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第49話 しばしの休息
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ハラキリとの激闘から一夜が明け、今日は頑張ったご褒美とアカリの休息を兼ねて、『のんびり配信』をすることにした。
今日一日は目的を決めずに好きなように動く、自由気ままな息抜き配信だ。
アカリは今日から早速頑張る姿勢を見せていたのだけど、ハラキリとの激闘の疲れがまだまだ癒えていなかったため、僕が強引にストップをかけた。
自室でキングラを起動すると、僕とアカリは視聴者のみなさんに挨拶をした。
「みなさんおはようございます。今日は一日、特に目的を決めずに、みなさんとのんびり配信を楽しめればと思いますので、よろしくお願いします」
《昨日は凄まじい激闘だったもんね~》
《これまで二人ともずっと息の詰まる毎日だったんだし、たまにはそういうのもいいんじゃない?》
《まあ完全な休みじゃなくて、配信あるだけでも全然ありがたいよなwww》
僕たちはまず手始めに、今日からスタートとなるゼイン道場改め、『ブレイズ道場』の様子を配信することにした。
邸宅の廊下を抜けて道場に入ると、すでに大量の入門希望者であふれかえっており、ブレイズとミモザさんが揉みくちゃにされているところだった。
「あっ、トベさん、アカリちゃん……!」
「うぉおおぉぉおお! ドベ、アカリ、これどうにかしてくれ! まさか初日からこんなに希望者が殺到するとは!」
「ねえねえ! アカリちゃんは?」
「いないの~? アカリちゃんに会えると思って来たのに~」
「ここってアカリちゃんと一緒に修行できるんですよね?」
どうやら修行というよりアカリ目当てに来た人が多いようで、野生の本能(?)で危険を察知した僕たちは、そろりそろりと後ずさりをする。
「あっ! アカリちゃんだぁああぁあぁあ!」
「えっ? アカリちゃん?」
「ほんとだ! アカリちゃ~ん!」
「おい、いたぞ~!」
「アカリちゃんサインして~!」
「握手握手! 一緒に写真撮ってください~!」
アカリを発見した大量の人が押し寄せてきたため、僕たちは扉を閉めて急いで邸宅のほうに避難した。
こ、これはどうしたものか……。今日は休息を兼ねてのんびり配信の予定だったのに、のんびりどころか下手に首を突っ込むと余計に疲れそうだぞ……。
ブレイズとミモザさんには申し訳なかったが、初日から人が殺到するほど人気があるのは良い兆候ということで、僕たちは道場を見学するのはあきらめて、別の場所に移動することにした。
《いや、結局見捨てるんかいwwww》
《扉を閉めてすべての情報をシャットアウトwwww》
《さきほどの光景はすべて見なかったことにしててワロタwwww》
失敬な、これはけして見捨ててるんじゃない、戦略的撤退というやつなのだよ(?)。それに、あの場にアカリが行ったら余計パニックになって、もっと収拾がつかなくなるのは目に見えている。逃亡した(?)僕たちを追わせて数を分散させたほうが、ブレイズたちもより人をさばきやすくなるだろうという判断だ。
「ちょっと道場のほうは無理そうだね……。アカリはどこに行きたい? 今日は頑張ったアカリへのご褒美なんだから、どこでも大丈夫だよ」
「ど、どこでもですか……」
どこでもと言われると逆に困りますといった感じで、アカリはしばらく考え込んだあと答えた。
今日一日は目的を決めずに好きなように動く、自由気ままな息抜き配信だ。
アカリは今日から早速頑張る姿勢を見せていたのだけど、ハラキリとの激闘の疲れがまだまだ癒えていなかったため、僕が強引にストップをかけた。
自室でキングラを起動すると、僕とアカリは視聴者のみなさんに挨拶をした。
「みなさんおはようございます。今日は一日、特に目的を決めずに、みなさんとのんびり配信を楽しめればと思いますので、よろしくお願いします」
《昨日は凄まじい激闘だったもんね~》
《これまで二人ともずっと息の詰まる毎日だったんだし、たまにはそういうのもいいんじゃない?》
《まあ完全な休みじゃなくて、配信あるだけでも全然ありがたいよなwww》
僕たちはまず手始めに、今日からスタートとなるゼイン道場改め、『ブレイズ道場』の様子を配信することにした。
邸宅の廊下を抜けて道場に入ると、すでに大量の入門希望者であふれかえっており、ブレイズとミモザさんが揉みくちゃにされているところだった。
「あっ、トベさん、アカリちゃん……!」
「うぉおおぉぉおお! ドベ、アカリ、これどうにかしてくれ! まさか初日からこんなに希望者が殺到するとは!」
「ねえねえ! アカリちゃんは?」
「いないの~? アカリちゃんに会えると思って来たのに~」
「ここってアカリちゃんと一緒に修行できるんですよね?」
どうやら修行というよりアカリ目当てに来た人が多いようで、野生の本能(?)で危険を察知した僕たちは、そろりそろりと後ずさりをする。
「あっ! アカリちゃんだぁああぁあぁあ!」
「えっ? アカリちゃん?」
「ほんとだ! アカリちゃ~ん!」
「おい、いたぞ~!」
「アカリちゃんサインして~!」
「握手握手! 一緒に写真撮ってください~!」
アカリを発見した大量の人が押し寄せてきたため、僕たちは扉を閉めて急いで邸宅のほうに避難した。
こ、これはどうしたものか……。今日は休息を兼ねてのんびり配信の予定だったのに、のんびりどころか下手に首を突っ込むと余計に疲れそうだぞ……。
ブレイズとミモザさんには申し訳なかったが、初日から人が殺到するほど人気があるのは良い兆候ということで、僕たちは道場を見学するのはあきらめて、別の場所に移動することにした。
《いや、結局見捨てるんかいwwww》
《扉を閉めてすべての情報をシャットアウトwwww》
《さきほどの光景はすべて見なかったことにしててワロタwwww》
失敬な、これはけして見捨ててるんじゃない、戦略的撤退というやつなのだよ(?)。それに、あの場にアカリが行ったら余計パニックになって、もっと収拾がつかなくなるのは目に見えている。逃亡した(?)僕たちを追わせて数を分散させたほうが、ブレイズたちもより人をさばきやすくなるだろうという判断だ。
「ちょっと道場のほうは無理そうだね……。アカリはどこに行きたい? 今日は頑張ったアカリへのご褒美なんだから、どこでも大丈夫だよ」
「ど、どこでもですか……」
どこでもと言われると逆に困りますといった感じで、アカリはしばらく考え込んだあと答えた。
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