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第114話 ママさんのお気に入り
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オレの名前は『みたらし』。
二歳の柴犬だ。
今日はママさんと散歩だ。
たまにはそういう日もある。
でも、ママさんの散歩コースは、決まって同じコースだ。
頑として譲らない。
オレと行き先が違った場合、お互いに譲らなくって膠着状態になる。
ひょっとしたらオレより頑固なんじゃないかと思ったりする。
ま、そんなわけで、ここがママさんのお気に入りの散歩コースだ。
オレは上を見た。
何かが、風にそよいでいる。
でっかい何か。
あれは牛の皮なのよ、ってママさんが教えてくれる。
牛の皮が、何十枚と干され、風になびいているわけだ。
牛皮を堪能してホクホク顔になったママさんと、オレはそこを離れた。
それのどこらへんが、ママさんのお気に入りの景色になるんだろ。
……変なの。
良かったね、ママさん。
そして今日も、牛の皮が風にそよぐ。
二歳の柴犬だ。
今日はママさんと散歩だ。
たまにはそういう日もある。
でも、ママさんの散歩コースは、決まって同じコースだ。
頑として譲らない。
オレと行き先が違った場合、お互いに譲らなくって膠着状態になる。
ひょっとしたらオレより頑固なんじゃないかと思ったりする。
ま、そんなわけで、ここがママさんのお気に入りの散歩コースだ。
オレは上を見た。
何かが、風にそよいでいる。
でっかい何か。
あれは牛の皮なのよ、ってママさんが教えてくれる。
牛の皮が、何十枚と干され、風になびいているわけだ。
牛皮を堪能してホクホク顔になったママさんと、オレはそこを離れた。
それのどこらへんが、ママさんのお気に入りの景色になるんだろ。
……変なの。
良かったね、ママさん。
そして今日も、牛の皮が風にそよぐ。
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