クラスで転生〜元いじめられっ子、異世界で気ままに暮らす〜

1章〜世界を気ままに生きさせて貰います〜

1話 冒険の始まり

　俺の名前は、アレキサンダー・ブラッドレイ。通称アレク。

　大層な名前をつけられたものですよ。
　そんな俺も、こっちの世界では10歳になりましたー。

　そうです、俺、俺！

　『油分』というあだ名で呼ばれていた、生粋のイジメられっ子でーす。

　ん？テンション高いって？

　そりゃそうだよね。貴族の家に入れられて、一人で毎日勉強、勉強。空いた時間は体を動かし特訓、特訓の日々。

　ゲーマーで、引きこもり気質の俺からしたら地獄のような日々だったんだよねー。そりゃ気も狂うって。

　まぁでもそのおかげで、身体能力も身体つきも以前とは比べ物にならないくらいにはなったけど。

　そういや、俺が貰った力の事を言ってなかったね。
　俺が貰ったのは、スキル『アイテムボックス』とスキル『消費魔力《激減》』の二つ。

　二つともめちゃくちゃ有能なスキルらしかったけど、運搬に役立つ『アイテムボックス』と戦闘に役立つ『消費魔力《激減》』の相性は悪かったみたいで、なんか失望の目を向けられたよ。

　世界を救う戦いでは、運搬係として働かされるんだってー。笑えるね。

　誰がやるかって思ったよね、いやマジで。

　あのイジメっ子の浅田将太は、称号『英雄の卵』とスキル『炎神の加護』を貰ってたよ。もちろん、戦いでは最前線で皆を率いるリーダーとして働くらしい。
　ギャーギャー煩かったね。

　いや、赤ちゃん的な意味合いで。 

　

　兎にも角にも、明日にはこの家を出て、王城へ向かい、皆と合流して、然るべき日に備えて合同訓練が始まるらしい。

　だから、今日の夜決行する事にする。

　何を、って？

　そりゃ逃走さ！

　知らない国の為に生死をかけてまで働きたくはないし、それにこの世界には魔法があるんだもの。

　ファンタジー世界なんて、オラ、ワ○ワ○すっぞ。

　今まで頑張った分、そのくらい良いよね？

　って事で、夜を待って逃走だぁ～。

ーーー

　真っ暗な夜の森を、ただひたすらに走る影があった。
　
　ヒャッホウ。

　時折、そんな鳴き声を夜の森に響かせながら走る、一つの影。

　その影は、音もなく物凄いスピードで駆け、そして障害物をスルリスルリと躱していく。

　はい。俺でーす。正体、俺でーす。

　皆さん正解でーす。

　俺はこの日の為に、毎晩秘密の特訓をしていたのだ。
　決して、エロいやつではない。
　
　時に、真っ暗な部屋で自分の身体を触ったり、時に、抜き足差し足で家中を走り回り母親やメイドの部屋に侵入したり。時には、わざとベットから落ちたり。

　何度も言うが、決してエロが目的ではない。

　全てはスキルを習得する為だ。

　その甲斐あって、スキル『夜目』スキル『魔力感知』スキル『隠密』スキル『物理耐性《軽減》』を習得出来たのだ。

　だから、たまにメイドのパンツ被ったり、裸を見たり、寝ている横で自慰行為をしたりしたのは、許してちょんまげ。

　流石に、寝ている時にメイドの胸を触ったりはしてないからね。うん、してないよ？妖艶な声を上げるとか、そんなの知らないからね？ほんとだよ？

　こほん……さて、話を戻そう。

　そんな秘密の特訓の成果もあって、めちゃくちゃ順調に俺は抜け出せたわけ。

　
　さて、これからどこに行こうか。





　そんなウキウキ、ワクワクで頭いっぱいのアレクはまだ知らなかった。

　この世界の夜が、どれほど凶暴に牙を剥くのかを。
　そして、浮かれて走るアレクの影と並走して走る数多の影の存在を。

　その影は、突如としてアレクの前に現れるのだった。

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【ステータス】
名前:アレキサンダー・ブラッドレイ
年齢:10歳
種族:異人族
レベル:13
攻撃:500
防御:700
速度:500
知力:1500
魔力:3000

▼スキル
夜目(Lv3)、隠密(Lv5)、剣技(lv2)、魔力感知(Lv3)
消費魔力《激減》、物理耐性《軽減》、アイテムボックス

▼魔法
火魔法:中級
水魔法:初級
緑魔法:初級
雷魔法:中級
土魔法:初級
光魔法:初級
闇魔法:中級

▼称号
なし