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第54話 アカリVSブレイズ
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キングライブスのライトだけが照らす暗闇の中、僕たちは叫んだ。
「ええぇえぇえぇええっっっっ!」
「へっ? ふぇえぇえぇえぇぇええっっっ? わ、わたしが、ブレイズさんとですか?」
「そうだ、絶対領域の力をその身を持って味わえ。あのハラキリとの戦いから察するに、お前にはそれが一番手っ取り早いと判断した」
た、たしかにアカリはハラキリの刃気を喰らって、それを完璧にコピーしていたけど、ブレイズと戦わせるなんて本当に大丈夫なのか……?
《おいおい、アカリちゃん大丈夫かよ……?》
《まあさすがにブレイズさんも手加減はしてくれるでしょwwww》
《いやわからんぞwwwブレイズって力の加減わかってなさそうなとこない?wwww》
……し、失礼な話だが、ブレイズってたしかにそういうとこあるかも!(?)
いや、まあそれは冗談としても、さすがに何事もないとは思いたいが……。信じるぞ……ブレイズ……!
「遠慮はいらねぇ。アカリ、いまのお前の本気をぶつけてこい!」
「は、はいっ!」
《あああ! 始まっちゃう~!》
《ぶっちゃけどっちが強いんだ?》
《あくまで指導なのに、なんでこんな観てる側がドキドキせにゃならんのだwwww》
指導の一環とはとても思えないような緊張感で、両者は対峙した。
もちろんBPの数値だけでいえば、ブレイズが勝つのはわかりきっているのだけど、火の刃気に有利な光属性、そしてあのハラキリをも打ち破ったアカリの天分であればもしかしたら……と期待を持てる部分もあり、僕はドキドキしながら戦況を見守った。
「はぁあぁあぁあぁああっ! ブレイズさん、いきます!」
あれはハラキリを倒したときにも見せたアカリのフルパワー、光の刃気での一撃だ!
アカリが本気のフルパワーで向かってきているのを見て取ると、ブレイズの顔からも余裕が消えた。
「おおぉおぉおおぉおおぉおおッッッッ! 火の刃気よ、俺に力を貸しやがれぇええぇえぇええッッッッ!」
ブレイズが剣に刃気を凝縮させると、なんと、その剣が炎を纏いだした!
あれは……? ブレイズの火の刃気の力か! ブレイズは自分の属性が不利であることを知っているんだ。アカリの光の刃気に押し負けないだけのパワーを、その剣に本気で宿らせたように見える。
《ちょっとちょっと~! どこが指導の一環なのよ! ブレイズめちゃくちゃ本気じゃねえか!》
《一体なんなんだあの炎は!》
《剣士の力量に応じて刃気のほうも『進化』するってことか……? ブレイズほどの使い手であれば、その力は剣が炎を纏うほどになると……!》
ブレイズの絶対領域のオーラに、アカリが斬りかかる!
アカリは渾身の力を込めて、ブレイズの絶対領域に光の剣を振り下ろした!
「その程度の力で、この絶対領域を超えることはできんッッッッ!」
ブレイズの絶対領域に触れた瞬間、アカリは天才的嗅覚で返しの斬撃こそ止めたものの、剣から出る強烈な炎を浴びて吹き飛ばされてしまった!
「くっ!」
「アカリィッッッ!」
火は光に対して不利なはずなのに、なんて力だ! ブレイズには相性の不利など簡単に覆してしまう力があるのか!
「だ、大丈夫ですトベさん! 少し服が燃えただけです! で、でも、ブレイズさんのあの技、まったく突破口が見えません……!」
《なんじゃこの強さぁあぁああぁあぁあ!》
《ブレイズチートすぎるだろ!》
《ちょっと強すぎてドン引きするレベルwwww》
《武道会で優勝したアカリちゃんの力が、まったく通用しないってヤバすぎるだろぉおぉぉおおぉおお!》
「これが『守』の絶対領域、そして、こいつが『攻』の絶対領域だッッッッ!」
そう叫ぶと、これまで守備一辺倒だったブレイズが、なんと絶対領域のオーラを展開したまま攻撃に転じた!
なにぃっ! ブレイズの絶対領域は守備だけでなく、攻撃にも転用できるのか!
オーラを保持したまま凄まじい高さまで跳躍すると、半円状のオーラは球状へと変化し、ブレイズは落下と同時にオーラを接触させ、アカリを剣ごと強烈に弾き飛ばした!
「きゃあぁああぁぁあぁああぁあっっっ!」
「大丈夫かアカリッッッ!」
ウソだろ……? いくらあのブレイズといえど、さすがに一発ぐらいは当てられると思っていたのに……。武道会で優勝したアカリが、まさかここまで一方的にやられるなんて……。
「だ、大丈夫です……。ブレイズさんがわざと急所を外してくれました……。しかも空中で炎を消して、衝撃の威力を緩和させてくれたんです……」
ブレイズは明らかに手加減をしてくれていた……。最後の一撃はアカリの剣だけを狙ったもので、あれが本気のブレイズであれば、いまごろアカリはこの世にいなかったはずだ……。
剣を納めると、ブレイズは事もなげに言った。
「剣をまったく握らなくなってから、俺の腕は若いころの十分の一程度には落ちてる。その俺にすら歯が立たねぇようでは、最強の剣士なんざ夢のまた夢だな」
相変わらず手厳しいけど、十分の一って、ブレイズのBPは『106万』だぞ? これで腕が落ちてるって、全盛期はどれほど強かったんだ……。
全盛期の十分の一の強さのブレイズに、更に手加減してもらっていたにも関わらず、いまのアカリとは巨大な象と小さな蟻ぐらいの力の差を感じる……。
これが絶対領域……。ブレイズが自分の中で最強の剣技というのもわかる……。まさに攻防一体の完璧な技……。
やはり師にブレイズを選んでよかったと思いながらも、僕は憂慮していた……。
これは……ゼインさんの基礎修行とはまるでレベルが違う……。果たしてアカリに、このとてつもない技が習得できるのか……?
「ええぇえぇえぇええっっっっ!」
「へっ? ふぇえぇえぇえぇぇええっっっ? わ、わたしが、ブレイズさんとですか?」
「そうだ、絶対領域の力をその身を持って味わえ。あのハラキリとの戦いから察するに、お前にはそれが一番手っ取り早いと判断した」
た、たしかにアカリはハラキリの刃気を喰らって、それを完璧にコピーしていたけど、ブレイズと戦わせるなんて本当に大丈夫なのか……?
《おいおい、アカリちゃん大丈夫かよ……?》
《まあさすがにブレイズさんも手加減はしてくれるでしょwwww》
《いやわからんぞwwwブレイズって力の加減わかってなさそうなとこない?wwww》
……し、失礼な話だが、ブレイズってたしかにそういうとこあるかも!(?)
いや、まあそれは冗談としても、さすがに何事もないとは思いたいが……。信じるぞ……ブレイズ……!
「遠慮はいらねぇ。アカリ、いまのお前の本気をぶつけてこい!」
「は、はいっ!」
《あああ! 始まっちゃう~!》
《ぶっちゃけどっちが強いんだ?》
《あくまで指導なのに、なんでこんな観てる側がドキドキせにゃならんのだwwww》
指導の一環とはとても思えないような緊張感で、両者は対峙した。
もちろんBPの数値だけでいえば、ブレイズが勝つのはわかりきっているのだけど、火の刃気に有利な光属性、そしてあのハラキリをも打ち破ったアカリの天分であればもしかしたら……と期待を持てる部分もあり、僕はドキドキしながら戦況を見守った。
「はぁあぁあぁあぁああっ! ブレイズさん、いきます!」
あれはハラキリを倒したときにも見せたアカリのフルパワー、光の刃気での一撃だ!
アカリが本気のフルパワーで向かってきているのを見て取ると、ブレイズの顔からも余裕が消えた。
「おおぉおぉおおぉおおぉおおッッッッ! 火の刃気よ、俺に力を貸しやがれぇええぇえぇええッッッッ!」
ブレイズが剣に刃気を凝縮させると、なんと、その剣が炎を纏いだした!
あれは……? ブレイズの火の刃気の力か! ブレイズは自分の属性が不利であることを知っているんだ。アカリの光の刃気に押し負けないだけのパワーを、その剣に本気で宿らせたように見える。
《ちょっとちょっと~! どこが指導の一環なのよ! ブレイズめちゃくちゃ本気じゃねえか!》
《一体なんなんだあの炎は!》
《剣士の力量に応じて刃気のほうも『進化』するってことか……? ブレイズほどの使い手であれば、その力は剣が炎を纏うほどになると……!》
ブレイズの絶対領域のオーラに、アカリが斬りかかる!
アカリは渾身の力を込めて、ブレイズの絶対領域に光の剣を振り下ろした!
「その程度の力で、この絶対領域を超えることはできんッッッッ!」
ブレイズの絶対領域に触れた瞬間、アカリは天才的嗅覚で返しの斬撃こそ止めたものの、剣から出る強烈な炎を浴びて吹き飛ばされてしまった!
「くっ!」
「アカリィッッッ!」
火は光に対して不利なはずなのに、なんて力だ! ブレイズには相性の不利など簡単に覆してしまう力があるのか!
「だ、大丈夫ですトベさん! 少し服が燃えただけです! で、でも、ブレイズさんのあの技、まったく突破口が見えません……!」
《なんじゃこの強さぁあぁああぁあぁあ!》
《ブレイズチートすぎるだろ!》
《ちょっと強すぎてドン引きするレベルwwww》
《武道会で優勝したアカリちゃんの力が、まったく通用しないってヤバすぎるだろぉおぉぉおおぉおお!》
「これが『守』の絶対領域、そして、こいつが『攻』の絶対領域だッッッッ!」
そう叫ぶと、これまで守備一辺倒だったブレイズが、なんと絶対領域のオーラを展開したまま攻撃に転じた!
なにぃっ! ブレイズの絶対領域は守備だけでなく、攻撃にも転用できるのか!
オーラを保持したまま凄まじい高さまで跳躍すると、半円状のオーラは球状へと変化し、ブレイズは落下と同時にオーラを接触させ、アカリを剣ごと強烈に弾き飛ばした!
「きゃあぁああぁぁあぁああぁあっっっ!」
「大丈夫かアカリッッッ!」
ウソだろ……? いくらあのブレイズといえど、さすがに一発ぐらいは当てられると思っていたのに……。武道会で優勝したアカリが、まさかここまで一方的にやられるなんて……。
「だ、大丈夫です……。ブレイズさんがわざと急所を外してくれました……。しかも空中で炎を消して、衝撃の威力を緩和させてくれたんです……」
ブレイズは明らかに手加減をしてくれていた……。最後の一撃はアカリの剣だけを狙ったもので、あれが本気のブレイズであれば、いまごろアカリはこの世にいなかったはずだ……。
剣を納めると、ブレイズは事もなげに言った。
「剣をまったく握らなくなってから、俺の腕は若いころの十分の一程度には落ちてる。その俺にすら歯が立たねぇようでは、最強の剣士なんざ夢のまた夢だな」
相変わらず手厳しいけど、十分の一って、ブレイズのBPは『106万』だぞ? これで腕が落ちてるって、全盛期はどれほど強かったんだ……。
全盛期の十分の一の強さのブレイズに、更に手加減してもらっていたにも関わらず、いまのアカリとは巨大な象と小さな蟻ぐらいの力の差を感じる……。
これが絶対領域……。ブレイズが自分の中で最強の剣技というのもわかる……。まさに攻防一体の完璧な技……。
やはり師にブレイズを選んでよかったと思いながらも、僕は憂慮していた……。
これは……ゼインさんの基礎修行とはまるでレベルが違う……。果たしてアカリに、このとてつもない技が習得できるのか……?
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