9 / 23
第一章 スターターダンジョン編
第8話 腐れ縁の話し合い
しおりを挟む
今、リーダーの前にいるのはこのスターターダンジョンのダンジョンマスターである。
種族はミノタロス王、ミノタロス種族の王様である。
「ダンジョンマスター様、お久しぶりでございます」
「おいおい、ゴブターク。今は2人っきりだ。固くならずに話そう」
「そ、そうか?じゃあ遠慮なく。久しぶりだな、ミノバルド」
ミノバルドはリーダーとは腐れ縁であった。
このダンジョンができる前に同じ都市で生まれ育った。
種族が違くてもなかなか話が合い、仕事も遊びもほぼ一緒にやってきた仲である。
「で、報告書を見たんだがありゃ本当か?」
「あぁ、目の前ではっきり見た」
「ゴブタークとは長い付き合いだからな嘘をついてるとは思わんがどうしても信じられなくてな」
「そ、そうだよな。俺も未だに信じられん……」
そう言ってお互い黙って考え込んだ。
何を考えているかはお互いに分かっている。
「やはり、魔王城に連絡した方がいいな」
「ミノバルドもそう思ったか」
「あぁ、でも魔王城も今忙しそうだから対応が数年後とかになるかもしれないな」
「そうか……今、魔王様楽しそうだったもんな」
「ちげぇーねぇ」
このスターターダンジョンが出来てからというもの、色んな冒険者が魔王に戦いを挑んでいる。
戦いを求めていた魔王にとってはとてもよろこばしいことだ。
それを考え、お互い笑い合う。
「んで、ゴブターク。話を戻すぞ」
「あぁ、そうだったな」
「悪魔の子供はちと最弱層には相応しくない。だから移動が決定した」
「お、まじか。じゃあ早めに連絡しておかないとな。これで俺の仕事も落ち着くってもんだ」
「あぁ、お前とスイリンも一緒にな」
「はい?」
「いや、聞いた話だとお前らが親子に見えると周りが言っててな。世話するには親も一緒がいいと思うが?」
「な、なんだって……」
再び頭を抱えることになったリーダー。
「んで、勤務先は?」
「中間層、上位モンスターハウスだ。スイリン、ゴブタークの役職は今のまま。子供はその秘書だ」
「待て待て、前のリーダと副リーダーは?それと他の魔物も納得しないだろ?ゴブリンとスライムの下って……」
「あぁ、まずは前のリーダーたちだな。あいつらは魔王城勤務だ。頭いいから引き抜きってやつ」
「ふっ、やられたな。ミノバルド」
「ほんとにな、そんでその配下だったやつなんだが、俺らの昔同僚が多い。知らんやつらはそいつらに言い聞かせてるから大丈夫なはずだ。下位モンスターハウスのやつらは俺から言っておく」
「同僚か、懐かしいな」
「だろ?まぁ心配すんな。本当はもっと上の方に行かせたいんだが」
「前も言ったろ?それだけはやめてくれ。今回もお前が直接来なかったら辞退してたのに」
「だから来たんじゃねーか、がっははは」
頭を抱えいたリーダーはいつの間にか腰に手を当て、ミノバルドと笑いあってた。
結構めんどくさい案件だが、ミノバルドとの仕事は嫌じゃない。昔っから頭が悪いように見えるが、ちゃんと周りをみて判断するとても良い奴なのだ。
そう考えてリーダーは安心していたが……
「そういや、あの子の名前決めとけよ?親なんだからな!」
その一言でリーダーは再び頭を抱えることになった。
種族はミノタロス王、ミノタロス種族の王様である。
「ダンジョンマスター様、お久しぶりでございます」
「おいおい、ゴブターク。今は2人っきりだ。固くならずに話そう」
「そ、そうか?じゃあ遠慮なく。久しぶりだな、ミノバルド」
ミノバルドはリーダーとは腐れ縁であった。
このダンジョンができる前に同じ都市で生まれ育った。
種族が違くてもなかなか話が合い、仕事も遊びもほぼ一緒にやってきた仲である。
「で、報告書を見たんだがありゃ本当か?」
「あぁ、目の前ではっきり見た」
「ゴブタークとは長い付き合いだからな嘘をついてるとは思わんがどうしても信じられなくてな」
「そ、そうだよな。俺も未だに信じられん……」
そう言ってお互い黙って考え込んだ。
何を考えているかはお互いに分かっている。
