30 / 48
第30説
しおりを挟む
「あの~、タロピンくん。ものはちょっと相談なんだがね」
「なんや、ここまでレベルの上がったワイに、最早でけへんことはないで?」
「脱出できてみんなテンションが上がっている時に、いきなりこんなことを言い出すのも心苦しいのだが、実は僕たち、ずっと気になっている宝箱があるのだよ」
「宝箱?」
「そう、入口から入ってすぐのところに、鍵が掛けられた宝箱があったんだ。強引に開けようとすると毒ガスが出てきて、僕とサルバトルさんはまんまとやられてしまった。初めて入った僕たちではかなり時間が掛かってしまったけど、洞窟の内部に精通しているキミならば、宝箱を開けて、それほど時間も掛からずに戻ってこれるはずだ。問題は宝箱のある場所が暗いことだが、松明はもう尽きてしまったから、明かりはネズミ団側の明かりを外して持っていくといいよ」
僕はこれまでに書きためてきた洞窟内部の地図をタロピンに見せて、宝箱の位置を指し示した。
「別にええけど、結構大変で手間のかかる作業を頼む、その『見返り』は?」
ちっ、あの純真無垢だった(?)タロピンの野郎も、ちょっとレベルが上がったぐらいで次第に増長してきて、ついに『交渉』というものを覚えやがったか。へへっ、ネズミのくせに天狗の鼻が伸びてきたって訳だな。できればその鼻へし折ってやりたいのは山々だが、こいつはこの先、なかなか面倒なことになりそうだぜ。(?)
「分かった分かった。アリュール王国に着いたら、お腹いっぱいの高級チーズをご馳走するから」
なんと、高級チーズと聞いた瞬間に、タロピンは一目散に洞窟へと舞い戻っていった!!
単純なやつ……。(?)
それから、1時間ほど待っただろうか。
ネズミだけが通れる近道でも使ってきたのか、タロピンは予想以上の早さで宝箱を開けて戻ってきた!!
「へへへ、こんなもんワイにかかればお茶の子さいさいでっせ」
「そ、それで?宝箱には何が入ってたの?」
興味津々でタロピンを見つめる僕たち。
タロピンは、自分には全く理解できないといった様子で、宝箱に入っていたその『本』を差し出した。
なんと、宝箱の中には、『エグいタイプ(?)のエッチな本』が入っていた!!(???)
なんと、サルバトルはそれを見て、これまでの冒険でも見たことがないくらい、目を輝かせている!!(?????)
こ、こんなものを、僕たちはずっと気にしていたのか……。
なんでこんな大したことないものを、鍵と毒ガスという厳重な守りの宝箱の中に……。
いや、大したことないというのは違うか。むしろサルバトルにとっては、どんな金銀財宝より『価値のあるもの』なのかもしれなかった。(?)
ネズミのタロピンには全く意味が分からないものだし、僕も自分の趣味とは違ったので(?)、そのエッチな本は当然サルバトルにあげた。
「むう……!!こ、これは……!!まさか……!!そ、そこまで出してしまうのか……!?いや、むしろそこまでやっていい……やらないとダメなのか……!?」
洞窟に入ってから一睡もしていないのに、木陰に座り、そのエッチな本を心行くまま堪能する(?)サルバトル。
よくそんな元気があるものだと僕は逆に感心してしまったのだが、逆か?逆なのか?『漢』たるもの、むしろ疲れているからこそ、そういった元気が湧いてくるものなのか?(世の中で3番目にどうでもいい疑問)
サリドの洞窟を脱出するために、ここまで身体を張って頑張ってくれたサルバトルに、ある意味最後に『ご褒美』のようなものがあったことは、仲間である僕としても嬉しいことだとは思っている。(??)
