。
どれもこれも正直すぐに解決出来るものばかりで、一瞬で『大問題』は消えた。

さてさて今回の『大問題』とやらは一体何なのだろうか。

組んだ両手を口元に当て、両肘を膝に置いたポーズの太陽に尋ねると。

「……たい」
「ん?」

ぼそりと呟かれたセリフ。
小さい声を聞きとれずに首を傾げると。

「焼肉が、食べたい……!」

次のセリフは、ギラリと目を光らせての何ともまあ力強い一言だった。
うん、やっぱり大した『大問題』じゃなかったね。
太陽にとっては一大事なんだろうけど。

「……焼肉?」
「そう!焼肉!」

謎のポーズを解き今度は拳を握り締め力説を始める太陽。

「牛タンカルビにロースにハラミ、塩も良いけどタレも良いよなあ、薄切りでも厚切りでも漬けでも何でも大歓迎!それにトントロ、ホルモン、ビビンバに冷麺、タレの絡んだライスにピリ辛カルビスープ!網で焼いた時のあの香ばしい匂い!とにかく肉!肉が食いたい!!」
「相変わらず大好きだねえ、焼肉」
「だってこっちの世界来て一回も食ってないんだぞ!?朝日は食いたくないのかよ!?」
「食べたいけど、うーん……」
「何、何か問題?肉が必要なら狩ってくるけど!?」
「こらこら魔獣じゃないんだから気軽に牛狩っちゃダメでしょ」
「じゃあ買って来よう!ウェインのポケットマネーで!」
「え、俺の?まあ別に構わないけど」
「王子、甘やかさないで下さい。ていうかそもそも泉が遠いんだからすぐに買い出しに行けないでしょ」
「うう、肉、肉……!」

焼肉出来る程の肉が潤沢にないというのはもちろん、タレの材料も、どうせなら作りたいキムチもない。
タレやキムチは魔法でなんとかなるけど肉だけはそうもいかない。
豚肉はこの前の魔獣の残りがあるから大丈夫だけど、あいにく牛肉は少ない。
牛丼くらいは作れるだろうけど。

「都合良く牛型の魔獣でも出れば話は別なんだけどねえ」
「……牛型の魔獣か」

溜め息を吐きつつ呟くと、ウェイン王子も同じくぼそりと呟いた。
そのほんの小さな呟きを逃す太陽ではない。

「いるの?」
「まあ、牛といえば牛、かな」
「マジで!?」

なんと、今まさに向かっている魔獣の群れが牛のような魔獣の群れらしい。
タイムリーすぎるだろ。
天が太陽に味方しすぎじゃない?
まあ勇者だから天も味方のひとつやふたつするのかもしれないけど。

「でも食べられるかどうかは見てみないとわからないよ?」
「良いよ!全然オッケー!絶対食える!絶対牛!」
「何の根拠があるのだ一体」
「……さあ?」

断言する太陽にたまがごもっともな一言。
何の根拠もないのだが、こういう時の太陽の根拠のない自信って当たるんだよなあ。
それは向こうの世界にいた時からそうだった。
特に食べ物に関してはその勘の鋭さといったら物凄い。

「じゃあ今晩は焼肉だね」
「大丈夫なのか?まだ牛だとは限らないのだろう?」
「多分大丈夫だと思う」

すっかりやる気満々の太陽。
本当に牛型の魔獣なのかどうか、食べられるのかどうかと訝しむたまに苦笑いを浮かべてそう答えた。












(うん、まあやっぱりこうなるよね)

案の定。
太陽の目論み通り、天の思し召し通り、向かった先にいた魔獣の群れは牛のような魔獣だった。
牛と違う点は全体的な大きさと角の大きさ、形。
それに脚の長さと大きさだろうか。
俺達が普段食べている牛は足先に向かって細くなっているが、この魔獣は足先まで立派で太い。
全体的なフォルムでいうとサイやカバのようにも見える。
そしておまけに背中に羽根が生えているのだ。
遠く高く飛ぶのは難しいようだが、その羽根を武器として使っている。

