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第1話 ギャルっ娘パラダイス
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「そういえばあーしさ、異世界行ったことあんのよね」
「……へぇ」
ベッドに寝転がってプレイ後のまったり感を楽しんでいたオレは、お気に入りの嬢・愛梨ちゃんが部屋の片づけをしているのを横目で眺めつつ、気のない返事をした。
ここはオレの勤める女子高から三駅ほど離れた位置にある『ギャルっ娘パラダイス』という風俗店だ。
その名の通り、ここの売りはギャル(風の恰好をした成人女性)と、それっぽいプレイをできるというものだ。
なんと女子高で国語の教師をしているオレではあるが、実はギャルが大好物なのだよ、ふっふっふ。
とはいえ、当然のことながら学校でギャルと戯れるわけにはいかない。
オレだって職を失いたくはない。
ま、もっとも? オレの学校は進学校で真面目ちゃんばかりが通っているので、ギャルなんて一人もいないがな。
つまんねぇの。
そんなわけで、今日は月に一度の給料日。
オレはこうして、職業柄ギャルに接したくても接せないストレスをこっそり風俗店にくることで晴らしているというわけだ。
「あぁー! 徹っちゃん信じてないでしょ!」
「そりゃ信じろって方が無理だろ。まだしもUFO見たって方が信じられるよ」
テラテラ光る、ピンク色のサテン地の下着で上下を揃えた愛梨ちゃんが、アッシュベージュの、ロングのゆるふわヘアーを振り回しながらプンスカとオレを睨む。
うーん、セクシー!
オレ、こういういかにもギャルって感じのランジェリーが大好きなのよ。
普段ならかぶりつくところだが今回はノーサンキュー。賢者タイム中だからな。
にしてもおかしなもんだ。
月に一度のお楽しみタイム。
たっぷり楽しもうと長い時間を指定したにも関わらず、日頃の疲れが出たのかなぜか今日は早く終わってしまった。
仕方ないので、時間を持て余したオレは愛梨ちゃんの話相手をすることにする。
ま、そういう日もあるさ。
「んで? そりゃいつの話だい?」
「んーとね。あーしが現役のギャルだった頃のことだから、十二、三年前かな?」
……はいはい、分かってますよ、愛梨ちゃんが本当はアラサーだってことは。
でも、その割には全然体型に崩れがないし、その歳でまだギャルの恰好が似合うって、結構凄いことだと思うけどな。
「ついさっきまですっかり忘れていたんだけどさ。なんか不意に思いだしたの。うちの子も全然信じてくれないんだけどさ。徹っちゃん、聞いてくれる?」
うちの子……。うん、大丈夫。そんなことだろうとは思っていたし、あくまで客と嬢の関係だから。でも、何となく切ない気持ちになるのはなぜだろう。
「行ったところは、普通の外国の田舎町だったのよ。ヨーロッパの街並みっていうかさ。文明度合いは結構遅れてた。馬車は走ってたけど、汽車はまだって感じ」
「ふぅん」
「でね? 同じように向こうに行く人って結構いるみたいなのよ。それこそ半年に一度くらいの割合で」
「そーりゃ大変だ」
愛梨は下着のままベッドに来ると、うつ伏せでスマホを弄っていたオレの上に乗っかり、背中をグっと押してくれた。
「おぉ、そこ気持ちいい! ずっと痛くてさ。助かるよ」
「時間余っちゃったしね。まかせてよ。んでね? ほら、貨幣が違うから、あーしの持ってたお金は向こうで使えないじゃん? ところがさ、そこの住民が超親切で、向こうに行ってるあいだ、ただで宿とか泊まらせてくれたのよ」
「あー、そこそこ。でも、今ここにいるってことは帰ってこれたってことなんだろ? それって、どのくらいのあいだ行ってたんだ?」
愛梨が凝ってる部分に肘を当てゴリゴリと押してくれる。
うっはー、効っくぅぅぅぅ。
「一週間くらい。んで、タダで泊めてもらうのも悪いから何かするよ? って言ったら、着ている服を見せてくれって言うのよ。あぁ、もちろん向こうにもブティック的な店はあるんだけどね? んでも田舎町だったからか、あんまりお洒落な服はなかったかな。そうやってたまに迷い込む異世界人の服を再現して売ると、向こうでちょっとしたブームができたりで結構売れるらしいんだ」
「へぇ。え? 着てたの制服?」
「もち。なにせ学校帰りのことだったからさぁ。アニマル柄の下着に学校の制服にルーズソックスって感じで、もう上から下まで完全にギャルよ。だもんで、下着から制服から生地に縫製と全部調べられてね? でもあーし、あの頃は渋谷の路上で寝ることもあったし、あとは、そこの家のお子さまの遊び相手してるだけで三食付きのお宿に一週間タダで泊まれると思えば安いもんよ」
ピピピピピ。ピピピピピ。
ベッドサイドに置かれたタイマーが鳴る。
そろそろ時間だ。着替えて出ないと。
「うん、面白かったよ、愛梨ちゃん。また来月の給料日に来るから」
「ん、待ってるね、徹っちゃん。今度はしっかり溜めてきてよね?」
愛梨は、オレの身体をサワサワっと触ると、ホッペにキスをした。
おいおい、頬に真っ赤な口紅がついてしまうではないか。
「ぬはははは。じゃ、またな」
プレイ自体は案外早く終わってしまったものの、背中も揉みほぐしてもらって大満足したオレは、足腰軽く、上機嫌で駅に向かって歩いていった。
「……へぇ」
ベッドに寝転がってプレイ後のまったり感を楽しんでいたオレは、お気に入りの嬢・愛梨ちゃんが部屋の片づけをしているのを横目で眺めつつ、気のない返事をした。
ここはオレの勤める女子高から三駅ほど離れた位置にある『ギャルっ娘パラダイス』という風俗店だ。
その名の通り、ここの売りはギャル(風の恰好をした成人女性)と、それっぽいプレイをできるというものだ。
なんと女子高で国語の教師をしているオレではあるが、実はギャルが大好物なのだよ、ふっふっふ。
とはいえ、当然のことながら学校でギャルと戯れるわけにはいかない。
オレだって職を失いたくはない。
ま、もっとも? オレの学校は進学校で真面目ちゃんばかりが通っているので、ギャルなんて一人もいないがな。
つまんねぇの。
そんなわけで、今日は月に一度の給料日。
オレはこうして、職業柄ギャルに接したくても接せないストレスをこっそり風俗店にくることで晴らしているというわけだ。
「あぁー! 徹っちゃん信じてないでしょ!」
「そりゃ信じろって方が無理だろ。まだしもUFO見たって方が信じられるよ」
テラテラ光る、ピンク色のサテン地の下着で上下を揃えた愛梨ちゃんが、アッシュベージュの、ロングのゆるふわヘアーを振り回しながらプンスカとオレを睨む。
うーん、セクシー!
オレ、こういういかにもギャルって感じのランジェリーが大好きなのよ。
普段ならかぶりつくところだが今回はノーサンキュー。賢者タイム中だからな。
にしてもおかしなもんだ。
月に一度のお楽しみタイム。
たっぷり楽しもうと長い時間を指定したにも関わらず、日頃の疲れが出たのかなぜか今日は早く終わってしまった。
仕方ないので、時間を持て余したオレは愛梨ちゃんの話相手をすることにする。
ま、そういう日もあるさ。
「んで? そりゃいつの話だい?」
「んーとね。あーしが現役のギャルだった頃のことだから、十二、三年前かな?」
……はいはい、分かってますよ、愛梨ちゃんが本当はアラサーだってことは。
でも、その割には全然体型に崩れがないし、その歳でまだギャルの恰好が似合うって、結構凄いことだと思うけどな。
「ついさっきまですっかり忘れていたんだけどさ。なんか不意に思いだしたの。うちの子も全然信じてくれないんだけどさ。徹っちゃん、聞いてくれる?」
うちの子……。うん、大丈夫。そんなことだろうとは思っていたし、あくまで客と嬢の関係だから。でも、何となく切ない気持ちになるのはなぜだろう。
「行ったところは、普通の外国の田舎町だったのよ。ヨーロッパの街並みっていうかさ。文明度合いは結構遅れてた。馬車は走ってたけど、汽車はまだって感じ」
「ふぅん」
「でね? 同じように向こうに行く人って結構いるみたいなのよ。それこそ半年に一度くらいの割合で」
「そーりゃ大変だ」
愛梨は下着のままベッドに来ると、うつ伏せでスマホを弄っていたオレの上に乗っかり、背中をグっと押してくれた。
「おぉ、そこ気持ちいい! ずっと痛くてさ。助かるよ」
「時間余っちゃったしね。まかせてよ。んでね? ほら、貨幣が違うから、あーしの持ってたお金は向こうで使えないじゃん? ところがさ、そこの住民が超親切で、向こうに行ってるあいだ、ただで宿とか泊まらせてくれたのよ」
「あー、そこそこ。でも、今ここにいるってことは帰ってこれたってことなんだろ? それって、どのくらいのあいだ行ってたんだ?」
愛梨が凝ってる部分に肘を当てゴリゴリと押してくれる。
うっはー、効っくぅぅぅぅ。
「一週間くらい。んで、タダで泊めてもらうのも悪いから何かするよ? って言ったら、着ている服を見せてくれって言うのよ。あぁ、もちろん向こうにもブティック的な店はあるんだけどね? んでも田舎町だったからか、あんまりお洒落な服はなかったかな。そうやってたまに迷い込む異世界人の服を再現して売ると、向こうでちょっとしたブームができたりで結構売れるらしいんだ」
「へぇ。え? 着てたの制服?」
「もち。なにせ学校帰りのことだったからさぁ。アニマル柄の下着に学校の制服にルーズソックスって感じで、もう上から下まで完全にギャルよ。だもんで、下着から制服から生地に縫製と全部調べられてね? でもあーし、あの頃は渋谷の路上で寝ることもあったし、あとは、そこの家のお子さまの遊び相手してるだけで三食付きのお宿に一週間タダで泊まれると思えば安いもんよ」
ピピピピピ。ピピピピピ。
ベッドサイドに置かれたタイマーが鳴る。
そろそろ時間だ。着替えて出ないと。
「うん、面白かったよ、愛梨ちゃん。また来月の給料日に来るから」
「ん、待ってるね、徹っちゃん。今度はしっかり溜めてきてよね?」
愛梨は、オレの身体をサワサワっと触ると、ホッペにキスをした。
おいおい、頬に真っ赤な口紅がついてしまうではないか。
「ぬはははは。じゃ、またな」
プレイ自体は案外早く終わってしまったものの、背中も揉みほぐしてもらって大満足したオレは、足腰軽く、上機嫌で駅に向かって歩いていった。
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