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第七章 後期授業開始
100話 騎士コース(馬術基礎 後期)
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いつも通り練習場に集まった生徒たちに、教師は告げた。
「明日から乗馬訓練に参加できる者の発表をする。アルフレッド / イグナース / コンバール …………」
生徒の半数程の名前が呼ばれる。そして最後にレイシアの名前がよばれた。
「レイシアは、先週は休んでいたのでどうしようかともおもったが、前期の掃除が素晴らしかったので合格とした。皆、あのクオリティを目指して真面目にやるように。呼ばれなかったもの! お前たちは自分で掃除をせず他人にやらせていたか、サボりが多かった者、あまりにも掃除が雑だったものだ。一か月後再評価してやる。真面目に取り組むように」
補助役の助教達が、不合格の者たちを厩舎に連れて行った。残った者たちは馬術の経験の確認をされた。
「教える必要のないヤツが5人、そこそこ乗れるのが25人、初心者だが経験のあるヤツが10人、まったくのド素人が5人か。じゃあ、出来るヤツは出来ないヤツのフォローをするように。5人と5人だから一対一でちょうどいいだろう。仲の良いモン同士組んだらいい」
ど素人は男子3人女子2人。女子の2人はレイシアとリリー。イレギュラー魔法使いの2人だ。
男どもは、痩せてきれいになったリリーとペアを組もうと我先にアプローチを始めた。レイシアと男子3人はその様子を(((そうなるよね)))って感じで見ていた。
ところが、その喧騒を無視しレイシアのもとにペアを申し込みに来たものがいた。
アルフレッド王子だ。王子はレイシアの前に来るとこう言った。
「お前と組まされるやつが可哀そうだ。お前に慣れてるいのが俺しかいないだろ。教えてやるからとっとと来い」
レイシアも、(まあ結局はそうなるよね)と思ったので、「よろしくお願いします」とついていった。
◇
「まずは確認だ。乗馬服、ブーツも含めて一式、持ってないヤツは奴は前に出ろ」
24人の生徒が前に出た。成長期の子供用の乗馬服はすぐに着ることが出来なくなる。家の馬で練習できるような高位貴族か騎士爵を継がせようとガチ勢の子供の一部以外は、集中的に練習するときだけレンタルで間に合わせているのが多い。
「お前らは放課後厩舎前に集合。学園の備品を貸し出す。では持っているヤツは馬具を装着させる。お前ら早く見ておくように。特にド素人、上級者の脇でしっかり見て覚えるんだ。いいな」
牧場に移動すると、馬が10頭繋がれていた。経験者素人5組とその他5グループに分かれ、それぞれ教師と助教、飼育員などが担当について教え始めた。
「まずは馬に触ってみようか。いいか、馬は繊細な生き物だ。大声を出したり急に動いたりするな。触らせていただく、そういう心持で触れろ。いいな」
馬車に乗ったりしているため、馬は割と身近な生き物。それでも触れたことのない者にとってファーストアプローチは緊張するもの。レイシアも、恐るおそる馬の前に立った。
「よしよし。大丈夫、だいじょうぶ」
隣にいる王子が馬に声をかける。ゆっくりと馬の前に握りこぶしを出し、匂いをかがせた。
クンクンと匂いを認識した馬はゆっくりと首をあげた。王子が優しくその首を撫でた。
「よしよし、いい子だ」
しばらく撫でた後、レイシアに向かって言った。
「さ、今みたいにやって。高い声、大きい声は絶対にダメ。覚えておいて。近づくときも後ろからはダメだから。蹴られたら死ぬからね。ゆっくり前から近づいて優しく声をかける。はい」
レイシアはこわごわと馬を見ながら近づいた。馬もレイシアを見ている。
「こんにちは……」
レイシアが手を出そうとする。王子が小さな声で「握りこぶしで」と声をかけた。
「噛まれると悪いから、握りこぶしでゆっくり上げて」
一度手を下ろし、握りこぶしを確認してゆっくりと手を上げた。
鼻を近づけてくる馬。匂いを嗅いで舌でレイシアの手をなめた。
「ひゃっ」
驚いたレイシア。でも、大声も急な動きも駄目だと必死でこらえた。
「いいぞレイシア。その調子だ」
王子がそう伝えると、緊張もほぐれてきた。「すー」と大きく息を吐く。視界が広がった。馬しか見ていなかったレイシアの目の前に、大きな青空と爽やかな緑の平原が広がっていた。
巨大で怖く見えていた馬が、身近なかわいいパートナーに思えた。
「よろしくね、お馬さん」
緊張の取れた声で、微笑みながらこえをかけると、レイシアのこぶしに馬が頬をこすりつけてきた。
そのまま、レイシアは手を開き。頬から首を優しくなでた。
「調子に乗ってやりすぎるなよ」
普段のレイシアを理解している王子は、冷静にレイシアを諭したのだった。
次は馬に馬具を装着するための基礎知識の実践を行う。様々な馬具が用意されていく。
王子は一つ一つレイシアに解説をしながら装着していった。
「いいか、まずは鞍をつける。あくまで優しく。これが鞍だ」
レイシアに鞍を持たせる。重さを確認させたら、その場に置かせた。
「この鞍を馬の背に乗せるんだが、その前にこの大きくて厚い布を敷くんだ。馬だって直接置いたら痛いだろう。背中のこの骨に指2~3本分、いやお前の手なら指4本分でもいいかな? そのくらい開けて敷くんだ」
王子は、レイシアの手と自分の手を重ねた。王子はドキドキと顔が赤くなった。
「い、いいか、馬に不安がらせないように顔を見ながら、ゆっくりでいいから優しく乗せる。そう。こういう風に」
ドキドキを隠すように、レイシアの顔から馬の顔に、視線を移し替えて布を置いた。そんな王子の心情など何も気にしていないレイシア。
「次に鞍を固定するために腹帯をかける。あくまで優しく手順通りに。少しずつ少しずつ締めるんだ」
そうして、鞍を固定し、ハミを咥えさせ、手綱や頭絡を頭部に付け、最後に鐙を付けて完成させた。
感心しながら見ているレイシア。いつもの戦うときの顔とは全然違う表情に、王子の胸は高鳴る。
(なんだこれは?)
その気持ちを確かめる前に、教師が声をかけてきた。
「さすがアルフレッド王子。手際がよいですね。どれ……。緩みもなく完璧な仕上がり。素晴らしい」
王子のドキドキはスウーっと引いた。何もなかったかのように。
レイシアも馬具を付けたがったが、さすがにいきなりは駄目だと教師に止められた。王子は馬具を外して、残りの時間は馬具の説明をして終わった。
◇◇◇
数日後、今度は騎士コース実践基礎。王子がレイシアに対戦を申し込んだ。
「レイシア、お前が休んでいた前回、俺はお前以外の全員と戦い見事勝ちぬけた。前期までの俺とは違う! お前に勝つために休みの間鍛錬を欠かさなかったんだ。さあ、勝負だ。本気で来い!」
「本気ですか?」
レイシアの目が大きく開いた。
「本気はやめておいた方が……」
「なめるな! 本気の貴様を叩く。それが俺の存在意義だ」
「でも」
「なめるなレイシア! お前の本気を見せろ」
木刀を構える王子。確かに構えに隙が無くなっている。
「本気ですか。では」
どこからかテーブルナイフを4本取り出し、両手に2本ずつ指に挟めて持ちながら構えるレイシア。
「い。いやナイフはなし! 木刀で戦おう」
本気の意味を伝え間違えた王子は、あせって武器を指定する。
ナイフをしまい、木刀を取りに行くレイシア。
「これでいいでしょうか」
「ああ。本気で来い」
「では」
剣をブンッ! と振り下ろし王子に向けるレイシア。剣先から軽く殺気がほとばしる。
「な……」
思わず怯む王子。
「では、これから本気を出しますね」
「えっっ……」
殺気の質量が高まる。
「ま……」
「まだまだ!」
声も出せない。王子は構えをガチガチの防御に変えた。
「行きます」
音のない世界。身の危険を感じた王子の脳はゾーンと言う高速処理の世界に入った。
「ブォォゥゥゥゥ—————ンンンン」
とゆっくりと流れる音は、レイシアの木刀が風を切る音。レイシアの剣筋が、真っすぐ胴に向かってくる。
「死ぬな……」
そう思いながら、木刀の剣先を左手で持ち剣筋の中央に構えた。そこにレイシアの一撃が!
