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海賊編 第九章 武道会
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「いつまで、寝ているんだい?」
仕事から帰って着たマムは、ソファーで寝こける人達を見て呆れかえった。
「「う~ん?」」
ラセとルイは、マムに呼ばれて目を覚ました。
ロンは相変わらず眠ったままだ。
窓から差し込む光が朝よりも明るくなっている。
丁度お昼ぐらいの時刻であろうか?
「マム酒は無いのか?」
一人用のソファーで眠っていたガベルがあくびをした。
「ガベルまでだらけているのかい?
まったく、ただで泊めてやっているんだい。
すこしは、家事位したらどうだい?」
「マム。ごめんなさい」
ラセは、ロンとルイに釣られて眠ってしまった自分を恥じた。
「まあ。丁度いいや。
あんたら向けの仕事が来たよ。
家でその子供が目覚めるのを待つだけでは退屈だろう?」
「でも、いつロンが目覚めるかわからないし」
ラセは、気持ちよさそうに眠り続けるロンを見た。
「それなら、情報を仕入れて来たよ。
黒煙竜って言うのは、闇の帝国の守護魔神らしくてね。
闇の帝国の住人の信仰対象として崇められているらしい。
その名の通り、黒い竜が本来の姿らしいのだけれども、寝ていないと力を蓄えられない欠点がある。
その子供は、つまり決戦に備えて力を蓄えているわけさ。
時期が来たら目覚める。だから、あんたらも、働きな」
マムが仕入れて来た情報の凄さに皆口を開けて驚いた。
「その情報信用出来るの?
そもそも黒煙竜の詳しい情報を誰から入手したの?」
「てか、ロンは、闇の帝国の者なんだろ?ラセには危害を加えるつもりはなさそうだけど、味方になるのか?」
ラセとルイは質問をマムにぶつけた。
「情報は信用出来る。
まあ、これから会いに行く人物から詳しい話は聞くんだね。
依頼内容は、情報をくれた人の息子を鍛えることだからね」
「鍛える?」
「どうしても、短時間で強くならないといけないんだと」
マムの言葉に三人は顔を見合った。
「どうするラセ?」
「とりあえず、ここで、ロンの目覚めを待つのは、無駄な時間だと判明した。
詳しい人物に会ってみたいし、マムの話に乗るのは悪くないと思う」
「ラセが、行くなら、俺も付き添う」
「まあ、ただ飯食わしてもらったし、少しは働くか」
ガベルも依頼を受けることに乗り気のようだ。
「三人とも同意してくれたようだね。
ロンは、黒い棺に入れ直して置けば、勝手に結界が発動して、外部からの被害を防ぐらしいから問題はないだろうね」
「ここまで、黒煙竜に詳しい人物、気になる」
「……会えばわかるよ」
ルイとガベルは、マムに言われた通り、ロンを黒い棺に入れ直しに行った。
マムと二人になった、ラセは表情を険しくした。
「マム。今回は、騙してはいない?」
「騙しちゃいないよ。少なくとも、あんたを傷つけたくて、騙したわけじゃないからね。
本当は、ひさしぶりの親子の対面を喜んでくれると思っていたんだ」
「マム」
「あんたを拾った時から、あんたがセラ姫なんじゃないかと勘繰ってはいたよ。
でも証拠がなかったし、あんたは何も言わなかった。
ノーリア姫からの話をロティーラ王妃経由で聞いて、初めてあんたがセラ姫だと確信した。王妃はずっとあんたのことを想っていたよ」
ラセは、先日出会ったロティーラ王妃のぬくもりを思い出した。
あの想いはけして嘘偽りではなかった。
「マム。疑ってごめんなさい。
私、マムに頼ってばかり」
「いいんだよ。あんたは、あたいの教え子なんだから」
何も告げずに、マムの元を去ったのに、快く受け入れてくれた。
今も、ラセの為に、力を貸してくれている。
ラセは、マムを疑った事を後悔した。
「ラセ行こうぜ!」
二階から降りてきたルイに呼ばれた。
「うん」
ラセは、元気よくルイの呼び声に答えた。
その様子を、マムとガベルは、優しい眼差しで見つめた。
仕事から帰って着たマムは、ソファーで寝こける人達を見て呆れかえった。
「「う~ん?」」
ラセとルイは、マムに呼ばれて目を覚ました。
ロンは相変わらず眠ったままだ。
窓から差し込む光が朝よりも明るくなっている。
丁度お昼ぐらいの時刻であろうか?
「マム酒は無いのか?」
一人用のソファーで眠っていたガベルがあくびをした。
「ガベルまでだらけているのかい?
まったく、ただで泊めてやっているんだい。
すこしは、家事位したらどうだい?」
「マム。ごめんなさい」
ラセは、ロンとルイに釣られて眠ってしまった自分を恥じた。
「まあ。丁度いいや。
あんたら向けの仕事が来たよ。
家でその子供が目覚めるのを待つだけでは退屈だろう?」
「でも、いつロンが目覚めるかわからないし」
ラセは、気持ちよさそうに眠り続けるロンを見た。
「それなら、情報を仕入れて来たよ。
黒煙竜って言うのは、闇の帝国の守護魔神らしくてね。
闇の帝国の住人の信仰対象として崇められているらしい。
その名の通り、黒い竜が本来の姿らしいのだけれども、寝ていないと力を蓄えられない欠点がある。
その子供は、つまり決戦に備えて力を蓄えているわけさ。
時期が来たら目覚める。だから、あんたらも、働きな」
マムが仕入れて来た情報の凄さに皆口を開けて驚いた。
「その情報信用出来るの?
そもそも黒煙竜の詳しい情報を誰から入手したの?」
「てか、ロンは、闇の帝国の者なんだろ?ラセには危害を加えるつもりはなさそうだけど、味方になるのか?」
ラセとルイは質問をマムにぶつけた。
「情報は信用出来る。
まあ、これから会いに行く人物から詳しい話は聞くんだね。
依頼内容は、情報をくれた人の息子を鍛えることだからね」
「鍛える?」
「どうしても、短時間で強くならないといけないんだと」
マムの言葉に三人は顔を見合った。
「どうするラセ?」
「とりあえず、ここで、ロンの目覚めを待つのは、無駄な時間だと判明した。
詳しい人物に会ってみたいし、マムの話に乗るのは悪くないと思う」
「ラセが、行くなら、俺も付き添う」
「まあ、ただ飯食わしてもらったし、少しは働くか」
ガベルも依頼を受けることに乗り気のようだ。
「三人とも同意してくれたようだね。
ロンは、黒い棺に入れ直して置けば、勝手に結界が発動して、外部からの被害を防ぐらしいから問題はないだろうね」
「ここまで、黒煙竜に詳しい人物、気になる」
「……会えばわかるよ」
ルイとガベルは、マムに言われた通り、ロンを黒い棺に入れ直しに行った。
マムと二人になった、ラセは表情を険しくした。
「マム。今回は、騙してはいない?」
「騙しちゃいないよ。少なくとも、あんたを傷つけたくて、騙したわけじゃないからね。
本当は、ひさしぶりの親子の対面を喜んでくれると思っていたんだ」
「マム」
「あんたを拾った時から、あんたがセラ姫なんじゃないかと勘繰ってはいたよ。
でも証拠がなかったし、あんたは何も言わなかった。
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ラセは、先日出会ったロティーラ王妃のぬくもりを思い出した。
あの想いはけして嘘偽りではなかった。
「マム。疑ってごめんなさい。
私、マムに頼ってばかり」
「いいんだよ。あんたは、あたいの教え子なんだから」
何も告げずに、マムの元を去ったのに、快く受け入れてくれた。
今も、ラセの為に、力を貸してくれている。
ラセは、マムを疑った事を後悔した。
「ラセ行こうぜ!」
二階から降りてきたルイに呼ばれた。
「うん」
ラセは、元気よくルイの呼び声に答えた。
その様子を、マムとガベルは、優しい眼差しで見つめた。
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