「やはり、魔王城に連絡した方がいいな」
「ミノバルドもそう思ったか」
「あぁ、でも魔王城も今忙しそうだから対応が数年後とかになるかもしれないな」
「そうか……今、魔王様楽しそうだったもんな」
「ちげぇーねぇ」
このスターターダンジョンが出来てからというもの、色んな冒険者が魔王に戦いを挑んでいる。
戦いを求めていた魔王にとってはとてもよろこばしいことだ。
それを考え、お互い笑い合う。
「んで、ゴブターク。話を戻すぞ」
「あぁ、そうだったな」
「悪魔の子供はちと最弱層には相応しくない。だから移動が決定した」
「お、まじか。じゃあ早めに連絡しておかないとな。これで俺の仕事も落ち着くってもんだ」
「あぁ、お前とスイリンも一緒にな」
「はい?」
「いや、聞いた話だとお前らが親子に見えると周りが言っててな。世話するには親も一緒がいいと思うが?」
「な、なんだって……」
再び頭を抱えることになったリーダー。
「んで、勤務先は?」
「中間層、上位モンスターハウスだ。スイリン、ゴブタークの役職は今のまま。子供はその秘書だ」
「待て待て、前のリーダと副リーダーは?それと他の魔物も納得しないだろ?ゴブリンとスライムの下って……」
「あぁ、まずは前のリーダーたちだな。あいつらは魔王城勤務だ。頭いいから引き抜きってやつ」
「ふっ、やられたな。ミノバルド」
「ほんとにな、そんでその配下だったやつなんだが、俺らの昔同僚が多い。知らんやつらはそいつらに言い聞かせてるから大丈夫なはずだ。下位モンスターハウスのやつらは俺から言っておく」
「同僚か、懐かしいな」
「だろ?まぁ心配すんな。本当はもっと上の方に行かせたいんだが」
「前も言ったろ?それだけはやめてくれ。今回もお前が直接来なかったら辞退してたのに」
「だから来たんじゃねーか、がっははは」
頭を抱えいたリーダーはいつの間にか腰に手を当て、ミノバルドと笑いあってた。
結構めんどくさい案件だが、ミノバルドとの仕事は嫌じゃない。昔っから頭が悪いように見えるが、ちゃんと周りをみて判断するとても良い奴なのだ。
そう考えてリーダーは安心していたが……
「そういや、あの子の名前決めとけよ?親なんだからな!」
その一言でリーダーは再び頭を抱えることになった。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
キャンピングカーで往く異世界徒然紀行
タジリユウ
ファンタジー
《第4回次世代ファンタジーカップ 面白スキル賞》
【書籍化!】
コツコツとお金を貯めて念願のキャンピングカーを手に入れた主人公。
早速キャンピングカーで初めてのキャンプをしたのだが、次の日目が覚めるとそこは異世界であった。
そしていつの間にかキャンピングカーにはナビゲーション機能、自動修復機能、燃料補給機能など様々な機能を拡張できるようになっていた。
道中で出会ったもふもふの魔物やちょっと残念なエルフを仲間に加えて、キャンピングカーで異世界をのんびりと旅したいのだが…
※旧題)チートなキャンピングカーで旅する異世界徒然紀行〜もふもふと愉快な仲間を添えて〜
※カクヨム様でも投稿をしております
チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!
芽狐
ファンタジー
⭐️チート薬学3巻発売中⭐️
ブラック企業勤めの37歳の高橋 渉(わたる)は、過労で倒れ会社をクビになる。
嫌なことを忘れようと、異世界のアニメを見ていて、ふと「異世界に行きたい」と口に出したことが、始まりで女神によって死にかけている体に転生させられる!
転生先は、スキルないも魔法も使えないアレクを家族は他人のように扱い、使用人すらも見下した態度で接する伯爵家だった。
新しく生まれ変わったアレク(渉)は、この最悪な現状をどう打破して幸せになっていくのか??
更新予定:なるべく毎日19時にアップします! アップされなければ、多忙とお考え下さい!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる