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騒動の収束

再会 ※ロジー視点

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 実家を出た翌日。私はグレシア辺境伯領に到着していました。辺境伯様のお屋敷がある場所にはまだ辿り着いてはいませんが、今日中には到着する見込みです。

 ここまで来ておいて今更ですが、お嬢様に会ったとして、どのような反応をすればいいのでしょう。

 あの後に聞いた話では、お嬢様はこちら、アレンシア王国へ亡命という形で移動してきているようです。その過程でグレシア辺境伯様のところで保護されたようですね。

 しかし、私が解雇された後に亡命とは、私が居なくなった後に何があったのでしょうか。耐え性のお嬢様がすぐさま亡命を選ぶのは相当状況が悪かったとみえます。

 まさか、それもオグラン侯爵様の策略の内なのでしょうか。私の時も手を回していましたし可能性は高そうです。

 グレシア辺境伯様のお屋敷は周囲の土地よりも一番高い場所にあります。当然乗合場所では近くまで行きませんし、むしろ止まる場所が固定されているためやや離れた位置で降りることになります。

「なだらかとはいえ、この年で長く坂道を歩くのはなかなかに堪えますね」

 馬車で移動出来れば気にならない程度の坂ですが、人が歩くとなれば平地を歩くよりも当然疲れます。ましてや普段あまりこのような環境に居ない山場を越えた女となれば当然のことでしょう。

「荷物が少なかったのは幸いでしたね」

 疲れを誤魔化すために一人言を呟く。さすがに無言で歩き続けるのはつらいです。


 乗合馬車を降りて1時間程歩いたところでようやくグレシア辺境伯様の屋敷の前に着きました。
 屋敷の前とは言いましたが、正確には屋敷が立っている敷地の前ですね。そこの門の前に立つ騎士に話しかけます。

「すいません。本日、グレシア辺境伯様と面会を予定している者ですが、中へ入れては貰えませんか? 許可証はこちらになります」

 許可証を騎士に見せている間、近くから伝書鳥が屋敷の方へ飛んでいくのが見えました。おそらく私が来たことを屋敷の中に居る使用人へ伝えるための物でしょう。

 そして許可証が本物であることがわかると、門の中に入ることが出来ました。

 さて、これで後はグレシア辺境伯様に会ってレミリアお嬢様との面会の許可を得なければなりませんね。
 
「ようこそ。中にお入りください」

 屋敷の前に到着すると、屋敷の前に立っていた執事の方が屋敷のドアを開け中へ誘導してくださいました。そして屋敷の中に入るとすぐ視界に飛び込んで来た人物は――

「……ロジー? どうしてここに?」

 薄らと驚いた表情をしているレミリアお嬢様でした。

 まさかレミリア様が出迎えに出て来るとは。想定していませんでした。グレシア辺境伯様もなかなかの人物の様です。

 ですが、レミリアお嬢様が驚いている表情を見るのはいつ以来でしょうね。少なくとも5年は見ていなかった気もします。

「お久ぶりですね。レミリアお嬢様。お元気でしたか?」

 そう言うとレミリアお嬢様は表情を変え、安堵したような顔つきになりました。
 何故でしょう。その表情を見ていると、とても嬉しい気持ちになりますね。
 
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