「カッッコォォォーヲゥゥゥ――ンンンンンンンン—————ブワッッッッッッッッアアアアアアアアア—————」
ここでゾーンは終わった。高速で吹き飛ばされながらも防御だけは間に合った。
手元ではミリミリと音がして木刀にヒビが入った。馬具指導で手が触れた時のドキドキした淡い感情と一緒に木刀は砕け散った。
地面に落ちた後気を失った王子に、
「あれを防ぐとは。強くなったね」
と言うレイシアの称賛の声が届くことがなかった。
「明日から乗馬訓練に参加できる者の発表をする。アルフレッド / イグナース / コンバール …………」
生徒の半数程の名前が呼ばれる。そして最後にレイシアの名前がよばれた。
「レイシアは、先週は休んでいたのでどうしようかともおもったが、前期の掃除が素晴らしかったので合格とした。皆、あのクオリティを目指して真面目にやるように。呼ばれなかったもの! お前たちは自分で掃除をせず他人にやらせていたか、サボりが多かった者、あまりにも掃除が雑だったものだ。一か月後再評価してやる。真面目に取り組むように」
補助役の助教達が、不合格の者たちを厩舎に連れて行った。残った者たちは馬術の経験の確認をされた。
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ところが、その喧騒を無視しレイシアのもとにペアを申し込みに来たものがいた。
アルフレッド王子だ。王子はレイシアの前に来るとこう言った。
「お前と組まされるやつが可哀そうだ。お前に慣れてるいのが俺しかいないだろ。教えてやるからとっとと来い」
レイシアも、(まあ結局はそうなるよね)と思ったので、「よろしくお願いします」とついていった。
◇
「まずは確認だ。乗馬服、ブーツも含めて一式、持ってないヤツは奴は前に出ろ」
24人の生徒が前に出た。成長期の子供用の乗馬服はすぐに着ることが出来なくなる。家の馬で練習できるような高位貴族か騎士爵を継がせようとガチ勢の子供の一部以外は、集中的に練習するときだけレンタルで間に合わせているのが多い。
「お前らは放課後厩舎前に集合。学園の備品を貸し出す。では持っているヤツは馬具を装着させる。お前ら早く見ておくように。特にド素人、上級者の脇でしっかり見て覚えるんだ。いいな」
牧場に移動すると、馬が10頭繋がれていた。経験者素人5組とその他5グループに分かれ、それぞれ教師と助教、飼育員などが担当について教え始めた。
「まずは馬に触ってみようか。いいか、馬は繊細な生き物だ。大声を出したり急に動いたりするな。触らせていただく、そういう心持で触れろ。いいな」
馬車に乗ったりしているため、馬は割と身近な生き物。それでも触れたことのない者にとってファーストアプローチは緊張するもの。レイシアも、恐るおそる馬の前に立った。
「よしよし。大丈夫、だいじょうぶ」
隣にいる王子が馬に声をかける。ゆっくりと馬の前に握りこぶしを出し、匂いをかがせた。
クンクンと匂いを認識した馬はゆっくりと首をあげた。王子が優しくその首を撫でた。
「よしよし、いい子だ」
しばらく撫でた後、レイシアに向かって言った。
「さ、今みたいにやって。高い声、大きい声は絶対にダメ。覚えておいて。近づくときも後ろからはダメだから。蹴られたら死ぬからね。ゆっくり前から近づいて優しく声をかける。はい」
レイシアはこわごわと馬を見ながら近づいた。馬もレイシアを見ている。
「こんにちは……」
レイシアが手を出そうとする。王子が小さな声で「握りこぶしで」と声をかけた。
「噛まれると悪いから、握りこぶしでゆっくり上げて」
一度手を下ろし、握りこぶしを確認してゆっくりと手を上げた。
鼻を近づけてくる馬。匂いを嗅いで舌でレイシアの手をなめた。
「ひゃっ」
驚いたレイシア。でも、大声も急な動きも駄目だと必死でこらえた。
「いいぞレイシア。その調子だ」
王子がそう伝えると、緊張もほぐれてきた。「すー」と大きく息を吐く。視界が広がった。馬しか見ていなかったレイシアの目の前に、大きな青空と爽やかな緑の平原が広がっていた。
巨大で怖く見えていた馬が、身近なかわいいパートナーに思えた。
「よろしくね、お馬さん」
