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虚な夜空に陽は昇る
お前は結局、血を捨てられなかったんだな
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――現在――
「どうだった? ケル、ヒノクの様子は?」
ラキュラは椅子の肘掛けに肘をのせ、頬杖をつく。そんな彼に対して、ケルは苛立ったような眼差しを向けて答えた。
「どうしたもこうしたもあるか! あれ以来、やつは研究室に篭りきりだ。ったく貴様がわざわざ伝言を頼むから何かと思ったが、どうやら随分と精神がイカれたらしいぞ、やつは」
昨日0号が倒れたと言う知らせを聞いてからと言うもの、ケルの言う通り、ヒノクは一晩中部屋を出ようとさえしなかった。その0号とヒノクとの関係を、ケルはまったく知る由もない。彼は憤りを覚えながら、ラキュラに問う。
「ったく、ヒノクにも言ったが、高々改造獣人1人だろう。何をあいつはあれほど取り乱しているんだ。仮にも固有魔法の使い手がみっともない。貴様は知っているのか? ヒノクと0号とやらの関係を」
ラキュラは、ケルの言葉を聞くと、呆然と空を見つめるようにした。ラキュラはもちろんヒノクにとって0号がどう言う存在だったかを知っている。しかしそれを、このケルという男には教える気になりはしなかった。
「―――さぁな。俺も知らん」
「ふん、そうか。しかし、人1人犠牲になったところで、あれほど動揺するなどやつの強さも知れているな」
吐き捨てるようにそれを言葉にし、ラキュラの玉座から立ち去ろうとするケル。そんな彼を、ラキュラ窓の外へとは顔を向けたまま問いかけた。
「――なぁ、ケル。少しいいか」
「あ? 何だ?」
彼が呼び止めると、ケルは振り向いた。黒いローブがゆっくりとたなびき、彼の真っ黒な瞳がラキュラを捉える。するとその瞳の中の彼は、正気を失ったような表情をゆっくりとこちらに向け、言葉を続けた。
「――貴様に家族はいるか?」
「はぁ?」
なぜそんなことを尋ねられたか分からず、ラキュラに対して訝しげな表情を向けるケル。しかし、それでもラキュラは特に説明することもなくケルの瞳を見続けていた。そんな彼に何か真剣な様子を覚え、ケルはため息を一つ吐き、彼に答える。
「……いたさ、最も、かつてはだがな」
「そうか、俺はいない、過去も未来も、血を分けたものなど誰1人として存在しなかった」
ケルはそんな彼の発言を鼻でわらう。
「フン。バカを言うな。貴様とて誰かの腹から生まれてきたのは間違いないんだ。家族という存在がいなくとも、貴様と血を分けたものがいないはずないだろう」
「分かってるさ、そんなこと」
ラキュラは、また一つ頬杖をつき、彼は再び外を見つめた。空は相も変わらず曇りきり、世界は黒い闇に覆われている。彼はそんな景色を見ながら、呟く。
「でも、いないのさ。俺と同じ血が流れるものなど、存在さえしていなかった。だからこそ、俺は血であれ絆であれ、『繋がり』というものが信じられんのだ」
「……………」
ケルはそんなラキュラの言葉に対して、何も返しはしなかった。そんな中、ラキュラは、遠くを見つめながら、自身の右腕、ヒノクについて思う。
自分は、彼の能力が自分のものと相性がいいと思ったからこそ、彼の願いを叶え、共に歩む決断をしたのだ。だがだからといって、彼の父に固執する感情を、自分が理解できるわけではない。彼は血の繋がりを決して信じはしない。
ラキュラは、誰に言うまでもなく、虚空へ向かって、小さく言葉を紡ぐ。
「……お前は結局、『血』を捨てられなかったんだな。ヒノク」
ーーーー
「っいや、多くないですか!」
ギャスリガ城の入り口近くにて、木陰に隠れながら入り口の様子を伺う4人。そんな中で、ユニは、自分の気持ちを吐き出すように、そう叫んだ。シェドはそんな彼に対し、ため息をつきながら答える。
「落ち着け落ち着け、ユニ。周りに気づかれるぞ。しっかし、こんなに改造獣人ばかりだと気が滅入るな」
そう、0号が守っていた橋を渡った後、サン達4人は、ギャスリガを守る改造獣人と戦いながら、入り口を目指していた。そしてその放たれている改造獣人が多いこと多いこと。ネクは息を切らしながら、言葉を紡ぎ出す。
「……でも、よかったね。特に誰も怪我とかしてなくて」
「流石に慣れたもんな。もう改造獣人倒すの。ネクのナイフ当てればいいだけだし」
サンも疲れたような表情をしながらもそう続いた。そして彼はそのままシェドの方を見て続ける。
「でもさ、どうして突撃前にここに止まったんだよ。シェド。早くみんなのこと助けにいかないと」
「まあ落ち着けよ、サン。ちょっとな、俺たちの目標の共有をすべきかと思ったんだ」
「目標なんて、ラキュラを倒す以外ないじゃないですか。わざわざ確認しなくても」
サンとシェドの会話に、ユニが割り込む。シェドはそんな彼の言葉を目で制し、指を3本ほど立てて続ける。
「俺が思うに今回やらなきゃいけないことは3つだ」
「………うん。まあ、そのくらいだよね」
「え? ラキュラを倒す以外に3つもあるんですか! え? え?」
シェドの言葉に戸惑いネクとシェドを見比べるユニ。サンは、そんな彼に笑顔を向けながら、言葉を放つ。
「ラキュラを倒すを入れて3つだよ。ユニ。ラキュラの撃退。囚われた獣人の解放、そして、この雲の現象の謎の解明、であってる? シェド」
「ああ、そうだな」
シェドは、サンの言葉に頷いた。そして語る。
「まあ正直、解放の方はラキュラを倒してからでもいいんだがな。この黒い雲の解明は、正直なところラキュラ討伐の前にしておきたい。あいつらを倒してから誰も解除法がわからないとなった場合、困るのはシーラだからな」
「なるほど、確かにそうですね。あまりシェドから人助け発言は聞かないので、意外ですが」
「失礼なやつだな、お前は」
シェドはユニの軽口を目と口で抗議した。ネクはそんなシェドに、ゆっくりと尋ねる。
「でもさ、シェド。それをここで口にしたってことは、やっぱり」
「ああ、ここからは二手に分かれた方がいいと思ってる」
「………そうだね。ただでさえ相手の能力は得体が知れない。固まって全滅したら大変だもんね。それで、どんな風に分かれるの?」
ネクは、シェドの言葉に頷きながら彼にそう尋ねた。そしてシェドはそれに対し、ユニとサンの方を交互にチラチラと見て、応じた。
「そうだな。戦力と相性を見るに俺とユニ。サンとネクが一番いいだろうな。……うん、まあ、それしかないだろ」
「何で、そんなに俺とユニの方を見るんだよ。シェド」
「いや、やっぱりお前らは組ませられないなと思ってな。どちらかが暴走した時、どちらかが止める未来が見えない」
「………………」
サンはシェドの言葉に押し黙った。確かに自分はユニが暴走しても、なるべくユニの思いを尊重するだろうと思うだろうし、ユニは自分が暴走した時、一緒に暴走してしまうだろう。ネクと組むのはシェドに悪い気がしないでもないが、ここは大人しく従っておこう。
「二手に分かれる件、了解しました! まあとりあえず僕は、シェドとラキュラを倒しにいけばいいってことですか?」
「まあ、そうだな。とりあえず2チーム共に、ラキュラを目指し、そこでまたレイとかフーガのような知性のある奴に出会い次第戦う。それで、この雲についての情報を掴んだ方が、原因を断ちにいけばいいだろう。あとは、この城にどうやって入るかだが」
そう言ってシェドは、城の門に立っている3メートルほどありそうな2人の改造獣人を眺めた。1人は牛のような頭に立派な2本の角がついており、もう1人はサイのような頭をして鼻のあたりに一本の巨大なツノがついている。
サンもまた、シェドと同じ方を眺めると、呟く。
「きっとこの城の門番だよね。早く城に入るためにも、とっとと倒しちゃおう。それに、あいつらでかいだけで多分ディー君ほどじゃない。とりあえず俺とネクであの牛の方を倒すから、シェドとユニにはあのサイの方を任せてもいい?」
「任せてください! 真の一本角はどっちか教えてあげますよ! でもあのサイの方、感じる闘気はそこまでですけど、見た目は強そうですよね。あぁ、なんかとっておきの力とか隠してたりしないですかね?」
使命感に燃えるサンに、ワクワクをその身から隠すことができないユニ。シェドは、そんな2人の背中に苦笑を浮かべながら、呟くように言う。
「……一応言っておくがな。正面突破をすれば俺たちの侵入がラキュラ達にばれることになる。だから一度戦闘を避けて他の入り口を探すって手もあるが」
「いや! 戦おう、シェド! 少しでも早く、スアロやクラウを助けないと!」
「そうですよ! サンの気持ちを分かってあげてください! シェド!」
『………ユニは、ただ戦いたいだけでしょ』
ユニの言葉を聞きながら、心の中でそう呟くネク。シェドも彼女と同じような目でユニを見ながらも、2人に対して言葉を放つ。
「まあそうだよな。よし、あいつらを倒した後に、二手に分かれて城の攻略に進もう。それとサン――ネクは任せたからな」
シェドは、小さく呟くようにサンにそう言った。サンはそんなシェドの目を見て、真っ直ぐに返す。
「……うん。任せて。シェド」
シェドはそんな彼に笑みを返しながら、言葉を放った。
「よし、じゃあ行こうぜ、ラキュラを倒して、サンのダチを救いに!」
「どうだった? ケル、ヒノクの様子は?」
ラキュラは椅子の肘掛けに肘をのせ、頬杖をつく。そんな彼に対して、ケルは苛立ったような眼差しを向けて答えた。
「どうしたもこうしたもあるか! あれ以来、やつは研究室に篭りきりだ。ったく貴様がわざわざ伝言を頼むから何かと思ったが、どうやら随分と精神がイカれたらしいぞ、やつは」
昨日0号が倒れたと言う知らせを聞いてからと言うもの、ケルの言う通り、ヒノクは一晩中部屋を出ようとさえしなかった。その0号とヒノクとの関係を、ケルはまったく知る由もない。彼は憤りを覚えながら、ラキュラに問う。
「ったく、ヒノクにも言ったが、高々改造獣人1人だろう。何をあいつはあれほど取り乱しているんだ。仮にも固有魔法の使い手がみっともない。貴様は知っているのか? ヒノクと0号とやらの関係を」
ラキュラは、ケルの言葉を聞くと、呆然と空を見つめるようにした。ラキュラはもちろんヒノクにとって0号がどう言う存在だったかを知っている。しかしそれを、このケルという男には教える気になりはしなかった。
「―――さぁな。俺も知らん」
「ふん、そうか。しかし、人1人犠牲になったところで、あれほど動揺するなどやつの強さも知れているな」
吐き捨てるようにそれを言葉にし、ラキュラの玉座から立ち去ろうとするケル。そんな彼を、ラキュラ窓の外へとは顔を向けたまま問いかけた。
「――なぁ、ケル。少しいいか」
「あ? 何だ?」
彼が呼び止めると、ケルは振り向いた。黒いローブがゆっくりとたなびき、彼の真っ黒な瞳がラキュラを捉える。するとその瞳の中の彼は、正気を失ったような表情をゆっくりとこちらに向け、言葉を続けた。
「――貴様に家族はいるか?」
「はぁ?」
なぜそんなことを尋ねられたか分からず、ラキュラに対して訝しげな表情を向けるケル。しかし、それでもラキュラは特に説明することもなくケルの瞳を見続けていた。そんな彼に何か真剣な様子を覚え、ケルはため息を一つ吐き、彼に答える。
「……いたさ、最も、かつてはだがな」
「そうか、俺はいない、過去も未来も、血を分けたものなど誰1人として存在しなかった」
ケルはそんな彼の発言を鼻でわらう。
「フン。バカを言うな。貴様とて誰かの腹から生まれてきたのは間違いないんだ。家族という存在がいなくとも、貴様と血を分けたものがいないはずないだろう」
「分かってるさ、そんなこと」
ラキュラは、また一つ頬杖をつき、彼は再び外を見つめた。空は相も変わらず曇りきり、世界は黒い闇に覆われている。彼はそんな景色を見ながら、呟く。
「でも、いないのさ。俺と同じ血が流れるものなど、存在さえしていなかった。だからこそ、俺は血であれ絆であれ、『繋がり』というものが信じられんのだ」
「……………」
ケルはそんなラキュラの言葉に対して、何も返しはしなかった。そんな中、ラキュラは、遠くを見つめながら、自身の右腕、ヒノクについて思う。
自分は、彼の能力が自分のものと相性がいいと思ったからこそ、彼の願いを叶え、共に歩む決断をしたのだ。だがだからといって、彼の父に固執する感情を、自分が理解できるわけではない。彼は血の繋がりを決して信じはしない。
ラキュラは、誰に言うまでもなく、虚空へ向かって、小さく言葉を紡ぐ。
「……お前は結局、『血』を捨てられなかったんだな。ヒノク」
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「っいや、多くないですか!」
ギャスリガ城の入り口近くにて、木陰に隠れながら入り口の様子を伺う4人。そんな中で、ユニは、自分の気持ちを吐き出すように、そう叫んだ。シェドはそんな彼に対し、ため息をつきながら答える。
「落ち着け落ち着け、ユニ。周りに気づかれるぞ。しっかし、こんなに改造獣人ばかりだと気が滅入るな」
そう、0号が守っていた橋を渡った後、サン達4人は、ギャスリガを守る改造獣人と戦いながら、入り口を目指していた。そしてその放たれている改造獣人が多いこと多いこと。ネクは息を切らしながら、言葉を紡ぎ出す。
「……でも、よかったね。特に誰も怪我とかしてなくて」
「流石に慣れたもんな。もう改造獣人倒すの。ネクのナイフ当てればいいだけだし」
サンも疲れたような表情をしながらもそう続いた。そして彼はそのままシェドの方を見て続ける。
「でもさ、どうして突撃前にここに止まったんだよ。シェド。早くみんなのこと助けにいかないと」
「まあ落ち着けよ、サン。ちょっとな、俺たちの目標の共有をすべきかと思ったんだ」
「目標なんて、ラキュラを倒す以外ないじゃないですか。わざわざ確認しなくても」
サンとシェドの会話に、ユニが割り込む。シェドはそんな彼の言葉を目で制し、指を3本ほど立てて続ける。
「俺が思うに今回やらなきゃいけないことは3つだ」
「………うん。まあ、そのくらいだよね」
「え? ラキュラを倒す以外に3つもあるんですか! え? え?」
シェドの言葉に戸惑いネクとシェドを見比べるユニ。サンは、そんな彼に笑顔を向けながら、言葉を放つ。
「ラキュラを倒すを入れて3つだよ。ユニ。ラキュラの撃退。囚われた獣人の解放、そして、この雲の現象の謎の解明、であってる? シェド」
「ああ、そうだな」
シェドは、サンの言葉に頷いた。そして語る。
「まあ正直、解放の方はラキュラを倒してからでもいいんだがな。この黒い雲の解明は、正直なところラキュラ討伐の前にしておきたい。あいつらを倒してから誰も解除法がわからないとなった場合、困るのはシーラだからな」
「なるほど、確かにそうですね。あまりシェドから人助け発言は聞かないので、意外ですが」
「失礼なやつだな、お前は」
シェドはユニの軽口を目と口で抗議した。ネクはそんなシェドに、ゆっくりと尋ねる。
「でもさ、シェド。それをここで口にしたってことは、やっぱり」
「ああ、ここからは二手に分かれた方がいいと思ってる」
「………そうだね。ただでさえ相手の能力は得体が知れない。固まって全滅したら大変だもんね。それで、どんな風に分かれるの?」
ネクは、シェドの言葉に頷きながら彼にそう尋ねた。そしてシェドはそれに対し、ユニとサンの方を交互にチラチラと見て、応じた。
「そうだな。戦力と相性を見るに俺とユニ。サンとネクが一番いいだろうな。……うん、まあ、それしかないだろ」
「何で、そんなに俺とユニの方を見るんだよ。シェド」
「いや、やっぱりお前らは組ませられないなと思ってな。どちらかが暴走した時、どちらかが止める未来が見えない」
「………………」
サンはシェドの言葉に押し黙った。確かに自分はユニが暴走しても、なるべくユニの思いを尊重するだろうと思うだろうし、ユニは自分が暴走した時、一緒に暴走してしまうだろう。ネクと組むのはシェドに悪い気がしないでもないが、ここは大人しく従っておこう。
「二手に分かれる件、了解しました! まあとりあえず僕は、シェドとラキュラを倒しにいけばいいってことですか?」
「まあ、そうだな。とりあえず2チーム共に、ラキュラを目指し、そこでまたレイとかフーガのような知性のある奴に出会い次第戦う。それで、この雲についての情報を掴んだ方が、原因を断ちにいけばいいだろう。あとは、この城にどうやって入るかだが」
そう言ってシェドは、城の門に立っている3メートルほどありそうな2人の改造獣人を眺めた。1人は牛のような頭に立派な2本の角がついており、もう1人はサイのような頭をして鼻のあたりに一本の巨大なツノがついている。
サンもまた、シェドと同じ方を眺めると、呟く。
「きっとこの城の門番だよね。早く城に入るためにも、とっとと倒しちゃおう。それに、あいつらでかいだけで多分ディー君ほどじゃない。とりあえず俺とネクであの牛の方を倒すから、シェドとユニにはあのサイの方を任せてもいい?」
「任せてください! 真の一本角はどっちか教えてあげますよ! でもあのサイの方、感じる闘気はそこまでですけど、見た目は強そうですよね。あぁ、なんかとっておきの力とか隠してたりしないですかね?」
使命感に燃えるサンに、ワクワクをその身から隠すことができないユニ。シェドは、そんな2人の背中に苦笑を浮かべながら、呟くように言う。
「……一応言っておくがな。正面突破をすれば俺たちの侵入がラキュラ達にばれることになる。だから一度戦闘を避けて他の入り口を探すって手もあるが」
「いや! 戦おう、シェド! 少しでも早く、スアロやクラウを助けないと!」
「そうですよ! サンの気持ちを分かってあげてください! シェド!」
『………ユニは、ただ戦いたいだけでしょ』
ユニの言葉を聞きながら、心の中でそう呟くネク。シェドも彼女と同じような目でユニを見ながらも、2人に対して言葉を放つ。
「まあそうだよな。よし、あいつらを倒した後に、二手に分かれて城の攻略に進もう。それとサン――ネクは任せたからな」
シェドは、小さく呟くようにサンにそう言った。サンはそんなシェドの目を見て、真っ直ぐに返す。
「……うん。任せて。シェド」
シェドはそんな彼に笑みを返しながら、言葉を放った。
「よし、じゃあ行こうぜ、ラキュラを倒して、サンのダチを救いに!」
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