34 / 59
第34話 隠れ里を抜けて 4
しおりを挟む
あずきが幹の周りを高速で飛びながら敵の動きを観察していると、見る見るうちに、迫る触手の至るところに花が咲き始めた。
あっという間に木全体に、白い花が満開に咲き誇る。
――綺麗……。
あずきは思わずその真っ白な花に見惚れた。
ところが。
あずきに向かって花から次々に、何かの液体が飛んだ。
じゅっ。
液体が落ちた地面が白く泡立つ。
おはぎの顔からサっと血の気が引く。
「溶解液だ! 逃げて!! ボクらが浸かってたやつより遥かに強力だよ! 絶対に浴びちゃダメだ!」
おはぎの声が悲鳴を帯びる。
溶解液を吐く花がたくさん付いて、より凶悪になった触手が、あずきを追ってきた。
それに対し、あずきは高速飛行を維持しながら振り返って杖を後ろに向けた。
「アグニ ステラ(火の星)!」
杖から出た火球が音を立てて幾つも尾を引いて飛ぶと、あずきを追う触手に次々と当たり爆発する。
だが、触手は数が多い。
一本や二本焼かれた程度では、大勢に影響は無いようだ。
「あずきちゃん! 前からも来るよ!」
おはぎが悲鳴を上げる。
触手が束になって、前方から押し寄せる。
あずきは杖を前に出し、素早く魔法陣を描いた。
体内の魔法核から噴出した魔法の炎が一瞬で杖の先に集約する。
「フランマ テンペスタス(炎の嵐)!」
魔法陣から勢いよく飛び出した炎の奔流が、巨大な渦となって前から向かってきた触手の群れを一瞬で消し炭に変えた。
あずきの前方、遥か先まで、直径一メートル程度の空白地帯が生まれる。
あずきは箒の上で身を屈めると瞬間的に箒のスピードを上げ、触手の無くなった空白地帯を一気にくぐり抜けた。
飛びながら、横目で食人植物の本体を見る。
本体近くの触手がダメージを物ともせず、うねうね元気に動いているのが見える。
触手が何本あるのか分からないが、この程度では戦意を削ぐことは出来ないようだ。
「どうする? このままじゃ、ジリ貧だよ?」
「よし! 精霊の力を借りよう!」
あずきは一瞬で精霊との対話モードに入った。
暗闇の中でふよふよ火の塊が浮いている。
――お願い、わたしに力を貸して。
精霊がゆっくり近づいてきて、あずきが差し出した手に乗った。
あずきは目を開いた。
対話の時間は一瞬に過ぎなかったが、その一瞬で身体中が火の魔法力で満たされている。
あずきは箒を急停止させ、その場にホバリングすると、右手を振りかぶった。
見る見るうちにあずきの右側に、炎で出来た巨大な手のひらが出現した。
長さ二メートルもの指を持つ巨大な手だ。
「アグニデウス マヌス(火神の手)!」
あずきは食人植物に向かって、真っ直ぐ右手を伸ばした。
あずきの動きに合わせて巨大な炎の手のひらが一直線に食人植物のところまで伸びていき、その幹に手を押し付けた。
途端に食人植物が発火し、盛大に燃え始める。
「よし、今のうちに逃げよう!」
あずきは燃え盛り、苦しそうにツタを振るう食人植物を置き去りにし、飛んだ。
「ちょっとちょっと、いいの? 下手すると山火事になっちゃうよ?」
「いいの! 今はあんたの治療が先! 溶解液を落とさないと、あんたハゲちゃうわよ!」
「えぇ? そりゃ困る。水場のありそうなところへ急げー!!」
◇◆◇◆◇
三十分ほど飛んで、山中に滝と水場を見つけたあずきは、スピードを緩めることなく箒ごと水に突っ込んだ。
あずきは勿論、おはぎも一緒だ。
「がばばばばばばば!」
慌てておはぎが水面に出てくる。
頭からびしょ濡れになったあずきが、必死に泳ごうとするおはぎの首の肉をつまんで持ち上げると、歩いて岸から上がった。
「カリドゥマ エレム(温かい風)!」
あずきが歩きながら温風を身に纏うと、見る見るうちに髪や服が乾いていく。
濡れネズミだったおはぎの身体も、あっという間に乾いていく。
あずきは川岸の岩場に腰かけると、袖から裾から、着ている服を丹念にチェックし始めた。
そんなあずきに、おはぎが声を掛ける。
「食人植物の溶解液のせいで所々傷んじゃってるね、やっぱり」
「ショックー。貰ったばっかりの制服なのになぁ……」
あずきがため息をつく。
おはぎが尚も話しかける。
「ねぇ。あれ、ホントに良かったの?」
「火事のこと? あぁ、あれはすぐ消えるから大丈夫よ」
「どうやって? あの辺り、水場なんて無かったよ?」
あずきは一瞬黙り込んでから、口を開いた。
「ねぇおはぎ。気付いてた? ……わたしたち、観察されてるよ」
「は?」
おはぎがキョトンとした顔をあずきに向けた。
次の瞬間、おはぎが慌ててキョロキョロ辺りを確認し始める。
「観察? 誰に?」
「月の女王。もしくはその手下の人とか」
「何で?」
「ほら、奈々お姉ちゃんが『初心者魔法使いは貴重』って言ってたでしょ? やっぱり現代において、若い魔法使いは少ないのよ。そんな初心者を、いくら試練だからって命の危険に晒すようなことすると思う? 死んじゃったら元も子も無いじゃない?」
おはぎが顔をしかめて考える。
「この試練は、初心者魔法使いに対して決して過度な危険が及ばぬよう、誰かがどこかからコントロールしている。そう言いたいんだね? あずきちゃんは」
「そう。だって試練の旅が昔から連綿と続いてきているイベントなら、それを管理する団体なりが絶対いるはずでしょ? その動向を観察して、命の危機があるときにはこっそり介入する。死なれちゃ困るもん。ここまでの旅でも介入としか思えないようなことがあったから間違いないわ」
「確かにそれはあるかもしれないけど……。あぁ、山火事なんか、観察者が許さないか。なるほど、それなら納得だ」
あずきは一つ、伸びをした。
「じゃ、そろそろ行こう。充分に休憩出来たし、こんなところで野宿なんてごめんだわ」
「そだね。了解、行こう!」
あずきが箒に跨ると、おはぎもひょいっと柄に飛び乗った。
「フォルティス ベントゥス(強風)!」
ルナリアタウンに向けて、あずきは再び箒で飛んだ。
あっという間に木全体に、白い花が満開に咲き誇る。
――綺麗……。
あずきは思わずその真っ白な花に見惚れた。
ところが。
あずきに向かって花から次々に、何かの液体が飛んだ。
じゅっ。
液体が落ちた地面が白く泡立つ。
おはぎの顔からサっと血の気が引く。
「溶解液だ! 逃げて!! ボクらが浸かってたやつより遥かに強力だよ! 絶対に浴びちゃダメだ!」
おはぎの声が悲鳴を帯びる。
溶解液を吐く花がたくさん付いて、より凶悪になった触手が、あずきを追ってきた。
それに対し、あずきは高速飛行を維持しながら振り返って杖を後ろに向けた。
「アグニ ステラ(火の星)!」
杖から出た火球が音を立てて幾つも尾を引いて飛ぶと、あずきを追う触手に次々と当たり爆発する。
だが、触手は数が多い。
一本や二本焼かれた程度では、大勢に影響は無いようだ。
「あずきちゃん! 前からも来るよ!」
おはぎが悲鳴を上げる。
触手が束になって、前方から押し寄せる。
あずきは杖を前に出し、素早く魔法陣を描いた。
体内の魔法核から噴出した魔法の炎が一瞬で杖の先に集約する。
「フランマ テンペスタス(炎の嵐)!」
魔法陣から勢いよく飛び出した炎の奔流が、巨大な渦となって前から向かってきた触手の群れを一瞬で消し炭に変えた。
あずきの前方、遥か先まで、直径一メートル程度の空白地帯が生まれる。
あずきは箒の上で身を屈めると瞬間的に箒のスピードを上げ、触手の無くなった空白地帯を一気にくぐり抜けた。
飛びながら、横目で食人植物の本体を見る。
本体近くの触手がダメージを物ともせず、うねうね元気に動いているのが見える。
触手が何本あるのか分からないが、この程度では戦意を削ぐことは出来ないようだ。
「どうする? このままじゃ、ジリ貧だよ?」
「よし! 精霊の力を借りよう!」
あずきは一瞬で精霊との対話モードに入った。
暗闇の中でふよふよ火の塊が浮いている。
――お願い、わたしに力を貸して。
精霊がゆっくり近づいてきて、あずきが差し出した手に乗った。
あずきは目を開いた。
対話の時間は一瞬に過ぎなかったが、その一瞬で身体中が火の魔法力で満たされている。
あずきは箒を急停止させ、その場にホバリングすると、右手を振りかぶった。
見る見るうちにあずきの右側に、炎で出来た巨大な手のひらが出現した。
長さ二メートルもの指を持つ巨大な手だ。
「アグニデウス マヌス(火神の手)!」
あずきは食人植物に向かって、真っ直ぐ右手を伸ばした。
あずきの動きに合わせて巨大な炎の手のひらが一直線に食人植物のところまで伸びていき、その幹に手を押し付けた。
途端に食人植物が発火し、盛大に燃え始める。
「よし、今のうちに逃げよう!」
あずきは燃え盛り、苦しそうにツタを振るう食人植物を置き去りにし、飛んだ。
「ちょっとちょっと、いいの? 下手すると山火事になっちゃうよ?」
「いいの! 今はあんたの治療が先! 溶解液を落とさないと、あんたハゲちゃうわよ!」
「えぇ? そりゃ困る。水場のありそうなところへ急げー!!」
◇◆◇◆◇
三十分ほど飛んで、山中に滝と水場を見つけたあずきは、スピードを緩めることなく箒ごと水に突っ込んだ。
あずきは勿論、おはぎも一緒だ。
「がばばばばばばば!」
慌てておはぎが水面に出てくる。
頭からびしょ濡れになったあずきが、必死に泳ごうとするおはぎの首の肉をつまんで持ち上げると、歩いて岸から上がった。
「カリドゥマ エレム(温かい風)!」
あずきが歩きながら温風を身に纏うと、見る見るうちに髪や服が乾いていく。
濡れネズミだったおはぎの身体も、あっという間に乾いていく。
あずきは川岸の岩場に腰かけると、袖から裾から、着ている服を丹念にチェックし始めた。
そんなあずきに、おはぎが声を掛ける。
「食人植物の溶解液のせいで所々傷んじゃってるね、やっぱり」
「ショックー。貰ったばっかりの制服なのになぁ……」
あずきがため息をつく。
おはぎが尚も話しかける。
「ねぇ。あれ、ホントに良かったの?」
「火事のこと? あぁ、あれはすぐ消えるから大丈夫よ」
「どうやって? あの辺り、水場なんて無かったよ?」
あずきは一瞬黙り込んでから、口を開いた。
「ねぇおはぎ。気付いてた? ……わたしたち、観察されてるよ」
「は?」
おはぎがキョトンとした顔をあずきに向けた。
次の瞬間、おはぎが慌ててキョロキョロ辺りを確認し始める。
「観察? 誰に?」
「月の女王。もしくはその手下の人とか」
「何で?」
「ほら、奈々お姉ちゃんが『初心者魔法使いは貴重』って言ってたでしょ? やっぱり現代において、若い魔法使いは少ないのよ。そんな初心者を、いくら試練だからって命の危険に晒すようなことすると思う? 死んじゃったら元も子も無いじゃない?」
おはぎが顔をしかめて考える。
「この試練は、初心者魔法使いに対して決して過度な危険が及ばぬよう、誰かがどこかからコントロールしている。そう言いたいんだね? あずきちゃんは」
「そう。だって試練の旅が昔から連綿と続いてきているイベントなら、それを管理する団体なりが絶対いるはずでしょ? その動向を観察して、命の危機があるときにはこっそり介入する。死なれちゃ困るもん。ここまでの旅でも介入としか思えないようなことがあったから間違いないわ」
「確かにそれはあるかもしれないけど……。あぁ、山火事なんか、観察者が許さないか。なるほど、それなら納得だ」
あずきは一つ、伸びをした。
「じゃ、そろそろ行こう。充分に休憩出来たし、こんなところで野宿なんてごめんだわ」
「そだね。了解、行こう!」
あずきが箒に跨ると、おはぎもひょいっと柄に飛び乗った。
「フォルティス ベントゥス(強風)!」
ルナリアタウンに向けて、あずきは再び箒で飛んだ。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
(完)私の家を乗っ取る従兄弟と従姉妹に罰を与えましょう!
青空一夏
ファンタジー
婚約者(レミントン侯爵家嫡男レオン)は何者かに襲われ亡くなった。さらに両親(ランス伯爵夫妻)を病で次々に亡くした葬式の翌日、叔母エイナ・リック前男爵未亡人(母の妹)がいきなり荷物をランス伯爵家に持ち込み、従兄弟ラモント・リック男爵(叔母の息子)と住みだした。
私はその夜、ラモントに乱暴され身ごもり娘(ララ)を産んだが・・・・・・この夫となったラモントはさらに暴走しだすのだった。
ラモントがある日、私の従姉妹マーガレット(母の3番目の妹の娘)を連れてきて、
「お前は娘しか産めなかっただろう? この伯爵家の跡継ぎをマーガレットに産ませてあげるから一緒に住むぞ!」
と、言い出した。
さらには、マーガレットの両親(モーセ準男爵夫妻)もやってきて離れに住みだした。
怒りが頂点に到達した時に私は魔法の力に目覚めた。さて、こいつらはどうやって料理しましょうか?
さらには別の事実も判明して、いよいよ怒った私は・・・・・・壮絶な復讐(コメディ路線の復讐あり)をしようとするが・・・・・・(途中で路線変更するかもしれません。あくまで予定)
※ゆるふわ設定ご都合主義の素人作品。※魔法世界ですが、使える人は希でほとんどいない。(昔はそこそこいたが、どんどん廃れていったという設定です)
※残酷な意味でR15・途中R18になるかもです。
※具体的な性描写は含まれておりません。エッチ系R15ではないです。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる