days(BL)

kotori

文字の大きさ
上 下
11 / 14
番外編

HALLOWEEN

しおりを挟む
 
「今日は何の日か知ってるか」
「月末っすね。だから店すげぇ忙しかったんですけど」
「菓子はいらねぇから悪戯するぞ」
「無視かよ。てか意味わかんねぇよ」

大体するぞってなんだよ。



今から一時間前、俺はバイト先から拉致られた。
奴は金にモノをいわせてバイト仲間を買収し、仕事中だった俺を強制的に早退させたのだ。
そして無理矢理連れてこられたのは、いつ来ても異様に片付いてる(とゆうかあまり物がない)先輩の部屋。



「……で、なんすかコレ」

手渡されたのは、黒いふわふわの猫耳カチューシャ。

「つけろ」
「……は?やだよ」

何言ってんのこの人。

「いいからつけろ」
「だからやだって」
「………」
「………」

この俺様自己中傲慢男(一応彼氏)のワガママは、今に始まったことじゃない。
それにこういう時は絶対に引かないことも身をもって知っている。

「……じゃあ、先輩もつけるなら」
「俺がこんなものつけるわけねぇだろ」 

心底呆れたような視線を向けられ、俺は少しでも譲歩しようと思った自分を呪った。



「……微妙だな」
「悪かったな!」

こんなもん似合っても全然嬉しくねぇんだよ!

