魔宝石 

覗見ユニシア

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≪眠りの花≫編

✡エピローグ ✡

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「では、転校性を紹介します。自己紹介をお願い致します」

 無事に自己紹介を終えたわたしは、取りあえず、この学校では、目立たないようにしようとしていた。
 昼休み。

「キャー。やめてー」

 女子の悲鳴が聞こえた。
 わたしは、悲鳴の聞こえた空き教室を覗き込んだ。

「生意気なのよ」
「ふざけるな」
「やめて」

 一人の女子が、大勢の女子に囲まれていた。
 いじめられている女子は、転校生のわたしの面倒を見てくれた武井 舞(たけい まい)だった。

「弱い物虐めは、駄目だよ」

 わたしが怒鳴りつけると、いじめっ子達が逃げ出していった。

「大丈夫だった?」
「うん。助けてくれてありがとう」

 腰を抜けしている舞にわたしは手を差し伸べた。

「あのさ。わたしの友達になってくれるかな?」
「うん、こんなわたしでよかったら」

 舞は、わたしの手を掴んでくれた。








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