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盗賊編 第七章 地の国クエル王国
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いつも年上のセイハに対して、年下のように扱っていたロティーラにとって、これほどまでも、リーダーらしく、凛々しいセイハを見るのは、初めてだったからだ。
ロティーラが、セイハに見とれていると、魔物がせりあがってくる。
セイハと、たいまつを持った人々は、魔物があがってくるのを待ち構えていた。
大きな水しぶきと共に、紅く光る目を持つ魔物が井戸の外へと飛び出した。
魔物の正体は、巨大な魚だった。
魔物を押し上げていた黒い波の正体は、井戸の底にたまっていた水だったのだ。
魔物が井戸から飛び出したと同時に、火のついた松明を魔物目がけて思いっきり放り投げる。
魔物は、松明の熱さに宙で跳ね回る。
どうやら、眩しすぎて、魔物は、視界が見えていないようだ。
弱め付けた魔物をセイハは、短剣で切り裂いていく。
セイハは、初めから、魔物が明るい所が、苦手だと知って技と水の精霊を使って、井戸の外へと誘導したのだと気付いた。
恐怖心をあおられたロティーラ達にとっては、はた迷惑な話である。
魔物が退治されたことで、一安心していると、人々が、ロティーラ達を見上げていた。
空を飛ぶ魔神の背中に乗っているロティ―ラ達は、注目の的だ。
セイハが、手を振っていることに気付いて、ロティーラ達は、地面へと着地した。
「本当に行ってしまわれるのですか?」
翌日。
別れを惜しむミヤは、かなしげな表情を浮かべた。
国の門前で、ミヤ以外にも、祭りに来ていた人々が見送りに来てくれた。
ミヤは、結局死ななくても、良い事になった。
魔物の居なくなった水を使えるようにして、前よりも生活が楽になったからだ。
ロティーラ達は、エコシェザニー姫達と再会する為に、水の国と風の国の結婚式会場を教えてもらって、旅立つ所だった。
国の人が感謝の印として、結婚式で着るドレスまでも用意してくれた。
「脚の速い魔神サピダジョースンが一緒ならば、間に合うでしょう」
余談だが、祭りの後、魔神サピダジョースンに乗りたいとせがんできた人達が何人も居た。全て、魔神サピダジョースンによって断られたが。
「皆さん。気をつけて行ってきてくださいね」
「ミヤさん達もお元気で」
ロティーラ達が、魔神に乗って門を潜ると、国の人々の声援が聞こえた。
人々に手を振りながら、ロティーラ達は、クエル王国を後にした。
ロティーラが、セイハに見とれていると、魔物がせりあがってくる。
セイハと、たいまつを持った人々は、魔物があがってくるのを待ち構えていた。
大きな水しぶきと共に、紅く光る目を持つ魔物が井戸の外へと飛び出した。
魔物の正体は、巨大な魚だった。
魔物を押し上げていた黒い波の正体は、井戸の底にたまっていた水だったのだ。
魔物が井戸から飛び出したと同時に、火のついた松明を魔物目がけて思いっきり放り投げる。
魔物は、松明の熱さに宙で跳ね回る。
どうやら、眩しすぎて、魔物は、視界が見えていないようだ。
弱め付けた魔物をセイハは、短剣で切り裂いていく。
セイハは、初めから、魔物が明るい所が、苦手だと知って技と水の精霊を使って、井戸の外へと誘導したのだと気付いた。
恐怖心をあおられたロティーラ達にとっては、はた迷惑な話である。
魔物が退治されたことで、一安心していると、人々が、ロティーラ達を見上げていた。
空を飛ぶ魔神の背中に乗っているロティ―ラ達は、注目の的だ。
セイハが、手を振っていることに気付いて、ロティーラ達は、地面へと着地した。
「本当に行ってしまわれるのですか?」
翌日。
別れを惜しむミヤは、かなしげな表情を浮かべた。
国の門前で、ミヤ以外にも、祭りに来ていた人々が見送りに来てくれた。
ミヤは、結局死ななくても、良い事になった。
魔物の居なくなった水を使えるようにして、前よりも生活が楽になったからだ。
ロティーラ達は、エコシェザニー姫達と再会する為に、水の国と風の国の結婚式会場を教えてもらって、旅立つ所だった。
国の人が感謝の印として、結婚式で着るドレスまでも用意してくれた。
「脚の速い魔神サピダジョースンが一緒ならば、間に合うでしょう」
余談だが、祭りの後、魔神サピダジョースンに乗りたいとせがんできた人達が何人も居た。全て、魔神サピダジョースンによって断られたが。
「皆さん。気をつけて行ってきてくださいね」
「ミヤさん達もお元気で」
ロティーラ達が、魔神に乗って門を潜ると、国の人々の声援が聞こえた。
人々に手を振りながら、ロティーラ達は、クエル王国を後にした。
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