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第一章 スターターダンジョン編
第11話 また?
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3匹が中間層上位モンスターハウスに異動して数年。
リーダーとスイリンは怠けていた。
このモンスターハウスの魔物であるストーンゴーレムはとても賢い。
前の時は毎日なんやかんや問題を起こす奴らばっかであったがストーンゴーレムは全くそういったことがない。
そして、即死することがほぼないので補充することもない。
事務作業もほぼやることが無いため、毎日暇なのだ。
リーダー専用の部屋、執務室でぐーたらしている2匹。
「だから異動は嫌だったんだよ~~」
「暇が嫌いなのは昔からそうだったわねぇ」
「もうモンスターハウス行っちゃおうかなぁ~~」
「また言って。聞かれたらあの子に怒られるわよ?」
「いないから大丈夫でしょ~~」
バタン!!
執務室の扉が勢いよく開いた。
「ちょっと、リーダーさん!!今、モンスターハウスに行こうとしたでしょ!!」
「ミ、ミラ!?聞こえてたのか!?」
「いいえ、どうせまた言ってると思って聞いただけ」
「くそ、また騙された……」
「てことは、また行こうとしたのね……?」
「は、はい。ごめんなさい……」
数年経ったミラはとても大きくなった。
出会った当初はゴブリンより小さかったが、いまだと人間でいう成人ぐらいの大きさになっていた。
ちなみにこの世界の成人は16歳である。
ミラはスイリンと同じ副リーダーになっていた。
普段は本を読んでいるが、文字の読み書きや計算が出来るため書類仕事は全部している。
だから、リーダーは暇なのだが。
「な、なぁ、ミラ。たまにはいいだろ?体が訛っちまうからさぁ」
「だーかーら!!毎回言ってるじゃん!!ゴブリンが中間層上位にいるのはおかしいんだって!!!!」
「ぐ、じゃあスイリンがいいのはなんでなんだ!?」
「スイリンはスライムだからお掃除スライムと間違えられるからいいの」
「なんか納得いかないわねぇ……」
と言った会話がほぼ毎日のように交わされる。
ただ3匹とも毎日楽しそうに暮らしている。
暇だけど。
数ヶ月後。
いつものように3人で話しているとコンコンとノックが。
慌ててミラは魔法を唱える。
『服装変化』
いつもは黒いスーツのような服を着ているが、お客様が来る時は黒いメイド服を着ているようにしている。
どこかの本の影響らしい。
「こんにちは、ダンジョンマスター様」
「おう、ミラ。相変わらず可愛いな」
「有り難きお言葉」
「まぁそうかしこまんなって、ほら新しい本だぞ」
「あ、ありがとうございます!!」
ミラは目をキラキラしながら本を受け取る。
ダンジョンマスターであるミノバルドはたまに遊びに来る。
ミラにとってはお客様であり、本をくれる唯一の魔物であるため頭が上がらないのである。
「まったく、相変わらず餌付けみたいなことしてんな」
「まぁいいじゃねーか、孫ができたもんだ。そんでだな、今回はただ遊びに来たわけじゃないんだ」
「ほう、聞こうじゃないか」
久しぶりに暇じゃなくなる、そう思ったリーダーは前のめりになりながら話を聞く。
「おう、やけに熱心だな。でも、今から言うのはお前にとって嫌な事だぞ?」
「あぁ、そういうのはいい。暇だから仕事さえありゃ楽しめる」
「それは異動でもか?」
「急に頭痛くなってきた」
頭を抱え始めたリーダー。
「でも、そんな早く異動だなんておかしくないかしら?まだ数年しか経ってないわよ?」
「そうだぞ、まだ4、5年ぐらいしか経ってない」
「本当はこんな短期間で異動はありえないんだが、勿体なくてな」
チラッとミラを見るミノバルド。
魔物にとって数年は数ヶ月の感覚である。
数ヶ月しか経っていないのに異動となると結構異例だったりする。
「てことで、異動は決定。明後日までに準備しとけ」
「いや、早すぎだろ!?つうかどこに異動なんだ?」
「前の職場に戻るとかだと嬉しいわぁ」
リーダーはとても身構えている。スイリンはのんびりぐったりどこでもいいやって感じである。
「あぁ、言い忘れていたな」
そういって扉を出ようとした時に
「場所は最下層だ」
「は?」
「え?」
「????」
そう言ってミノバルドは出ていった。
リーダーとスイリンは怠けていた。
このモンスターハウスの魔物であるストーンゴーレムはとても賢い。
前の時は毎日なんやかんや問題を起こす奴らばっかであったがストーンゴーレムは全くそういったことがない。
そして、即死することがほぼないので補充することもない。
事務作業もほぼやることが無いため、毎日暇なのだ。
リーダー専用の部屋、執務室でぐーたらしている2匹。
「だから異動は嫌だったんだよ~~」
「暇が嫌いなのは昔からそうだったわねぇ」
「もうモンスターハウス行っちゃおうかなぁ~~」
「また言って。聞かれたらあの子に怒られるわよ?」
「いないから大丈夫でしょ~~」
バタン!!
執務室の扉が勢いよく開いた。
「ちょっと、リーダーさん!!今、モンスターハウスに行こうとしたでしょ!!」
「ミ、ミラ!?聞こえてたのか!?」
「いいえ、どうせまた言ってると思って聞いただけ」
「くそ、また騙された……」
「てことは、また行こうとしたのね……?」
「は、はい。ごめんなさい……」
数年経ったミラはとても大きくなった。
出会った当初はゴブリンより小さかったが、いまだと人間でいう成人ぐらいの大きさになっていた。
ちなみにこの世界の成人は16歳である。
ミラはスイリンと同じ副リーダーになっていた。
普段は本を読んでいるが、文字の読み書きや計算が出来るため書類仕事は全部している。
だから、リーダーは暇なのだが。
「な、なぁ、ミラ。たまにはいいだろ?体が訛っちまうからさぁ」
「だーかーら!!毎回言ってるじゃん!!ゴブリンが中間層上位にいるのはおかしいんだって!!!!」
「ぐ、じゃあスイリンがいいのはなんでなんだ!?」
「スイリンはスライムだからお掃除スライムと間違えられるからいいの」
「なんか納得いかないわねぇ……」
と言った会話がほぼ毎日のように交わされる。
ただ3匹とも毎日楽しそうに暮らしている。
暇だけど。
数ヶ月後。
いつものように3人で話しているとコンコンとノックが。
慌ててミラは魔法を唱える。
『服装変化』
いつもは黒いスーツのような服を着ているが、お客様が来る時は黒いメイド服を着ているようにしている。
どこかの本の影響らしい。
「こんにちは、ダンジョンマスター様」
「おう、ミラ。相変わらず可愛いな」
「有り難きお言葉」
「まぁそうかしこまんなって、ほら新しい本だぞ」
「あ、ありがとうございます!!」
ミラは目をキラキラしながら本を受け取る。
ダンジョンマスターであるミノバルドはたまに遊びに来る。
ミラにとってはお客様であり、本をくれる唯一の魔物であるため頭が上がらないのである。
「まったく、相変わらず餌付けみたいなことしてんな」
「まぁいいじゃねーか、孫ができたもんだ。そんでだな、今回はただ遊びに来たわけじゃないんだ」
「ほう、聞こうじゃないか」
久しぶりに暇じゃなくなる、そう思ったリーダーは前のめりになりながら話を聞く。
「おう、やけに熱心だな。でも、今から言うのはお前にとって嫌な事だぞ?」
「あぁ、そういうのはいい。暇だから仕事さえありゃ楽しめる」
「それは異動でもか?」
「急に頭痛くなってきた」
頭を抱え始めたリーダー。
「でも、そんな早く異動だなんておかしくないかしら?まだ数年しか経ってないわよ?」
「そうだぞ、まだ4、5年ぐらいしか経ってない」
「本当はこんな短期間で異動はありえないんだが、勿体なくてな」
チラッとミラを見るミノバルド。
魔物にとって数年は数ヶ月の感覚である。
数ヶ月しか経っていないのに異動となると結構異例だったりする。
「てことで、異動は決定。明後日までに準備しとけ」
「いや、早すぎだろ!?つうかどこに異動なんだ?」
「前の職場に戻るとかだと嬉しいわぁ」
リーダーはとても身構えている。スイリンはのんびりぐったりどこでもいいやって感じである。
「あぁ、言い忘れていたな」
そういって扉を出ようとした時に
「場所は最下層だ」
「は?」
「え?」
「????」
そう言ってミノバルドは出ていった。
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