緊張の取れた声で、微笑みながらこえをかけると、レイシアのこぶしに馬が頬をこすりつけてきた。
そのまま、レイシアは手を開き。頬から首を優しくなでた。
「調子に乗ってやりすぎるなよ」
普段のレイシアを理解している王子は、冷静にレイシアを諭したのだった。
次は馬に馬具を装着するための基礎知識の実践を行う。様々な馬具が用意されていく。
王子は一つ一つレイシアに解説をしながら装着していった。
「いいか、まずは鞍をつける。あくまで優しく。これが鞍だ」
レイシアに鞍を持たせる。重さを確認させたら、その場に置かせた。
「この鞍を馬の背に乗せるんだが、その前にこの大きくて厚い布を敷くんだ。馬だって直接置いたら痛いだろう。背中のこの骨に指2~3本分、いやお前の手なら指4本分でもいいかな? そのくらい開けて敷くんだ」
王子は、レイシアの手と自分の手を重ねた。王子はドキドキと顔が赤くなった。
「い、いいか、馬に不安がらせないように顔を見ながら、ゆっくりでいいから優しく乗せる。そう。こういう風に」
ドキドキを隠すように、レイシアの顔から馬の顔に、視線を移し替えて布を置いた。そんな王子の心情など何も気にしていないレイシア。
「次に鞍を固定するために腹帯をかける。あくまで優しく手順通りに。少しずつ少しずつ締めるんだ」
そうして、鞍を固定し、ハミを咥えさせ、手綱や頭絡を頭部に付け、最後に鐙を付けて完成させた。
感心しながら見ているレイシア。いつもの戦うときの顔とは全然違う表情に、王子の胸は高鳴る。
(なんだこれは?)
その気持ちを確かめる前に、教師が声をかけてきた。
「さすがアルフレッド王子。手際がよいですね。どれ……。緩みもなく完璧な仕上がり。素晴らしい」
王子のドキドキはスウーっと引いた。何もなかったかのように。
レイシアも馬具を付けたがったが、さすがにいきなりは駄目だと教師に止められた。王子は馬具を外して、残りの時間は馬具の説明をして終わった。
◇◇◇
数日後、今度は騎士コース実践基礎。王子がレイシアに対戦を申し込んだ。
「レイシア、お前が休んでいた前回、俺はお前以外の全員と戦い見事勝ちぬけた。前期までの俺とは違う! お前に勝つために休みの間鍛錬を欠かさなかったんだ。さあ、勝負だ。本気で来い!」
「本気ですか?」
レイシアの目が大きく開いた。
「本気はやめておいた方が……」
「なめるな! 本気の貴様を叩く。それが俺の存在意義だ」
「でも」
「なめるなレイシア! お前の本気を見せろ」
木刀を構える王子。確かに構えに隙が無くなっている。
「本気ですか。では」
どこからかテーブルナイフを4本取り出し、両手に2本ずつ指に挟めて持ちながら構えるレイシア。
「い。いやナイフはなし! 木刀で戦おう」
本気の意味を伝え間違えた王子は、あせって武器を指定する。
ナイフをしまい、木刀を取りに行くレイシア。
「これでいいでしょうか」
「ああ。本気で来い」
「では」
剣をブンッ! と振り下ろし王子に向けるレイシア。剣先から軽く殺気がほとばしる。
「な……」
思わず怯む王子。
「では、これから本気を出しますね」
「えっっ……」
殺気の質量が高まる。
「ま……」
「まだまだ!」
声も出せない。王子は構えをガチガチの防御に変えた。
「行きます」
音のない世界。身の危険を感じた王子の脳はゾーンと言う高速処理の世界に入った。
「ブォォゥゥゥゥ—————ンンンン」
とゆっくりと流れる音は、レイシアの木刀が風を切る音。レイシアの剣筋が、真っすぐ胴に向かってくる。
「死ぬな……」
そう思いながら、木刀の剣先を左手で持ち剣筋の中央に構えた。そこにレイシアの一撃が!
「カッッコォォォーヲゥゥゥ――ンンンンンンンン—————ブワッッッッッッッッアアアアアアアアア—————」
ここでゾーンは終わった。高速で吹き飛ばされながらも防御だけは間に合った。
手元ではミリミリと音がして木刀にヒビが入った。馬具指導で手が触れた時のドキドキした淡い感情と一緒に木刀は砕け散った。
地面に落ちた後気を失った王子に、
「あれを防ぐとは。強くなったね」
と言うレイシアの称賛の声が届くことがなかった。
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