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第二章
クロノスとティアルカ
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中層域に入ると、アイシャ達一行は他のパーティーと別行動をとった。延々と続く灰褐色の壁を見ながら進む事数時間、話しに聞いていた通りアンデッド系モンスターがたまに現れる。その度にエリーゼが魔法で蹴散らし、今は第五層の最北端、十九年前にエリーゼがランダム転移のトラップに引っ掛かった場所へ来ていた。
「そろそろいいかしら」
エリーゼは一人呟き、パーティーに止まるように指示する。そして、約束通りここへ来た目的やこれからの事を手短かに伝えた。
「まず……なぜこのダンジョンに来たかという目的だけど、この遺跡には神クロノスがいるの。そして、私とアイシャの目的はクロノスに会う事です」
神に会うと言ったのに、特に誰も驚いたような反応はしなかった。自分の説明に全員頷いたのを確認すると、エリーゼはラパンの方を向く。
「まだ分からないけど、私とアイシャだけしか会えない可能性もあるわ。その場合は私達が居ない間ラパンがリーダーとなってパーティーをまとめてくれる?」
「ああ、それは構わないが、その神とやらはここから近い所にいるのか?」
「近い事は近いと思うの。それと、もしかしたら全員を転移させてくれるかもしれないわ」
「それなら有難いけどな」
「それで一つだけ注意があるんだけど、もし会えても話すのは私とアイシャだけ。他の人は話しかけられれば別だけど自分から話しかける事はしないでほしいの」
説明が終わると、エリーゼは心の中ではなく、実際に声にしてクロノスに話し掛ける。
「クロノス、どうせ来てるの分かってるんでしょ?」
す~っと深く息を吸い込むと、今度は大きな声でクロノスに要求を伝える。
「私疲れちゃったからそっちに転移させてちょ~だ~~~い」
『………』
こんなお願いを神と呼ばれる者が聞く訳がない。
誰もがそう思った時だった。エリーゼの前方数メートルの場所に大きな魔法陣が浮かび上がり、青白い光を放つと徐々にその光は強くなっていく。ここに住んでいる神はどうやら普通と違うらしい。もしくはエリーゼのお願いだったからだろうか。
「転移魔法陣ね……私から入るから全員入って!」
躊躇う事なくエリーゼは魔法陣に飛び込み、体が全部魔法陣に入ると掻き消えてしまった。それに続いてアイシャも入る。イリージャ、ラパン、コーディの順で全員が魔法陣に飛び込むと、最後の一人が掻き消えた後は魔法陣も消滅する。
「こ、これは……ボス部屋か?」
転移した場所に存在する大きな扉、それは中にボスがいても可笑しくないような存在感を放っていた。
「ボス部屋じゃないわ。この中には石室があってクロノスが居るの」
「エリーゼは此処に来たことがあるって訳か?」
「えぇ……扉に罠は無いし鍵とかもない。そして、開けたら中に入るのは私とアイシャだけ」
「ああ、わかった」
では扉を開けようかという時だった。『ゴゴゴゴゴ』と重い音を響かせながら扉が開いていき、中からゆっくりとした足取りで銀髪を腰まで伸ばした長身痩躯の美丈夫が出てきた。その男は他の者になど目もくれず、一直線にエリーゼの前まで行くとがっしりと抱きしめた。そして抱きしめられた相手もそれを拒む事はしない。
「クロノス……」
「会いたかったよエリーゼ」
「私が来たのはいつから分かってたの?」
「ダンジョンに入ってからかな」
「そう……」
エリーゼと話していたクロノスは、今気づいたかのようにアイシャへ視線を向けた。
「君は……そうか! あの時の……はははははっ」
一人で納得すると、アイシャの前へ行きいろいろな所へ視線を這わせはじめる。
