輪廻”異世界”転生

第17話 友達？

　ニワトリのような……
　っていうかこいつ、ニワトリだわ。
　だってコケッコケッ言ってるし。
　絶対、コケコッコーっていうだろお前。
　なんかうなずいた気がする。まぁいい。

　この鳥はさすが食べない。
　もし卵を産んでくれるならかなり最高。
　こいつは飼うぞ、絶対に！
　少し可哀そうだが、そのまま捕まっていてもらう。あまり負担がかからないようにしながら。
　今日は緊急でやることが決まった。
　鳥小屋を作る。これしかない。
　まずは棒を集めよう。斧先輩、お願いします。
　そして小屋を作っていく。
　といっても小屋といった大きな養鶏場的なのは作れないので、四角い檻みたいな感じになる。
　小さい扉をつけて、完成。
　急だったので結構小さいが、懐いてくれたり、子供を産んでくれたらもっと大きくしよう。

　さっそく鳥を檻に入れてみよう。
　バタバタして移動がめんどくさいが、小屋を見た瞬間に落ち着いた。
　なんだろう、絶望でもしたのかな？
　気を付けて鳥を入れて、扉にロープを巻いて出れなくする。
　最初はあたりを見渡したり、走ったりしたのだがすぐに落ち着いて、しかも寝始めた。
　こいつ……大物になる……
　名前は”ボス”にした。

　急な来客でびっくりして簡素な作りになったのだが、屋根がないので濡れてしまう。
　なので濡れないように檻を覆うように支柱を4つ立て、屋根だけ作った。
　俺のシェルターより立派なような……
　まぁ、ボスだからいいや。
　一応、拠点ないなので柵はあるのだが襲われたら嫌なのでさらに柵を立てた。
　ただし、万が一脱走した際にツタに絡まって死んだりしたら困るのでツタはないようにした。
　飛ばない限り脱走しないだろう。飛ばないよね？
　あとはボスの寝床だが地面じゃ可哀そうなので枯れ葉をまとめて置いてみた。
　満足げな顔をしている。器用にくちばしで寝床を作ってまた寝始めた。めっちゃ可愛い。
　が、ここで一つ問題が発生。
　水はいいとして、ご飯はどうする？
　小学生の頃、雑草をニワトリに与えていた友達がいたが大丈夫だろうか？
　とりあえず、その辺の雑草を置いてみる。
　すごく不満げな顔をしている。
　試しに青色の草をあげてみた。
　お、食べたぞ。ただ、いまいちお気に召さなかったようだ。
　次にギザギザの草を与えれる。これも食べた。青色の草をよりかはいい顔しているな。
　とりあえず、ギザギザの草を与えておこう。畑で育てておこう。
　そうして予期せぬ仲間が増えたのであった。



　翌日。
　
　コケコッコー！！

　いや、やっぱニワトリじゃん。
　そう思いながら起床。
　ボスに水と草を与えながらお茶を飲む。
　なんか幸せそうだな、こいつ。
　なんか脱走とかしなさそうな気がする。でも一応警戒して当分はこの檻の中で我慢してもらおう。
　ちなみに卵はなかった。でもオスだったとしてもこいつは食べない。そう決めた。
　罠を確認したが、今回もイノシシは捕まらなかった。
　まぁいいや。ボスがいるし。
　今日はボスのためにギザギザの草を育てるため畑を大きくしておく。
　育つかはわからないけど、無くなったら困る。
　
　畑仕事も終わり、ボスの元に戻る。
　
　「なぁお前、ニワトリだろ？」
　「今日もイノシシ捕まらなかったわ、いつになったら捕まえられるかな？」
　「小学生の頃、お前を育てている友達がいてーーーー」

　今まで一人だったがおしゃべり相手がいてつい色々と喋っていた。
　相手はニワトリだが。