「……牛、だな」
「牛だねえ」

見た目は違うが、まああれは牛と言って良いだろう。
一頭倒した後の太陽のテンションの高さから言って、食べられると判定されたに違いない。

「よーし、じゃあ早速準備しますか!」

袖を捲り、太陽リクエストの焼肉の準備に取り掛かった。

「って言ってもやる事少ないんだよねえ」

メインは肉だから魔獣を狩り終えるのを待つしかない。
スープ用に最初の一頭だけ先に貰っておいたけど。
野菜は切っておくだけ。
肉を焼く網や炭は移動の最中に騎士さん達に頼んで作ってもらった。
網も炭も魔法で作れるんだから凄いよなあ。

あとはタレとナムル、キムチくらいかな。
ビビンバはともかく冷麺は麺がないから難しいので諦めてもらおう。
その内色々改良して作ろうかな。

「それにしても、焼肉とはただ肉を焼いて食べるだけなのだろう?あ奴は何をあんなにはしゃいでいるのだ?」
「焼肉は俺達の世界だとご馳走だからねえ」

ただ肉を焼くだけと言われればそれまでだが、そのただ肉を焼いて食べるだけのものがとてつもなく美味しいのだ。
今では食べ放題とかも充実していて気軽に食べられるが、お高いお店のお高いお肉はやはり違う。
太陽が満足いくまでお高い店で食べていたら、太陽家は一瞬で破産してしまうだろう。

(さーて、まずはタレからいくか)

醤油、砂糖、酒、ごま油にしょうがとにんにく。
あとはリンゴと玉ねぎをすりおろして全部混ぜて火にかける。
沸騰したらレモンで蓋をして置いておこう。
このレモンが良い働きするんだよなあ。
詳しい効果はわからないけど入れておいた方が美味しくなる気がする。
あ、しまったゴマ忘れてた。
まあ後からでも良いか。

次はスープ。
最初に狩ってもらった一頭を切り分けたものを骨ごと入れ、生姜とネギを入れて茹でる。
灰汁を取りながらひたすら茹でる。
骨から良い出汁が出るはずなんだよなあ。
ついでに肉にもじっくり火を通してとろとろにしてしまおう。
目指せ舌で噛み切れるくらいの柔らかさ。

タレもだけどスープも魔法で時間短縮してしまおう。
太陽のあの戦いぶりだといつもより早く終わってしまいそうだ。
良い感じの出汁が出たらそこに野菜を入れて火を通していく。
うーん、良い匂い!

次にキムチ。
白菜ときゅうりと大根の三種類作ろうかな。
オイキムチ好きなんだよね。少し多目に作っちゃおう。
本当は丸ごとそのまま漬けるんだけど、面倒だから全部先に切っちゃおう。
白菜をざく切り、大根は角切り、きゅうりは三、四等分して切り込みを入れておく。
それとは別に、人参と大根を千切りしてニラも切って、これまた大根とニンニクをすりおろして全部混ぜたものをきゅうりの切り込みに突っ込んでいく。
この具沢山オイキムチが大好きなんだよね。
辛いけど、太陽もこれだけは食べれるし。

そしてさすがにキムチの素は一から作れないから……

「じゃじゃーん!」

お玉さんの出番です!
たらいに塩で揉んだ白菜、大根、きゅうりをそれぞれ敷き詰めお玉で魔法をかける。

出てこいキムチの素ー素ー美味しいキムチの素ー!

心の中で呪文を唱えながらそれぞれに魔法をかけていくと段々とたらいの中が赤く染まっていく。
匂いもまさにキムチだ。
めっちゃ良い匂い。
最高。
これも後は置いておくだけ。

「……すごい匂いがしているぞ」
「にんにくニラたっぷりだし、発酵食品だからねー」

初めて嗅ぐ匂いなのかたまが顔をしかめる。
この国の他の料理に比べたらまだまだ可愛い方だと思うんだけどなあ。

「次は何を作るんだ?」
「次はナムル!」
「なむる?」
「副菜だよ。焼肉に合うんだこれがまた!」

ナムルは定番のほうれん草、人参、もやし、大根。
本当はゼンマイも入れたいけど、残念ながらゼンマイはないから今回はなし。
でも四だと数が悪いなあ。
もう一種類……もう一種類……あ、小松菜があるから小松菜にするか。
ついでにきのこも入れちゃおう。
それぞれ茹でてゴマ油と塩コショウなどで味付けしていく。
よしよし、良い感じ。

「朝日」
「んー?」
「今日は味見はないのか?」
「食べたいの?」
「うむ」
「しょうがないなあ」

いつものように背後または隣にべったりとくっついているたまに訴えられ、今作ったばかりのナムルを一口差し出す。

「はい」
「……ほう、良い味付けだな」
「美味しいでしょ?これをご飯と混ぜて食べるのがまた美味しいんだよ」
「そっちの赤いのはまだなのか?」
「キムチ?こっちも食べてみる?」
「きゅうりのやつをくれ」
「はいはい」

キムチも魔法をかけてあるのでもういつでも食べられる。
リクエスト通りにオイキムチを摘まみ差し出すと……

「ちょ……!」
「……うむ、匂いの割にこちらも中々の味だな」
「ちょっと!たま!」
「どうかしたか?」
「どうかしまくってますけど!?」

オイキムチを摘まんだ俺の手を掴み、当然のように俺の手からそのまま食べるたま。
何か前にも同じような事があった気がする。
気がするっていうかあった、絶対。
でもあの時はもっと普通だった。
普通に餌付けしてる感じとしか思わなかったけど、今日はなんか、なんか……

(こんな色気むんむんじゃなかった気がするんですけど……!?)

食べてるのはオイキムチなのに。
オイキムチなのに何なのその色気!
少し細められた瞳でねっとりと見つめられながらしゃくしゃくぽりぽりと口の中へと消えていくオイキムチ。
何だこれ凄くシュールな光景な気がする。

「ってちょ、ちょおおおおい!たま!何してんの!?」
「何って、キレイにしただけだ」
「いらないからそういうの!」

食べた後にご丁寧に俺の指まで舐めるたま。
油断してた。
最近たまの距離感がおかしいからそこそこ警戒してたのに、今日は朝から普通だったから完全に油断してた。
まさかこんな事されるとは。
そんでもって男相手にこんな事されたのに嫌がるどころか照れている自分が気持ち悪い。
照れてる場合じゃないだろ!
抵抗しろ!

「たま!」
「何だ?」
「手……!」
「ふっ、手がどうしたんだ?」
「……っ、っ」

たまの手から逃れようと力を込めて引き寄せるが全く動かない。
ちくしょう、また力使ってるのか?

「言っておくが、力は使っていないぞ」
「え!?」

という事は純粋に力の差か。
どういう事だよこれでも平均的な男子高校生なんだぞ俺は。
それが全力出しても振り切れない程の力ってどんだけだよ。
いやこの際力を使っていようがいまいがどっちでも良い。

「離してくれませんかね」
「嫌だと言ったら?」
「今日のご飯抜き!」
「それは困るな。だが、お主がくれなくとも周りが貢いでくると思うぞ」
「う……」

確かに、精霊であるたまが何も口にしていないとあっては周りの騎士さん達が放っておくはずもない。
我先にとたまに自分のご飯を貢ぐ姿が容易に想像出来る。
太陽辺りは良い気味だと言ってニヤニヤ目の前で食べるんだろうけど。

「たま」
「……」

軽く睨むがたまは緩く笑みを浮かべたまま手を離すつもりはなさそうだ。
太陽達が戻ってくるまでこの状態のままなのだろうか。
困ったなあと思っていると。

「……残念だが、時間切れだな」
「え?」

たまがあっさりと手を離した。
時間切れ、という事は。

「朝日ー!朝日朝日!大量だぞ大量ー!!」

やはり、太陽達が戻ってきた。
あちこちに魔獣の返り血らしき液体や泥にまみれながらも物凄く良い笑顔でモザイク処理が必要な状態の物体もとい魔獣の肉を掲げている。

「うわあ」
「今日はまた凄いいで立ちだな」
「焼肉にテンション上がりすぎて暴走しちゃったのかも」
「まだまだ子供だな」

ふっと鼻で笑うたま。
子供の一言で済ませられるものなのだろうか。
うん、まあ深くは考えないでおこう。

「準備は?」
「万端」
「やったー!焼肉ー!」
「でもその前に太陽はお風呂!」
「えー腹減ってるのにー!」
「ダメ、風呂が先!」
「はーい」

ぶつくさ言いつつも身体を清めにいく太陽を見送りつつ、狩ってきた肉達を見る。
食べる分は既に捌かれていて、いくつかの塊に分けられている。

「こっちはカルビっぽいなあ、こっちはハラミか?」

他にも色々な部位があるが、さすがに内蔵は食べられないようでその肉達の中にはなかった。

「あ!これタン!?うわあ、本物の牛タンみたい!」

一度だけ塊で見た事がある牛タンそのものだ。
大きさはもちろん桁違いだけど。

これだけあれば太陽が満足出来るくらいの肉を用意出来る。
厚切りもばっちりだ。
カルビっぽいのは漬けと薄切りと厚切りにしよう。
骨付きのままってのも捨て難い。

塩とタレは半分ずつで良いかな。
タンは絶対塩でしょ!
ネギも細かく刻んでおいたし、これでネギ塩牛タンが食べられる!

さっき仕込んでおいたタレもスープも完璧。
ご飯も仕込んでおいたし、網と炭の用意もばっちり。
あとは太陽の風呂を待って……

「焼肉ー!」

待つ必要もなく太陽がダッシュでやってきた。
という訳で!

「それでは、いただきまーす!」
「いただきます!」

やり方がわかっている太陽は我先にとさっさと肉を焼き始めている。
他の騎士さん達は見よう見まねで網の上に肉を置いていっている。
ジュージュー良い音を立てて焼かれていく肉達。
音だけでもう美味しそう。

「肉が焼けたらこっちのタレに付けて食べて下さいね。このタンはレモン汁がおすすめです!」
「魔獣の肉をただ焼いただけなのがそんなに美味いのか?」
「でも朝日くんが作ったやつだからなあ、間違いないだろ」

焼いただけというシンプルすぎる食べ方に最初は半信半疑だった騎士さん達だが。

「!!!」
「何だこれ!うまー!」
「こっちのタレもすげえ美味いぞ!」
「うわあ、酒飲みてー!」
「俺ご飯!ご飯欲しい!朝日くん!」
「はいはい、用意してありますよー!」

白いご飯はもちろん、ナムルと合わせてビビンバにも出来るしスープと合わせてクッパにも出来る。
極めつけは……

「朝日、これ……!」
「ふふ、特製石焼きビビンバでーす!」
「うわああああ!」

石焼き、といってもあの器がある訳じゃないからそれっぽい器を熱々にしてビビンバ乗せただけなんだけど。
太陽はいつも石焼きビビンバ食べてたからなあ、絶対喜ぶと思った。
目を輝かせる太陽に俺はひっそりと大満足。

大量にあった肉があれよあれよとみんなの胃袋に収まっていくのをこれまた満足しながら見つめていると。

「何をぼんやりしているんだ。お主の分がなくなるぞ」
「んぐ」

たまがそう言いながら俺の口に肉を押し込んできた。
うーん我ながら良い味付け。

「美味しい」
「もっと食べろ」
「自分で食べれるってば」
「放っておいたら他人の世話で終わりそうだからな」
「ちゃんと食べるって」
「ほら、こちらも食べると良い」
「……美味しい」
「だろう?」

まるで自分が作ったかのように答えるたま。
今度はこちらが餌付けをされているみたいだ。

いつもなら太陽が離れろだとかなんとか言って声を荒げるが、今日の太陽は肉に夢中な様子。
あれだけ夢中になってくれるのなら作った甲斐があるというものだ。
周りを見るともくもくと煙に巻かれながらみんなが美味しそうに肉を頬張っている。

「ビビンバもキムチも当然肉もめちゃくちゃうまー!」
「焼いただけとは思えないね」
「ウェイン、これもおすすめ!ネギ巻いて食うとすっごい美味いから!」
「!本当だ」

自分の分は確保しつつウェイン王子の皿にももりもりと肉を盛っていく太陽。
自分の皿にはその三倍は乗っている。

(ははっ、嬉しいなあ)

やはり美味しそうに食べる人の顔を見るのは嬉しいし楽しい。

「朝日、次はこれが食べたい」
「はいはい」

いつの間にか立場が逆転していたたまに促され、熱々に焼けたカルビもどきをたまの口元へと運んだ。
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