「クロノス、そういうのは後にして。それと、今回は事情をある程度話した上で他の者を連れてきてるから、前みたいな事はしないでね?」
「あれは僕に刃を向けたり石室を開けようとしたからだよ。ねえ、君達はそんな事しないよね?」
全員無言で頷き、それに満足したのかクロノスはまたエリーゼの所へ行き抱き締めた。何も言わず好きにさせるエリーゼを見てラパンなどは羨ましそうにしている。
「悪いけどこういうのも後にしてくれる?」
「エリーゼは厳しいなあ。おっと、僕も一つだけ君に話して置くことがあるんだ。ティア、こっちにおいで」
この場にいない者の名が呼ばれた事に全員反応し、どんな者が現れるのかと扉の方へ視線を向ける。すると、暫くして扉からそろそろっと女の子が顔を覗かせた。歳は分かりにくいが人間なら十代くらいだろう。血の色のような赤髪に、肌の色が少し浅黒いのは魔族やダークエルフに見られるような特徴だ。しかし、耳はやや尖りぎみというだけでエルフとは違うようだ。
「魔族?」
「へえ、エリーゼは魔族を見た事があるんだ?」
「サキュバスならね。ここらへんではなかなか見かける事がないわ」
「ほう……サキュバスか! なら話しは早い! この娘、ティアルカはね……」
クロノスが語ったティアルカとの出会いは、普通に冒険者をしていてはありえない内容であった。
毎日が暇で時間だけはあるクロノス。ちょっと最下層にボスの顔でも見に行こうかと思い付き、ふらっと遊びにいったのだそうだ。そして、辿り着いたのは最下層最奥にあるダンジョンコアが安置される部屋だった。そこにはダンジョンボスである強力な魔族が座する玉座があり、豪華な謁見の間とも言える部屋だったそうな。
玉座の前まで行くと、その魔族はクロノスにこう問うたのだとか。
『神族がこのような場所にいったい何の用だ?』と。
クロノスが『暇だから散歩してたんだ』と言うと、魔族は笑いながら茶を振る舞ってくれたらしい。そこで意気投合した二人は、何度かクロノスが遊びに行く事で仲良くなり、ある日、このティアルカを土産にいただいたらしい。
「その魔族ゴンゴールって言うんだけど、同族である魔族を食べて自分の力を高めてるんだ。ティアも言ってしまえば食料の一つだったんだが、僕が一人で寂しいし暇なんだって言ったら、こいつを連れて行けって土産にくれたのさ」
『………』
「だけど、ゴンゴールは惜しいことをしたね。ティアは魔族といっても普通じゃない! 魔族特有の尻尾だってなくて見た目は殆ど人間と変わらないし、この子の能力すら把握せずに食料にしようとしてたんだからね」
「能力?」
「そうさ、ティアは一度会った事がある者の夢の中に入る事が出来る。そして、夢の中に入った者の記憶の中にある者までその対象とすることが出来るんだ。魔族だけあって身体能力や魔力が相当優れているというのも素晴らしい」
クロノスが話している間も、ティアルカは扉から顔を出し覗くだけで近付いてこなかった。
「ティア、大丈夫だからこっちにおいで」
「ご主人様、ティアは虐められたり食べられたりしないですか?」
「ここに居る者達はそんな事しないから大丈夫だよ」
それでも魔族の少女は出てこなかった。
「よし、それじゃ僕らがそちらへ行こう。ただし、まずはエリーゼと……」
「アイシャ、私と一緒に来て。ラパン、私達が戻ってくるまで後の事はお願いね」
ラパンはエリーゼの言葉に無言で頷いた。
三人が部屋に入っていくと扉は自然に閉まり、残された者達は暫く時間を置く事でやっと話せるようになった。
「ぷはぁ~っ……なんて圧力だ。エリーゼはよく普通に話せるな」
「ああ、神か……やはり普通じゃないよ」
「アイシャ達大丈夫かなぁ」