「ちなみに尻尾もある」
「いらん!」 
「来い、つけてやるから」
「頼んでねぇ、ってオイ!」

ぐい、と腕を引かれて無理矢理膝の上に乗せられる。

「暴れんな」
「だったら放せ…ってゆうか、」

奴が手にした、猫耳とセットになってるらしいそれを見てぎょっとした。

「……ちょ、なんだよそれ」
「尻尾だろ」
「いや待てこら、」

最後の抵抗を試みつつ、あぁなんでこんな奴とつきあってるんだろう俺はともう何度目かもわからない疑問を抱いた。


 
「ちょっ、やめ…!」

制服のズボンを脱がされ、ボクサーパンツのなかに手を突っ込まれる。

「……っ、」

そのままペニスを扱かれると、押し退けようとした腕から力が抜けた。
もう片方の手で尻を撫でられ、背筋がぞくりとする。
やばい、このままじゃ流される。

「……先輩、」
「ん、」
「……普通が、いい…」

声を震わせ、涙目でそう訴えてみたものの。

「ダメだ」

舌打ちすると、先輩は楽しそうに笑う。

「ほら、今日はたっぷり馴らしてやるから」
「~~っ、」

文句が喉まで出かかったが、痛いのは嫌だ。
そうこうしているうちにローションで濡れた指が入ってきて、くちゅくちゅと卑猥な音をたてた。



数分後。
俺はシャツ一枚で、ベットの上に放置されていた。
尻には黒い尻尾が生えている。

「あっ、あっ、も、やだ…ぁっ」

挿れられたバイブはそう大きくはないものの、俺のナカをめちゃくちゃに掻き回す。
必死になって身体を捻り抜こうとしたが、前で両手を縛られた状態では無理だ。

「……発情期の雌猫みてぇだな」
「……先輩、いっ、いきたい…」
「いけばいいだろ」
「……っ、」

俺の痴態を眺めながら、ニヤニヤと笑っている先輩を睨みつける。
結局我慢できずに両手でペニスを扱くと、すぐに達した。

「……ふぁ、あ、あッ」

ぎしりとベットが軋み、黒いシーツの上にパタパタと白濁が散る。

「……やらしいな、」
「うっせぇ…っ、取れよこれっ…」
「駄目だ。おまえだけ気持ちよくなってんじゃねぇよ」

そう言うと先輩は半勃ちのペニスを出した。

「舐めろ」

もはや余裕なんて欠片もなくて、素直に言うことを聞く。
縛られたままの両手で先輩のペニスを包むと、ぺろぺろと舐めた。

「は、マジ猫みてぇ」

先輩の手が俺の髪を掴む。

「ミルク、好きだよなぁ?」
「んぐ、っ」

このど変態、と心のなかで悪態をつきつつ俺は必死でそれをしゃぶった。

「んっ…ふ、ぅ」

喉の奥まで突っこまれて、かなり苦しい。
目尻にじわりと涙が浮かんだ。

「んだよ、また勃ってんじゃねぇか」

ようやく解放されたかと思えばそのままベットに放られる。

「躾のなってねぇ猫は調教しねぇとなぁ」

先輩は尻尾を掴むと、乱暴にバイブを動かした。
ぐりぐりとナカを抉られて堪らず悲鳴をあげる。

「気持ちよさそーじゃん。もう一回くらいコレでイクか?」

俺はひくひく身体を震わせて、泣きながら懇願した。

「……先輩ので、いきたいっ…」
「………」
「ひっ…」

ずるりとそれが引き抜かれたかと思うと、息をつく間もなく圧倒的な質量が侵入してくる。

「あ、ああっ…!!」
「……っ、すげ、」

バイブに散々嬲られて熱く熟れた俺のナカは、きゅうきゅうと収縮しながら先輩のモノに絡みつく。
先輩は俺を背後から抱き込んで、容赦なく腰を打ちつけてきた。

「あっ、ああんっ!ちょ、激し…!」
「……好きだろうが、」

そう言う先輩もあまり余裕はないみたいだった。
いつものように焦らすこともせず、俺のイイとこばかりを的確に擦る。

「あっ、あっ、無理、いく、いっちゃうっ…!」
「浅海っ…」

先輩に名前を呼ばれた瞬間、俺はいった。





「……さいあく」

腰はだるいしケツも痛い。
しかも目が覚めたのが、翌日の午後三時って。

「なんで起こさねぇかな!!」

すると煙草を吸っていた先輩は平然と答えた。

「昨日、無理させたからな」
「その優しさはいらねぇよ!」

ベットサイドに置いてあった猫耳を見て昨夜のことを思い出し、頭痛までしてきた。

「……このど変態が」
「なんか言ったか?」
「いえ何も」

今さら何を言っても時間の無駄だ。
取り敢えずシャワーを借りて、学校を無断欠席した事と連絡せずに外泊した事に対する言い訳を考える。

……てゆうか、俺の制服は?

「………」

ベットの下に落ちていた俺のシャツは、それはもう無惨なことになっていた。
あぁもう最悪…とうなだれる俺の頭に、ばさりと被せられたのは真新しいシャツ。

「やる」
「……え、マジで」

先輩のサイズだとちょっとデカいかもしれないけど、袖を捲ればなんとかなるだろう。
てゆうか精液まみれのものよりはずっとマシだ。

「……ども、」

まぁよくよく考えたら全部こいつの所為だし、礼なんて言わなくてもよかったんだけど。



その後、先輩は駅まで送ってくれた。
今日はバイトが休みで本当に良かった。

「……てゆうか、もうバイト先には来ないでください」
「なんで」
「迷惑です」
「そもそもバイトを許可した覚えはねえし」
「なんでいちいち先輩の許可がいるんすか」

溜め息混じりに言うと、先輩は笑った。

「おまえが俺のものだからだろ」
「俺は先輩のものじゃないっす」
「………」
「………」

この自己中でワガママな人でなし(しかもSっ気のあるど変態)は、真琴が言うように本当にどうしようもない男だ。

……だけどもっとどうしようもないのは、

そんな男に本気で惚れてしまった、俺なのかもしれない。



end.
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

由紀と真一

廣瀬純一
大衆娯楽
夫婦の体が入れ替わる話

赤ずきんちゃんと狼獣人の甘々な初夜

真木
ファンタジー
純真な赤ずきんちゃんが狼獣人にみつかって、ぱくっと食べられちゃう、そんな甘々な初夜の物語。

処理中です...