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★幕間のご挨拶★

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 作者の冨井春義です。「サイキック」をお読みいただき、ありがとうございます。

 さて作者である私は当然ですが、この事件の隠された秘密と物語の結末を知っています。

 しかし現時点では、警察の山科警部補、S.S.R.Iの田村所長、そして宮下真奈美はまだ事件の本質に気づいていません。

 今、表面に見えている連続殺人事件、そして安田首相の殺人予告はこの事件の氷山の一角に過ぎませんでした。

 ここに稀代のサイキック探偵・御影純一が捜査に加わったことで、物語は新たな局面を迎えます。

 しかし、その御影ですらまだこの事件に秘められた真の恐怖には微塵も気づいていないのです。

 敵は彼らの想像を超えた恐るべき怪物でした。人の感情を持たず、欲望のままに人を喰い散らす怪物です。

 そして怪物はその凶眼で常に捜査陣の行動を見透かしていて、嘲笑っています。

 怪物はこの物語の端々に姿を現し、読者の眼前でその力の一端を見せることでしょう。

 しかし怪物が禍々しい本性を見せるのは、物語の終盤になります。

 怪物が主人公たち、そして読者の前におぞましい真の姿を現すその時が訪れる前に。

 作者である私はふたたび登場して、ミステリイ世界に伝統ある『あのページ』を差し挟みたいと考えています。

 では次にお目にかかりますその時まで物語のつづきををお楽しみください。
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