中からは音や会話が一切聞こえてこない。ラパンは神が居るという話しすら半分しか信じていなかったが、実際に会ってみればこの存在感だ。姿は人間だが人外という事なのだろう。そして、これで幾つか分かった事がある。エリーゼは神の眷属か最低でもそれに近い存在、アイシャは初対面のようだが無関係ではないという事がだ。
「そろそろいいかしら」
エリーゼは一人呟き、パーティーに止まるように指示する。そして、約束通りここへ来た目的やこれからの事を手短かに伝えた。
「まず……なぜこのダンジョンに来たかという目的だけど、この遺跡には神クロノスがいるの。そして、私とアイシャの目的はクロノスに会う事です」
神に会うと言ったのに、特に誰も驚いたような反応はしなかった。自分の説明に全員頷いたのを確認すると、エリーゼはラパンの方を向く。
「まだ分からないけど、私とアイシャだけしか会えない可能性もあるわ。その場合は私達が居ない間ラパンがリーダーとなってパーティーをまとめてくれる?」
「ああ、それは構わないが、その神とやらはここから近い所にいるのか?」
「近い事は近いと思うの。それと、もしかしたら全員を転移させてくれるかもしれないわ」
「それなら有難いけどな」
「それで一つだけ注意があるんだけど、もし会えても話すのは私とアイシャだけ。他の人は話しかけられれば別だけど自分から話しかける事はしないでほしいの」
説明が終わると、エリーゼは心の中ではなく、実際に声にしてクロノスに話し掛ける。
「クロノス、どうせ来てるの分かってるんでしょ?」
す~っと深く息を吸い込むと、今度は大きな声でクロノスに要求を伝える。
「私疲れちゃったからそっちに転移させてちょ~だ~~~い」
『………』
こんなお願いを神と呼ばれる者が聞く訳がない。
誰もがそう思った時だった。エリーゼの前方数メートルの場所に大きな魔法陣が浮かび上がり、青白い光を放つと徐々にその光は強くなっていく。ここに住んでいる神はどうやら普通と違うらしい。もしくはエリーゼのお願いだったからだろうか。
「転移魔法陣ね……私から入るから全員入って!」
躊躇う事なくエリーゼは魔法陣に飛び込み、体が全部魔法陣に入ると掻き消えてしまった。それに続いてアイシャも入る。イリージャ、ラパン、コーディの順で全員が魔法陣に飛び込むと、最後の一人が掻き消えた後は魔法陣も消滅する。
「こ、これは……ボス部屋か?」
転移した場所に存在する大きな扉、それは中にボスがいても可笑しくないような存在感を放っていた。
「ボス部屋じゃないわ。この中には石室があってクロノスが居るの」
「エリーゼは此処に来たことがあるって訳か?」
「えぇ……扉に罠は無いし鍵とかもない。そして、開けたら中に入るのは私とアイシャだけ」
「ああ、わかった」
では扉を開けようかという時だった。『ゴゴゴゴゴ』と重い音を響かせながら扉が開いていき、中からゆっくりとした足取りで銀髪を腰まで伸ばした長身痩躯の美丈夫が出てきた。その男は他の者になど目もくれず、一直線にエリーゼの前まで行くとがっしりと抱きしめた。そして抱きしめられた相手もそれを拒む事はしない。
「クロノス……」
「会いたかったよエリーゼ」
「私が来たのはいつから分かってたの?」
「ダンジョンに入ってからかな」
「そう……」
エリーゼと話していたクロノスは、今気づいたかのようにアイシャへ視線を向けた。
「君は……そうか! あの時の……はははははっ」
一人で納得すると、アイシャの前へ行きいろいろな所へ視線を這わせはじめる。
「クロノス、そういうのは後にして。それと、今回は事情をある程度話した上で他の者を連れてきてるから、前みたいな事はしないでね?」
「あれは僕に刃を向けたり石室を開けようとしたからだよ。ねえ、君達はそんな事しないよね?」
全員無言で頷き、それに満足したのかクロノスはまたエリーゼの所へ行き抱き締めた。何も言わず好きにさせるエリーゼを見てラパンなどは羨ましそうにしている。