しかし、この父の方のエッチな本(ソフトタイプ?)に関しては、アリュール王国に着いてからの約束だからね。
アリュール王国を目指して、ここまでみんなで頑張ってきたのに、今は着いてほしくない気持ちも芽生えてきたなんて、本当に不思議だ。
正直。
アリュール王国に着いても、サルバトルとは別れたくなかったから。
「なんや、ここまでレベルの上がったワイに、最早でけへんことはないで?」
「脱出できてみんなテンションが上がっている時に、いきなりこんなことを言い出すのも心苦しいのだが、実は僕たち、ずっと気になっている宝箱があるのだよ」
「宝箱?」
「そう、入口から入ってすぐのところに、鍵が掛けられた宝箱があったんだ。強引に開けようとすると毒ガスが出てきて、僕とサルバトルさんはまんまとやられてしまった。初めて入った僕たちではかなり時間が掛かってしまったけど、洞窟の内部に精通しているキミならば、宝箱を開けて、それほど時間も掛からずに戻ってこれるはずだ。問題は宝箱のある場所が暗いことだが、松明はもう尽きてしまったから、明かりはネズミ団側の明かりを外して持っていくといいよ」
僕はこれまでに書きためてきた洞窟内部の地図をタロピンに見せて、宝箱の位置を指し示した。
「別にええけど、結構大変で手間のかかる作業を頼む、その『見返り』は?」
ちっ、あの純真無垢だった(?)タロピンの野郎も、ちょっとレベルが上がったぐらいで次第に増長してきて、ついに『交渉』というものを覚えやがったか。へへっ、ネズミのくせに天狗の鼻が伸びてきたって訳だな。できればその鼻へし折ってやりたいのは山々だが、こいつはこの先、なかなか面倒なことになりそうだぜ。(?)
「分かった分かった。アリュール王国に着いたら、お腹いっぱいの高級チーズをご馳走するから」
なんと、高級チーズと聞いた瞬間に、タロピンは一目散に洞窟へと舞い戻っていった!!
単純なやつ……。(?)
それから、1時間ほど待っただろうか。
ネズミだけが通れる近道でも使ってきたのか、タロピンは予想以上の早さで宝箱を開けて戻ってきた!!
「へへへ、こんなもんワイにかかればお茶の子さいさいでっせ」
「そ、それで?宝箱には何が入ってたの?」
興味津々でタロピンを見つめる僕たち。
タロピンは、自分には全く理解できないといった様子で、宝箱に入っていたその『本』を差し出した。
なんと、宝箱の中には、『エグいタイプ(?)のエッチな本』が入っていた!!(???)
なんと、サルバトルはそれを見て、これまでの冒険でも見たことがないくらい、目を輝かせている!!(?????)
こ、こんなものを、僕たちはずっと気にしていたのか……。
なんでこんな大したことないものを、鍵と毒ガスという厳重な守りの宝箱の中に……。
いや、大したことないというのは違うか。むしろサルバトルにとっては、どんな金銀財宝より『価値のあるもの』なのかもしれなかった。(?)
ネズミのタロピンには全く意味が分からないものだし、僕も自分の趣味とは違ったので(?)、そのエッチな本は当然サルバトルにあげた。
「むう……!!こ、これは……!!まさか……!!そ、そこまで出してしまうのか……!?いや、むしろそこまでやっていい……やらないとダメなのか……!?」
洞窟に入ってから一睡もしていないのに、木陰に座り、そのエッチな本を心行くまま堪能する(?)サルバトル。
よくそんな元気があるものだと僕は逆に感心してしまったのだが、逆か?逆なのか?『漢』たるもの、むしろ疲れているからこそ、そういった元気が湧いてくるものなのか?(世の中で3番目にどうでもいい疑問)
サリドの洞窟を脱出するために、ここまで身体を張って頑張ってくれたサルバトルに、ある意味最後に『ご褒美』のようなものがあったことは、仲間である僕としても嬉しいことだとは思っている。(??)
しかし、この父の方のエッチな本(ソフトタイプ?)に関しては、アリュール王国に着いてからの約束だからね。
アリュール王国を目指して、ここまでみんなで頑張ってきたのに、今は着いてほしくない気持ちも芽生えてきたなんて、本当に不思議だ。
正直。
アリュール王国に着いても、サルバトルとは別れたくなかったから。
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~
雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
陰キャの僕が陽キャのキラキラ女子に告られた
塩こんぶ
恋愛
The平凡高校生陰キャの僕はある日、クラスのムードメーカーの陽キャのキラキラ女子に告白されてしまった。
なにか企んでいるのか、それとも罰ゲームで告白させられたのか?
そうでなきゃ僕の人生に告白されるなんてイベントは発生しないはず。
彼女は本当に僕を好きで告白してきたのか?
陰キャの僕にはにわかに信じられない事態が巻き起こる、僕のスクールライフが始まる。
【完結】おじいちゃんは元勇者
三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話…
親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。
エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…
異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる