39 / 115
人間ウォッチング
しおりを挟む
私は空手バックパッカーなどと名乗っておりますが、「空手家」などという立派な者ではありませんでした。
どちらかというと私は「空手大道芸人」だったと思います。
私がアジア諸国でやっていたことは武者修行などではなく、芸を見せて客を集めていたのです。
本気で命を懸けて空手修行しておられる方からすれば大変顰蹙ものなんですけど、私はある時期には空手芸を見せて食事や小銭を恵んでもらったりもしておりました。
石を割って見せた後、スプーンを念力で曲げる(もちろん手品です)などもよくやりました。
こういった格闘技や武道ではない「大道芸としての空手」のネタを一番真剣に考えたのがコロンボのデワの書斎(つまり当時の私の寝床)でした。
・・・とにかく一般人にウケる技、派手で見た目の良い技・・・これをやらなければ。
膨大な空手・拳法関係の書籍をひろげて、気になる技をピックアップしてメモします。
そうこうしているうちにお腹が空いてきました。
さて、さきほどテーブルを蹴飛ばしてしまった右足も、さほどひどい痛みはありませんので立ち上がります。
町に出てみようかとも思いましたが、夕方までにデモンストレーション用の技を煮詰めておかなければならないので、ホテルのレストランで済ますことにします。
レストランはわりと小ぎれいで、テーブルすべてに白いテーブルクロスがかけられております。
そして客は誰も居ません。
このホテルも今朝までいたゲストハウス同様、宿泊客が少なくなっているのでしょう。
席に着くとすぐにウェイターがやってきました。
「いらっしゃいませ。スリランカ料理になさいますか?それとも西洋料理?」
「スリランカ料理がいい」
私はスリランカ滞在中、ほとんどスリランカ料理を食べていました。つまり毎日毎食カレーです。
「スリランカ料理でしたら、ビュフェになっています。あちらで自由にお取りください」
見ると、大きなビュッフェ用の保温器がいくつも並んでいます。
・・・しかし・・・こんなにお客がいないのに、ビュフェって大丈夫なのか?
がとりあえず行って、大皿に飯をもりつけます。
カレーは4種類もある。全部のカレーをすこしづつ、それとサンボル(和え物)を取ります。
テーブルに帰って食べてみます。悪くない。外国人向けなのでしょうか、辛さがおさえてありますがまずまずの味です。
腹が一杯になったところで少し、外の風に当たってみたくなりましたので、ホテルの前の道路に出ます。
玄関前に立っている武装したガードマンに手を挙げると、ニコッといい笑顔を見せてくれました。
外に出た瞬間、頭の上に炭火をかざされたような熱気とまばゆい光。
ホテル内が暗かっただけに、強烈に感じます。
ホテル前の道路は道幅10mほどで、車の交通量は少なく、人がたくさん歩いております。
このあたりは居住区ですので、女性や子供が多い。
かなり古い、おそらくはイギリス人が作った街並みですので、古いビルが並んでいます。
ホテルの真向かいのビルなどは上半分が瓦解している・・・建っているのが奇跡みたいなビルです。
私はしばらくこの道路に突っ立って、あたりの人間ウォッチングを楽しみました。
スリランカ人の最大の特徴・・・それは、ものすごい美形民族であることです!
とにかく日本なら、メンズクラブの表紙を飾れそうなハンサムや、モデル・アイドルデビュー確実な美女・美少女が、そこらへんにゴロゴロと転がっています。
向こうから白い制服を着た、女子高生か中学生かの10人くらいのグループが歩いてきました。
これがまた、全員がアイドル級美少女です。
彼女達は道端に突っ立っているこの日本人が珍しいのか、私の顔を一様に見つめます。
これはいい!私は彼女たちに微笑みかけます。
すると、全員が急に顔を伏せますが、黒い肌なので白い歯が目立つ。笑っています。
しつこいようですが、スリランカの女の子はメチャクチャにカワイイのです!