「悪いけどこういうのも後にしてくれる?」
「エリーゼは厳しいなあ。おっと、僕も一つだけ君に話して置くことがあるんだ。ティア、こっちにおいで」
この場にいない者の名が呼ばれた事に全員反応し、どんな者が現れるのかと扉の方へ視線を向ける。すると、暫くして扉からそろそろっと女の子が顔を覗かせた。歳は分かりにくいが人間なら十代くらいだろう。血の色のような赤髪に、肌の色が少し浅黒いのは魔族やダークエルフに見られるような特徴だ。しかし、耳はやや尖りぎみというだけでエルフとは違うようだ。
「魔族?」
「へえ、エリーゼは魔族を見た事があるんだ?」
「サキュバスならね。ここらへんではなかなか見かける事がないわ」
「ほう……サキュバスか! なら話しは早い! この娘、ティアルカはね……」
クロノスが語ったティアルカとの出会いは、普通に冒険者をしていてはありえない内容であった。
毎日が暇で時間だけはあるクロノス。ちょっと最下層にボスの顔でも見に行こうかと思い付き、ふらっと遊びにいったのだそうだ。そして、辿り着いたのは最下層最奥にあるダンジョンコアが安置される部屋だった。そこにはダンジョンボスである強力な魔族が座する玉座があり、豪華な謁見の間とも言える部屋だったそうな。
玉座の前まで行くと、その魔族はクロノスにこう問うたのだとか。
『神族がこのような場所にいったい何の用だ?』と。
クロノスが『暇だから散歩してたんだ』と言うと、魔族は笑いながら茶を振る舞ってくれたらしい。そこで意気投合した二人は、何度かクロノスが遊びに行く事で仲良くなり、ある日、このティアルカを土産にいただいたらしい。
「その魔族ゴンゴールって言うんだけど、同族である魔族を食べて自分の力を高めてるんだ。ティアも言ってしまえば食料の一つだったんだが、僕が一人で寂しいし暇なんだって言ったら、こいつを連れて行けって土産にくれたのさ」
『………』
「だけど、ゴンゴールは惜しいことをしたね。ティアは魔族といっても普通じゃない! 魔族特有の尻尾だってなくて見た目は殆ど人間と変わらないし、この子の能力すら把握せずに食料にしようとしてたんだからね」
「能力?」
「そうさ、ティアは一度会った事がある者の夢の中に入る事が出来る。そして、夢の中に入った者の記憶の中にある者までその対象とすることが出来るんだ。魔族だけあって身体能力や魔力が相当優れているというのも素晴らしい」
クロノスが話している間も、ティアルカは扉から顔を出し覗くだけで近付いてこなかった。
「ティア、大丈夫だからこっちにおいで」
「ご主人様、ティアは虐められたり食べられたりしないですか?」
「ここに居る者達はそんな事しないから大丈夫だよ」
それでも魔族の少女は出てこなかった。
「よし、それじゃ僕らがそちらへ行こう。ただし、まずはエリーゼと……」
「アイシャ、私と一緒に来て。ラパン、私達が戻ってくるまで後の事はお願いね」
ラパンはエリーゼの言葉に無言で頷いた。
三人が部屋に入っていくと扉は自然に閉まり、残された者達は暫く時間を置く事でやっと話せるようになった。
「ぷはぁ~っ……なんて圧力だ。エリーゼはよく普通に話せるな」
「ああ、神か……やはり普通じゃないよ」
「アイシャ達大丈夫かなぁ」
中からは音や会話が一切聞こえてこない。ラパンは神が居るという話しすら半分しか信じていなかったが、実際に会ってみればこの存在感だ。姿は人間だが人外という事なのだろう。そして、これで幾つか分かった事がある。エリーゼは神の眷属か最低でもそれに近い存在、アイシャは初対面のようだが無関係ではないという事がだ。
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