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海賊編 第十二章 決戦
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ここは、どこだろう?
セントミアを救おうとして魔法陣に触れたら、いつの間にか、暗闇の中にいた。
一人ぼっちが寂しいと思ったら、ウェイルがいつもの優しい笑みで立っていた。
頭を撫でられて、幸せな気持ちになる。
ふいに、手に力強い感覚がした。
それと同時に、ペンダントの中から、黒い短槍が飛び出した。
飛び出した短槍は、ウェイルと二人だけの世界を壊した。
目を開けると、ルイがラセの手を握りしめていた。
ルイの視線の先を追うと、悔しそうな顔をしたウェイルがいる。
ラセ達の周囲に瞬時に珊瑚色の結界が張られる。
セントミアを探すと、風の大精霊の元へと向かっていた。
『これを』
ロンから黒い短槍を手渡される。
ラセは立ち上がり、使い慣れた短槍と黒い短槍を両方持つ。
「ルイ。待っていて。すぐに決着をつける」
「二刀流かい。はたして使いこなせるのかな」
ウェイルが、闇化した水精霊を操る。
「私はウェイルには負けない!勝ってあなたを取り戻す!」
闇化した水精霊を黒い短槍で貫く。
すると、闇化が解け、正常な水精霊へと戻る。
「何!闇化を解く短槍だと!」
ウェイルが驚愕している隙を付いて、距離を縮める。
闇化精霊が、ラセめがけて攻撃してくる。
その攻撃を二本の短槍で防ぎながら、ラセはウェイルの元へと突っ走る。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお~~~~~~!」
ラセの雄叫びが上がる。
ラセは、黒い短槍でウェイルの胸を貫く。
「うぶっ!」
黒い短槍を刺されたウェイルは、倒れこむ。
ラセは肩で呼吸を整える。
「……やったのか?」
後ろで様子を見ていたルイが近づく。
「わからない。でも」
ラセは、ウェイルの傍へとしゃがみ込む。
「ごめんないさい。ごめんなさい。ウェイル」
ウェイルの身体の上にラセの涙が、零れ落ちる。
「……ラセ……泣かないで……」
ウェイルが、ゆっくりと目を開けた。
ラセに向けて、手を差し伸べる。
その手をラセは、握りしめた。
「ウェイル」
ウェイルに刺さっていた黒い短槍は、黒い粒子へと変わる。
粒子は、部屋中にいた闇化した精霊達に触れると、正常な精霊へと戻していく。
闇化していた風の大精霊の身にも、等しく粒子は降り注ぐ。
室内が浄化されていく。
『ラセの闇へと立ち向かう強い思いが、闇化を溶かしたのか』
『そうかも、しれない。ラセの思いが伝わってくる』
ロンと、風の大精霊は、降り続く優しい粒子を見つめていた。
その様子をセントミアも見て、うれしそうな鳴き声を発した。
「黒い短槍で胸を貫かれた時、ラセの想いが流れて来たよ。
いままで、辛い思いばかりさせて、御免ね」
「ウェイル。よかったよ~~~~~~~~~~」
ラセはウェイルに抱き着いた。
泣き続けるラセの背中をウェイルが優しくなでる。
その様子に、嫉妬しそうになるのを耐えながら、ルイも黒い粒子が降り注ぐ光景を見る。
正常に戻った精霊達が舞を踊る。
ルイには見えなかったけれども、心地よい風が吹いたことには気付いた。
長かった闇の霧との戦いは、ここに終結したのだった。
セントミアを救おうとして魔法陣に触れたら、いつの間にか、暗闇の中にいた。
一人ぼっちが寂しいと思ったら、ウェイルがいつもの優しい笑みで立っていた。
頭を撫でられて、幸せな気持ちになる。
ふいに、手に力強い感覚がした。
それと同時に、ペンダントの中から、黒い短槍が飛び出した。
飛び出した短槍は、ウェイルと二人だけの世界を壊した。
目を開けると、ルイがラセの手を握りしめていた。
ルイの視線の先を追うと、悔しそうな顔をしたウェイルがいる。
ラセ達の周囲に瞬時に珊瑚色の結界が張られる。
セントミアを探すと、風の大精霊の元へと向かっていた。
『これを』
ロンから黒い短槍を手渡される。
ラセは立ち上がり、使い慣れた短槍と黒い短槍を両方持つ。
「ルイ。待っていて。すぐに決着をつける」
「二刀流かい。はたして使いこなせるのかな」
ウェイルが、闇化した水精霊を操る。
「私はウェイルには負けない!勝ってあなたを取り戻す!」
闇化した水精霊を黒い短槍で貫く。
すると、闇化が解け、正常な水精霊へと戻る。
「何!闇化を解く短槍だと!」
ウェイルが驚愕している隙を付いて、距離を縮める。
闇化精霊が、ラセめがけて攻撃してくる。
その攻撃を二本の短槍で防ぎながら、ラセはウェイルの元へと突っ走る。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお~~~~~~!」
ラセの雄叫びが上がる。
ラセは、黒い短槍でウェイルの胸を貫く。
「うぶっ!」
黒い短槍を刺されたウェイルは、倒れこむ。
ラセは肩で呼吸を整える。
「……やったのか?」
後ろで様子を見ていたルイが近づく。
「わからない。でも」
ラセは、ウェイルの傍へとしゃがみ込む。
「ごめんないさい。ごめんなさい。ウェイル」
ウェイルの身体の上にラセの涙が、零れ落ちる。
「……ラセ……泣かないで……」
ウェイルが、ゆっくりと目を開けた。
ラセに向けて、手を差し伸べる。
その手をラセは、握りしめた。
「ウェイル」
ウェイルに刺さっていた黒い短槍は、黒い粒子へと変わる。
粒子は、部屋中にいた闇化した精霊達に触れると、正常な精霊へと戻していく。
闇化していた風の大精霊の身にも、等しく粒子は降り注ぐ。
室内が浄化されていく。
『ラセの闇へと立ち向かう強い思いが、闇化を溶かしたのか』
『そうかも、しれない。ラセの思いが伝わってくる』
ロンと、風の大精霊は、降り続く優しい粒子を見つめていた。
その様子をセントミアも見て、うれしそうな鳴き声を発した。
「黒い短槍で胸を貫かれた時、ラセの想いが流れて来たよ。
いままで、辛い思いばかりさせて、御免ね」
「ウェイル。よかったよ~~~~~~~~~~」
ラセはウェイルに抱き着いた。
泣き続けるラセの背中をウェイルが優しくなでる。
その様子に、嫉妬しそうになるのを耐えながら、ルイも黒い粒子が降り注ぐ光景を見る。
正常に戻った精霊達が舞を踊る。
ルイには見えなかったけれども、心地よい風が吹いたことには気付いた。
長かった闇の霧との戦いは、ここに終結したのだった。
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