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ワンダーギルドの住人
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◆ギルドマスター視点◆
森の最深部でタニが現代に帰還したのを見届けた俺は、茂みに石を投げた。
「そこにいるんだろ?出てこいよチィ」
「タニくんってハズレのNPCじゃなかったのですか?」
「タニはフルダイブシステムでやって来たプレイヤーだ」
「そう、だったのですね」
草影から出現したチィはよろよろとした足取りでギルドマスターに近づくと止血薬を背中にかけた。
血が止まらなかったのが、嘘のようにピタリと体力ゲージが減るのが治まった。
「痛い思いさせてごめんなさい」
チィは謝りながら、回復薬をギルドマスターの背中にかける。
上等な回復薬だったのだろう。
ギルドマスターの傷は瞬く間に治った。
ふらふらとした足取りで去っていくチィを呼び止めた。
「何処へ行くつもりだ?」
「❰ワンダーギルド❱の元へ行って僕のシステムデータを削除してもらいます」
「……そうか」
「今までお世話になりました。ありがとうございます」
チィは転移魔法で去った。
❰ワンダーギルド❱の世界では歳を取らない。
毎日決められた職務をこなし、キャンペーンがはじまればキャンペーン用キャラクターが産み出されたり、役割や衣装が変わる場合もある。
人工知能A I で自我を手に入れた者の中には同じ日常に耐えられなくなる者もいる。
終わらせたい。死にたいってやつは❰ワンダーギルド❱の人工知能管理システムにアクセスして自我を削除するのだ。
同じ姿をしたアバターだが、自我が心がないハズレのNPCになりに行くのだ。
「あんなにハズレのNPC を毛嫌いしていたのにな」
ギルドマスターは煙草を咥えた。
「ギルドマスター無事かってピンピンしてる!」
タニと勇者が驚いている。
「チィが助けてくれた」
「チィちゃんが、良かった」
タニは余程安心したのか、地面に座り込んでしまった。
チィに助けられたのは事実だがチィが犯人だった事は言わない方がいいだろうな。
起き上がれたいタニを抱き上げると「痛っ」と悶え腰をおさえた。
こいつらもしかしなくても俺が瀕死の時にセックスしてたんじゃないだろうな?
苛立ちが込み上げて来て形のいい尻を撫でると「ヒィッ」と啼いた。
よく見るとタニと勇者の間にうっすらとテイマー契約の魔法糸が繋がっていた。
ぶちちぎってやりたい衝動に駆られたが、いくらギルドマスター権限があってもプレイヤーとテイマーの契りを解除するのは並大抵の事ではない。
「上書きしてやるよ」
俺はタニを抱えたまま転移した。
「はあ、やっぱりついて来るよな」
タニの自室に着くと勇者も到着していた。
「タニは僕の主だからね。簡単には渡さないよ」
「たく、しかたねーなどっちが先に入れてって懇願させるか勝負だ」
「待って!俺許可してないから!二人から同時攻めとか無理だから!」
怯えきった表情もそそるな。
俺は獲物を狙う猛獣のように舌を舐めた。
森の最深部でタニが現代に帰還したのを見届けた俺は、茂みに石を投げた。
「そこにいるんだろ?出てこいよチィ」
「タニくんってハズレのNPCじゃなかったのですか?」
「タニはフルダイブシステムでやって来たプレイヤーだ」
「そう、だったのですね」
草影から出現したチィはよろよろとした足取りでギルドマスターに近づくと止血薬を背中にかけた。
血が止まらなかったのが、嘘のようにピタリと体力ゲージが減るのが治まった。
「痛い思いさせてごめんなさい」
チィは謝りながら、回復薬をギルドマスターの背中にかける。
上等な回復薬だったのだろう。
ギルドマスターの傷は瞬く間に治った。
ふらふらとした足取りで去っていくチィを呼び止めた。
「何処へ行くつもりだ?」
「❰ワンダーギルド❱の元へ行って僕のシステムデータを削除してもらいます」
「……そうか」
「今までお世話になりました。ありがとうございます」
チィは転移魔法で去った。
❰ワンダーギルド❱の世界では歳を取らない。
毎日決められた職務をこなし、キャンペーンがはじまればキャンペーン用キャラクターが産み出されたり、役割や衣装が変わる場合もある。
人工知能A I で自我を手に入れた者の中には同じ日常に耐えられなくなる者もいる。
終わらせたい。死にたいってやつは❰ワンダーギルド❱の人工知能管理システムにアクセスして自我を削除するのだ。
同じ姿をしたアバターだが、自我が心がないハズレのNPCになりに行くのだ。
「あんなにハズレのNPC を毛嫌いしていたのにな」
ギルドマスターは煙草を咥えた。
「ギルドマスター無事かってピンピンしてる!」
タニと勇者が驚いている。
「チィが助けてくれた」
「チィちゃんが、良かった」
タニは余程安心したのか、地面に座り込んでしまった。
チィに助けられたのは事実だがチィが犯人だった事は言わない方がいいだろうな。
起き上がれたいタニを抱き上げると「痛っ」と悶え腰をおさえた。
こいつらもしかしなくても俺が瀕死の時にセックスしてたんじゃないだろうな?
苛立ちが込み上げて来て形のいい尻を撫でると「ヒィッ」と啼いた。
よく見るとタニと勇者の間にうっすらとテイマー契約の魔法糸が繋がっていた。
ぶちちぎってやりたい衝動に駆られたが、いくらギルドマスター権限があってもプレイヤーとテイマーの契りを解除するのは並大抵の事ではない。
「上書きしてやるよ」
俺はタニを抱えたまま転移した。
「はあ、やっぱりついて来るよな」
タニの自室に着くと勇者も到着していた。
「タニは僕の主だからね。簡単には渡さないよ」
「たく、しかたねーなどっちが先に入れてって懇願させるか勝負だ」
「待って!俺許可してないから!二人から同時攻めとか無理だから!」
怯えきった表情もそそるな。
俺は獲物を狙う猛獣のように舌を舐めた。
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