YouTuber犬『みたらし』の日常

第270話 夜になっちゃった

　オレの名前は『みたらし』。
　三歳の柴犬だ。

　――『みたらし』着いたぞ。さ、降りろー。
　ふわぁ……。ここどこ？　あぁ、お家だ。もう着いたんだ。ってうわ、真っ暗だ。パパさんママさん、お疲れさまぁぁ。
　――『みたらし』、ちょっとお散歩行こうか。短めでサっと行ってこよう。パパ、荷物の方はお願い。
　――りょうかーい。そっちよろしくー。

　オレはママさんに連れられて夜の散歩に出かけた。
　まだ眠いよ。ふぅ。

　ふと夜空を見上げると、空高く、まん丸な月が浮かんでいた。
　立ち止まってしばらく眺める。

　ほえーー、綺麗だなぁ。
　コテージの森の木越しに見えた月も綺麗だったけど、家の近くで見る月も綺麗だ。
　空気も澄んでるし、捨てたもんじゃないね、ここも。


　――おぅ、おかえり。もう荷物運び終わってるよ。

　お散歩から帰宅すると、パパさんが出迎えてくれた。

　――ありがと。お茶でも淹れるね。『みたらし』もお水どうぞ。
　おぅ、飲む飲む！　あれ？　何だこのダンボール。いつの間に届いたんだ？
　――あぁ、それか。不在配達票が入ってたから連絡したら、意外とすぐ来てな。ま、明日だ明日。今日はもういいだろ。

　ん。そうだね。結構眠いしな。

　おやすみ、パパさんママさん。
　そして、今日はもう疲れたし、寝よう。おやすみなさぁい。