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3匹目
しおりを挟む新緑のダンジョンを初めて攻略してから数日。
イケシルバーから教えて貰った情報に差異があったことを告げると、謝罪と同時に検証への誘いが来た。検証の内容的にはほとんどメリットはなかったんだけど、手伝ってくれたら報酬も渡すといっていたので報酬につられて検証へ参加した。
そして、検証の結果、新緑のダンジョンの2層目のゲートキーパーと3層目のボスは2パターン存在する事がわかった。
最初にイケシルバーに教えて貰ったボスであるヒュージプレンテが7割くらい、私が戦ったビッグスパイダーが3割くらいの確率で出て来る結果になった。検証した回数が少ないので、もしかしたら最終的に2:1くらいに落ち着くかもしれないけど現状はこれくらいの確率だ。
2層目のゲートキーパーは、3層目のボスがどちらかによってフォレストモスと一緒に出るモンスターが変わる。奇襲を仕掛けて来るのはスパイダーのみで、もう一種のフラプレンテは最初からフォレストモスと一緒に出現している。
どうやら私は面倒な方を先に引いてしまったらしい。まあ、そのお陰で色々得られたからよかったとは思うけどね。
それとマップを全て埋めたことによる報酬も出るボスによって変わるようで、ビッグスパイダーの時は『シルバースパイダーシルク』で、ヒュージプレンテの時は『苔むした堅い枝』になっていた。
[(アイテム・素材)苔むした堅い枝 レア度:4 Fs:800]
苔の生えた堅い枝。本来ならここまで苔が生えていれば、枝は水分を含み腐りかけていても可笑しくはないのだがこの枝は、未だに折れて落ちる前の強度を保っている。硬いためあまりしなる事はないが、苔が生えているため火にやや強くなっている。生えている苔の種類はわかっていない。
育成傾向:防御・植物(強化)
育成傾向からして、スパイダーシルクの植物版といったところかな。ただ、使い道が少ないからなのかFsはやや低めって感じだけど。
この検証でわかったのはこれくらい。
最後のボスがフォレストモス5体だったという報告もあったらしいけど、検証する際に効率を高めるために5パーティーに分けたとはいえ、検証で新緑のダンジョンを30周しても出てこなかったので、これに関してはガセの可能性がやや優勢といったところで落ち着いている。
シュラの魔石取り込みについては、イケシルバーたちに似たような事例がないかを聞いてみたんだけど、現状会話できるタイプのモンスターをテイムしているプレイヤーはいないらしいので、よくわからないといった結果になってしまった。
特殊な感じがするので秘匿しているプレイヤーもいる可能性があるけれど、サービスを開始して2週間も経っていない中で、これほど特殊なモンスターをテイムしているのは私だけだろう、とも言われた。
まあ確かに、トップ層ではないけど、ログイン制限ギリギリまで毎日プレイしているからねぇ。
率先して先には進んでいないけど、モンスター倒して、ダンジョン行って素材を集めている分、他のプレイヤーに比べてモンスターに関しては詳しい方だと思うし。
それで検証が終わってイケシルバーたちと別れてから、私はさらに素材を集めるために新緑のダンジョンを数日掛けて周回して、素材を大量に手に入れ、それを使ってぷらてあのレベルを上げた。
結果、まだシュラのレベルには追いついていないけど普通に連れ出しても問題ないくらいまでは育った。
『NAME:ぷらてあ 種族:ヒューマプレンテ LV:27 属性:樹木
HP:330 / 330 MP:288 / 288
STR:87(15) INT:146 総合攻撃力:116
VIT:224(8) MND:231(87) 総合防御力:227
AGI:108 DEX:110
スキル:蔓・毒・回避LV2・拘束LV5・ドレインLV5・惑い香LV2 』
レベルは27まで上がり、スキルレベルも少し成長し、さらに新しく惑い香というスキルを覚えた。
惑い香に関しては、苔むした堅い枝を使った効果だと思う。育成傾向の強化が作用して、新しくスキルを覚えたとかそんな感じだと思う。
惑い香の効果はまだ使っていないので詳しくはわからないけど、文字からして混乱系の状態異常を相手に与えるスキルなんだと思う。
ステータスがかなり防御寄りだけど、これは育成スキルで使った素材である苔玉の木の芽の育成傾向が精神だったからだね。少なくとも今までぷらてあに使った数は1000を超えているので当然の結果ではあるかな。まあ、それがなくてもぷらてあは結構防御よりではあるんだけども。
STRが少し上がっているのはゴブリンの角を使っているからで、VITは苔むした堅い枝によるもの。
まあ、からめ手タイプであるぷらてあに、合っているステータスだと思うから問題は無いはず。と言うか、このステとスキル構成だと一度拘束されたら勝ち目ないんじゃない?
迷い香の効果によるけど、拘束して混乱させて毒状態にしたうえで、ドレインってやられた側からしたら最悪だよね。
それと、3体目のモンスターもテイムした。
まあ、シルバースパイダーシルクを手に入れたんだから、これを使わない手はないよね、という事で、テイムしたのはスモールスパイダー。
シュラやぷらてあとは違ってレア個体という訳ではないけど、他のスモールスパイダーよりもステータスの高い個体をテイムした。
『NAME:朱鞠 種族:スモールスパイダー LV:1 属性:毒
HP:24 / 24 MP:20 / 20
STR:10 INT:6 総合攻撃力:8
VIT:4 MND:8 総合防御力:6
AGI:8 DEX:4
スキル:噛みつき・糸 』
強いと言っても誤差の範囲内ではあるんだけど、ステータスを見ればわかるとおり名前は朱鞠にした。
名前の理由は、体の模様が赤白黒の3色で出来た糸玉のようになっていたからで、他に深い意図はない。シュラもぷらてあもパッと思いついた名前だし。
そして、ぷらてあと同時に育成スキルを使ってレベルを上げた。その結果はこれ。
『NAME:朱鞠 種族:ヒュージスパイダー LV:23 属性:毒
HP:296 / 296 MP:198 / 198
STR:210(10) INT:124 総合攻撃力:167
VIT:96 MND:96 総合防御力:96
AGI:252(68) DEX:122
スキル:噛みつき・糸・毒牙・拘束LV4・麻痺牙・粘着糸LV3 』
ダンジョンで手に入れた素材と取引掲示板で買い漁った結果、スモールスパイダーの後、スパイダーを経由してヒュージスパイダーに進化した。
育成スキルでシルバースパイダーシルクを使ったんだけど、何処が強化されたのかがわからないんだよね。ぷらてあみたいに使った後にスキルを覚えれば、強化されたな、ってわかるんだけど使うタイミングを間違えたのかな?
スキルの数がぷらてあと同じだから、たぶん強化されているんだろうけど、どれが強化によって生えてきたスキルなのか全然わからない。
いや、別にどれだろうと変わらないんだけどね。とりあえず増えている事には違いないんだから。
朱鞠の種族であるヒュージスパイダーの見た目は大きい蜘蛛だ。若干デフォルメされているから結構可愛くはなっているけど、蜘蛛は蜘蛛である。
一応、進化先にビッグスパイダーも出ていたんだけど、ボスとして戦った相手だから進化先として選びたくなかったし、ボスとして戦った相手を仲間にするっていうのはちょっと抵抗あったんだよね。シュラに嚙みついたからっていうイメージがあるのは否定しないけど。
おそらくビッグスパイダーが純粋進化先で、ヒュージスパイダーが条件付きの進化先だと思う。ヒュージスパイダーの方がビッグスパイダーよりも大きいから多分だけど。
それとイケシルバーによると、他のテイマーたちのテイムモンスターのレベル上げは魔石をメインで使っているらしい。だからなのかはわからないけど、進化先に出るモンスターの種類は1種類が基本とのこと。
何で魔石を使うのかというと、どうやら育成スキルで素材を経験値に変える場合、素材よりも魔石の方が圧倒的に経験値を得られるんだって。あまり手に入れる手段は少ないけど、現状使い道もないから取引掲示板で捨て値レベルで取引されているし、結構お手軽レベリングの素材として認識されているらしい。
当然、魔石を使えば素材から得られる補正値は手に入らない。代わりに、速攻でレベルが上げられるので、自身の戦闘能力が低いテイマーからしてみれば直ぐに育って強くなってくれる、使い勝手のいい駒が簡単に手に入るという事でもあるんだよね。
これはテイムモンスを使い捨ての駒として考えるなら、まあありだとは思う。うん。私はあまりそういう考え方は好きじゃないけど。
でも、シュラはもうスライムジェル1000個以上使ってもレベル上がらないんだよねぇ。スライムジェル以外のスライム系の素材は何処で手に入るのだろう。できれば補正のかからない魔石でのレベル上げはしたくないんだよねぇ。
いやまあ、スライム系の素材にこだわる必要はないのだけどさ。
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