美少女軍団が通り過ぎた後、今度は子供の集団です。
3~5歳くらいまでの、男の子ばかり。
みんな薄汚れたTシャツにサロンという腰布を巻きつけて・・・いや、本当に小さな子供は下半身素っ裸です。
アジアではよく見かける光景ですが、小さな子供はトイレがひとりで出来ない。
日本ならオムツを当てるところですが、むこうではなにもはかせないわけです。合理的(?)だ。
わーーー。。声をあげて子供たちが私のほうに走ってきます。
かわいいなあ・・・私は正直あまり子供好きではありませんが、スリランカでは本当に子供がかわいいと思いました。
アジアの子供は貧しくても日本の子供に比べて心が豊かです・・・などと、エセヒューマニストのようなタワゴトを言う気はありませんが単純にかわいい奴が多い。
私もおもわずニコニコ顔になって彼らが来るのを待ちます。
近づいてきた子供たちが手を出して口々に言います。
「マネ、マネ(Money Money)!」
・・・さすがスリランカの子供たちだ。。
どちらかというと私は「空手大道芸人」だったと思います。
私がアジア諸国でやっていたことは武者修行などではなく、芸を見せて客を集めていたのです。
本気で命を懸けて空手修行しておられる方からすれば大変顰蹙ものなんですけど、私はある時期には空手芸を見せて食事や小銭を恵んでもらったりもしておりました。
石を割って見せた後、スプーンを念力で曲げる(もちろん手品です)などもよくやりました。
こういった格闘技や武道ではない「大道芸としての空手」のネタを一番真剣に考えたのがコロンボのデワの書斎(つまり当時の私の寝床)でした。
・・・とにかく一般人にウケる技、派手で見た目の良い技・・・これをやらなければ。
膨大な空手・拳法関係の書籍をひろげて、気になる技をピックアップしてメモします。
そうこうしているうちにお腹が空いてきました。
さて、さきほどテーブルを蹴飛ばしてしまった右足も、さほどひどい痛みはありませんので立ち上がります。
町に出てみようかとも思いましたが、夕方までにデモンストレーション用の技を煮詰めておかなければならないので、ホテルのレストランで済ますことにします。
レストランはわりと小ぎれいで、テーブルすべてに白いテーブルクロスがかけられております。
そして客は誰も居ません。
このホテルも今朝までいたゲストハウス同様、宿泊客が少なくなっているのでしょう。
席に着くとすぐにウェイターがやってきました。
「いらっしゃいませ。スリランカ料理になさいますか?それとも西洋料理?」
「スリランカ料理がいい」
私はスリランカ滞在中、ほとんどスリランカ料理を食べていました。つまり毎日毎食カレーです。
「スリランカ料理でしたら、ビュフェになっています。あちらで自由にお取りください」
見ると、大きなビュッフェ用の保温器がいくつも並んでいます。
・・・しかし・・・こんなにお客がいないのに、ビュフェって大丈夫なのか?
がとりあえず行って、大皿に飯をもりつけます。
カレーは4種類もある。全部のカレーをすこしづつ、それとサンボル(和え物)を取ります。
テーブルに帰って食べてみます。悪くない。外国人向けなのでしょうか、辛さがおさえてありますがまずまずの味です。
腹が一杯になったところで少し、外の風に当たってみたくなりましたので、ホテルの前の道路に出ます。
玄関前に立っている武装したガードマンに手を挙げると、ニコッといい笑顔を見せてくれました。
外に出た瞬間、頭の上に炭火をかざされたような熱気とまばゆい光。
ホテル内が暗かっただけに、強烈に感じます。
ホテル前の道路は道幅10mほどで、車の交通量は少なく、人がたくさん歩いております。
このあたりは居住区ですので、女性や子供が多い。
かなり古い、おそらくはイギリス人が作った街並みですので、古いビルが並んでいます。
ホテルの真向かいのビルなどは上半分が瓦解している・・・建っているのが奇跡みたいなビルです。
私はしばらくこの道路に突っ立って、あたりの人間ウォッチングを楽しみました。
スリランカ人の最大の特徴・・・それは、ものすごい美形民族であることです!
とにかく日本なら、メンズクラブの表紙を飾れそうなハンサムや、モデル・アイドルデビュー確実な美女・美少女が、そこらへんにゴロゴロと転がっています。
向こうから白い制服を着た、女子高生か中学生かの10人くらいのグループが歩いてきました。
これがまた、全員がアイドル級美少女です。
彼女達は道端に突っ立っているこの日本人が珍しいのか、私の顔を一様に見つめます。
これはいい!私は彼女たちに微笑みかけます。
すると、全員が急に顔を伏せますが、黒い肌なので白い歯が目立つ。笑っています。
しつこいようですが、スリランカの女の子はメチャクチャにカワイイのです!
美少女軍団が通り過ぎた後、今度は子供の集団です。
3~5歳くらいまでの、男の子ばかり。
みんな薄汚れたTシャツにサロンという腰布を巻きつけて・・・いや、本当に小さな子供は下半身素っ裸です。
アジアではよく見かける光景ですが、小さな子供はトイレがひとりで出来ない。
日本ならオムツを当てるところですが、むこうではなにもはかせないわけです。合理的(?)だ。
わーーー。。声をあげて子供たちが私のほうに走ってきます。
かわいいなあ・・・私は正直あまり子供好きではありませんが、スリランカでは本当に子供がかわいいと思いました。
アジアの子供は貧しくても日本の子供に比べて心が豊かです・・・などと、エセヒューマニストのようなタワゴトを言う気はありませんが単純にかわいい奴が多い。
私もおもわずニコニコ顔になって彼らが来るのを待ちます。
近づいてきた子供たちが手を出して口々に言います。
「マネ、マネ(Money Money)!」
・・・さすがスリランカの子供たちだ。。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【修正版】可愛いあの子は。
ましろ
恋愛
本当に好きだった。貴方に相応しい令嬢になる為にずっと努力してきたのにっ…!
第三王子であるディーン様とは政略的な婚約だったけれど、穏やかに少しずつ思いを重ねて来たつもりでした。
一人の転入生の存在がすべてを変えていくとは思わなかったのです…。
✻こちらは以前投稿していたものの修正版です。
途中から展開が変わっています。
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
【THE TRANSCEND-MEN】 ー超越せし者達ー
タツマゲドン
SF
約138億年前、宇宙が生まれた。
約38億年前、地球で「生物」が誕生し長い年月を掛けて「進化」し始めた。
約600万年前、「知識」と「感情」を持つ「人類」が誕生した。
人類は更にそれらを磨いた。
だが人類には別の「変化」が起こっていた。
新素粒子「エネリオン」「インフォーミオン」
新物質「ユニバーシウム」
新兵器「トランセンド・マン」
21世紀、これらの発見は人類史に革命を起こし、科学技術を大いに発展させた。
「それ」は「見え」ない、「聞こえ」ない、「嗅げ」ない、「味わえ」ない、「触れ」られない。
しかし確実に「そこ」にあり「感じる」事が出来る。
時は「地球暦」0017年、前世紀の「第三次世界大戦」により人類の総人口は10億人にまで激減し、「地球管理組織」なる組織が荒廃した世界の実権を握っていた。
だがそれに反抗する者達も現れた。
「管理」か「自由」か、2つに分かれた人類はまたしても戦いを繰り広げていた。
戦争の最中、1人の少年が居た。
彼には一切の記憶が無かった。
彼には人類を超える「力」があった。
彼には人類にある筈の「感情」が無かった。
「地球管理組織」も、反抗する者達も、彼を巡って動き出す。
しかし誰も知らない。
正体を、目的を、世界を変える力がある事も。
「超越」せよ。
その先に「真実」がある。
さようなら、私の初恋。あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。
再び大地(フィールド)に立つために 〜中学二年、病との闘いを〜
長岡更紗
ライト文芸
島田颯斗はサッカー選手を目指す、普通の中学二年生。
しかし突然 病に襲われ、家族と離れて一人で入院することに。
中学二年生という多感な時期の殆どを病院で過ごした少年の、闘病の熾烈さと人との触れ合いを描いた、リアルを追求した物語です。
※闘病中の方、またその家族の方には辛い思いをさせる表現が混ざるかもしれません。了承出来ない方はブラウザバックお願いします。
※小説家になろうにて重複投稿しています。
小さなパン屋の恋物語
あさの紅茶
ライト文芸
住宅地にひっそりと佇む小さなパン屋さん。
毎日美味しいパンを心を込めて焼いている。
一人でお店を切り盛りしてがむしゃらに働いている、そんな毎日に何の疑問も感じていなかった。
いつもの日常。
いつものルーチンワーク。
◆小さなパン屋minamiのオーナー◆
南部琴葉(ナンブコトハ) 25
早瀬設計事務所の御曹司にして若き副社長。
自分の仕事に誇りを持ち、建築士としてもバリバリ働く。
この先もずっと仕事人間なんだろう。
別にそれで構わない。
そんな風に思っていた。
◆早瀬設計事務所 副社長◆
早瀬雄大(ハヤセユウダイ) 27
二人の出会いはたったひとつのパンだった。
**********
作中に出てきます三浦杏奈のスピンオフ【そんな恋もありかなって。】もどうぞよろしくお願い致します。
**********
この作品は、他のサイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる