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第243話 抱っこ

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 オレの名前は『みたらし』。
 三歳の柴犬だ。

 ちょ、やめろって。オレは抱っこされるのが嫌いなんだよ! パパさん!

 パパさんが執拗にオレを抱っこしようと迫って来る。

 いや、パパさんだから嫌だとか、ママさんだからいいとか、そういう問題じゃなくって、撫でられるのはいいけど抱っこされるのは嫌いなの! いい加減分かれよ!

 ウゥゥゥゥゥゥゥゥ!

 ――なんだよ、『みたらし』。小さい頃は抱っこさせてくれてたじゃないか。何でダメなんだよ。
 だ、か、ら! 抱っこはお子様! オレはもう大人だぞ? 大人なオレは、ちゃんと自分の足で歩くんだ!

 勘弁してよ、パパさん。
 そしてオレは、自分の足で歩く! なにせ三歳だからな!
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