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そして影は立ち伸びる
もう十分飲んでるクマ?
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――現在――
大勢の獣人が、机を取り囲み、手には、木で出来た大きなジョッキを持っている。机には国中からかき集めた豪勢な食事が溢れていた。肉食獣の国にも関わらず、肉よりも果物や野菜の方が品揃えが豊富なのが意外だった。もう自身の体を構成する因子が、肉は食べ飽きたとでも叫んでいるのだろうか。
「ええ~~。こんばんは」
机の真ん中にひっそりと座し、一際大きいジョッキを持ってたたずむカニバル国王ベアリオ。カニバル軍の兵士も皆、一様にベアリオの方向を向き、体をうずうずさせている。早く宴を始めたくて仕方がないようだ。ベアリオのそんな兵士たちの様子を見て、うっすらと笑みを浮かべる。
「カニバル軍の宝たる皆。今日はお疲れ様。今まで何度もカニバル軍と戦ってきたが、今日ほど酒が美味い日はないだろう。今、ここからも目視できる距離にある南の峠。かつての僕らは、あれをみてレプタリア軍の進軍に怯える毎日だった。のんびりと夜に散歩することさえ皆気を遣っただろう。あそこに駐屯している敵兵に見つかったら、命に関わるからね」
ベアリオの語りに、どこか過去へと想いを馳せながら、南の峠の方角を見つめる。そんな彼らにベアリオは優しく声をかける。
「ごめんね、みんな。しんみりさせてしまったかい。でも、僕はこう言いたかったんだ。今日はどんなに遅くまで騒いでもいい。明日のことなど忘れて、大喜びしていいんだ。なぜかって? そんなの決まっている! もうあの南の峠にはレプタリア軍なんて誰一人いないからだ!!」
「おおぉぉぉぉぉ!!」
「いいね、士気が上がってきた! さあみんな、ジョッキを掲げよう。そして、この美しい夜空に向かって叫ぼうじゃないか!! カニバル軍の勝利へ、乾杯!!」
「カニバル軍の勝利へ乾杯!!!」
それぞれがジョッキを持ち、勢いよく周囲の兵士のジョッキに自分のそれをぶつける。木で出来ているようだから割れる心配はないだろうが、あまりの勢いに、入れたビールが全てでてきてしまうものもいた。
南の峠にて勝利した夜、カニバル軍の兵士は、一度カニバル城の本拠地まで戻り、国を挙げての宴を開催することになった。その食材は、カニバル国の肉屋から魚屋から買い取っているため、必然的にそれを配達に来た気のいい商人たちを交えた大騒ぎとなる。
――うわぁ、やかましいなぁ。
そんな中、軽度の人見知りを発揮し、机の端でちびちびオレンジジュースを飲むのは我らがサンである。カニバル軍勝利の立役者として全く似つかわしくない様子で、サンはソワソワしながら、目の前の料理をつつく。
――え? このローストビーフうま。
ちなみにサンは、飲み屋でたまにいる気に入った料理だけめちゃくちゃ集中して食べる微妙に迷惑なタイプである。
大人数用に用意されたローストビーフを、すでに半分ほど食べ終わろうとしているサン。そんな彼に、一人の獣人が声をかける。
「……サン、ローストビーフ好きなの?」
サンは、その声だけで誰が話しかけてきたのかすぐわかった。これほど、感情の読み取りづらい声を発する獣人を、サンは彼女しか知らない。
「あ、ネク。いや別に一番好きというわけじゃないんだけどさ。なんかやけにうまくて」
「……そっか」
すると、何食わぬ顔をしてサンの隣に腰をかけるネク。あ、座るのか、彼女の様子を眺めながら、そんなことを考えるサン。ちなみに作戦やシェド隊でのコミュニケーションの場で話したことはあるが、しっかりと一対一でネクと会話をしたことはない。まあサンは自分からはなしかけるタイプでないし、ネクも話しかけられないと話さないタイプなため、無理もないことだが。
再び目の前のローストビーフを見つめるサン。しかし、隣に人がいるのに、何も話さないのも変な話なので、それとなくサンはネクへ会話を行う。
「ネクはあれなの? なんか好きな食べ物ないの?」
「……うん、特には。でも強いていうなら、枝豆好き」
「え、意外だな。意外とおつまみ系が好きなんだ。じゃあ始まってからはそれ食べてきたの? というかネクって、さっきまで何してたの?」
勢い衰えず。またいくつかローストビーフを自分の皿に盛り付けながら、サンはネクに問う。ネクはその質問に何食わぬ顔で答える。
「……別にみんなと飲んでただけ。まあ一緒に飲んで2人くらい隊長潰してきたけど」
「え? 潰してきたって、飲み比べで買ってきたってこと?」
「うんそう」
「あれ? 俺と同い年だよね? ってことはお酒飲めるようになってから全然経ってないよね?」
「……でも、あんなんで倒れる気持ちがわからない。味は好きだけど、なんであんな水で頭が痛くなるのか」
――ええぇぇ。
ちなみに国にもよるが基本的には16から飲酒可能というか、酒を飲んでも特に怒られないという風習になっている。ちなみにサンは、そんなに酒は強くなかった。味は好きなんだが、どうにもすぐに記憶を無くしてしまう。まあだからこそ自分が酒を飲んだらどうなるのか自分が一番よくわからないのだが。
彼女の意外な特技もわかり、まあまあ打ち解けて会話をしているサンとネク。そんな彼らを見つけて、1人の男が寄ってくる。
「やぁ、ネク、サン。もう十分飲んでるクマ?」
やけに大きな体格がフラフラと揺れながら、サンの隣へ着席する。カニバル国王ベアリオだった。ベアリオは満面の笑みに対し、ネクが静かに言葉を返す。
「……うん。ベアリオ。十分飲んでるよ。ベアリオ国王もずいぶん飲んだね」
「え? 僕はまだまだいけるクマよ。サンも飲んでるクマかい?」
「え、ああ、まあまあいただいてるよ。おいしいねカニバルの料理は」
「そうだろそうだろ。うちのカニバルの畜産業は世界一だクマからな」
――え? ちょっと待って、これ俺にしか聞こえてない?
あからさまに不自然な語尾に戸惑いを隠せないサン。そんなサンの様子を見取り、ネクが小さな音量で声をかけてくる。
『……ごめん。びっくりしたでしょ。うちの国王ね。酔うと語尾がクマになるの。まあ真面目な話をする時は、何故か治るんだけどね。でも本人は気づいてないからサンも気づいてないフリして』
『なんで? 絶対指摘した方がいいでしょ』
『でも、この語尾のままの方が絶対面白い。それがカニバル国民の意見であり総意』
『まじか』
とんでもない国民と国王がいたものだ。でもたまに出てくる力の抜けたところもまたこの国王の魅力なのかもしれない。
そんなことを思っているサンに対し、ベアリオはふいに彼に言葉を投げる。
「なあ、サン。君にちゃんと話がしたかったんだ」
あ、ほんとだ、真面目な雰囲気になると語尾がなくなった。眼前の獣人の酔っている際の脳の作りに疑問を覚えながらもサンは話の続きを促す。ちなみに記し忘れていたことだが、サンは戦争までの訓練期間で、ある程度国王と親しくなり、タメ口で話す仲になっている。
「なに、話っていうのは」
「なに、シンプルなことだよ。……カニバルを勝たせてくれて、本当にありがとう」
そうして深々と頭を下げる、ベアリオ。急に一国の王が自分に頭を下げたことに対してサンは慌てる。
「え、待ってよ、ベアリオ。頭上げてって。流石に王様に頭を下げさせるわけには」
「国を救ってくれた英雄に謝辞を述べるのは、他ならぬ王の務めだよ。君の勇気ある突撃によって、1日目に敵に押されていたのにもかかわらず、カニバルは勝利できたんだ。シェドもゲッコウのもとまでたどりつくことができた。本当にありがとう。君のおかげでまた、国民に笑顔が戻った」
満面の笑みで、そう言葉を投げかけるベアリオ。サンもそんな彼の言葉を聞いて、あたりを見渡す。すると本当にたくさんの笑顔がそこにはあった。腕相撲をするもの、歌を歌うもの、ダンスをするもの。本当にこの場にいるカニバル兵全員が、全身で喜びを讃えていた。
――そっか、この笑顔は俺が取り戻せたのか。それは良かったな。
『お前はこの戦争の経緯を知らない! 歴史を知らない! 視野を広げれば容易くひっくり返る脆弱な正義が、信念であってなるものか!』
その時、サンの脳内にゲッコウの言葉がよぎった。その瞬間、まるで万力で挟まれたかのように、どんどん心が締め付けられていくのを感じる。
――よかった? 本当に? これで俺は、本当によかったのか?
――俺がやっていることは、本当に正しいのか?
「まあ、だから今日はいっぱいのんで欲しいクマ。そのローストビーフも好きなら新しいの持ってくるクマよ?」
また再び語尾がクマにもどるベアリオ。しかし、サンはそんなことに気づく余裕は無くなっていた。どんどん自身の胸の奥が窮屈になってくる。サンは、次第に苦しくなり、血色のない青白くなった顔で、彼はベアリオに言う。
「ありがとう、ベアリオ。でもちょっとだけ席を外すね。トイレに行ってくる」
そして、席を外し、飲みの席から離れるサン。ずいぶん、トイレを我慢していたんだなぁ、アルコールの回っていたベアリオは、そんな彼の姿を見てそんな風にしか思っていなかった。
「あら、あの様子だとずいぶん我慢していたんだクマね。急に話しかけて気を遣わせてしまったクマかなぁ」
「…………」
しかし、ネクは戦場での話をシェドから聞いて、なんとなくサンがどんな感情になっているのか、察しがついていた。そして彼女は、サンの背中にどこか不穏な影を見るのだった。
大勢の獣人が、机を取り囲み、手には、木で出来た大きなジョッキを持っている。机には国中からかき集めた豪勢な食事が溢れていた。肉食獣の国にも関わらず、肉よりも果物や野菜の方が品揃えが豊富なのが意外だった。もう自身の体を構成する因子が、肉は食べ飽きたとでも叫んでいるのだろうか。
「ええ~~。こんばんは」
机の真ん中にひっそりと座し、一際大きいジョッキを持ってたたずむカニバル国王ベアリオ。カニバル軍の兵士も皆、一様にベアリオの方向を向き、体をうずうずさせている。早く宴を始めたくて仕方がないようだ。ベアリオのそんな兵士たちの様子を見て、うっすらと笑みを浮かべる。
「カニバル軍の宝たる皆。今日はお疲れ様。今まで何度もカニバル軍と戦ってきたが、今日ほど酒が美味い日はないだろう。今、ここからも目視できる距離にある南の峠。かつての僕らは、あれをみてレプタリア軍の進軍に怯える毎日だった。のんびりと夜に散歩することさえ皆気を遣っただろう。あそこに駐屯している敵兵に見つかったら、命に関わるからね」
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「ごめんね、みんな。しんみりさせてしまったかい。でも、僕はこう言いたかったんだ。今日はどんなに遅くまで騒いでもいい。明日のことなど忘れて、大喜びしていいんだ。なぜかって? そんなの決まっている! もうあの南の峠にはレプタリア軍なんて誰一人いないからだ!!」
「おおぉぉぉぉぉ!!」
「いいね、士気が上がってきた! さあみんな、ジョッキを掲げよう。そして、この美しい夜空に向かって叫ぼうじゃないか!! カニバル軍の勝利へ、乾杯!!」
「カニバル軍の勝利へ乾杯!!!」
それぞれがジョッキを持ち、勢いよく周囲の兵士のジョッキに自分のそれをぶつける。木で出来ているようだから割れる心配はないだろうが、あまりの勢いに、入れたビールが全てでてきてしまうものもいた。
南の峠にて勝利した夜、カニバル軍の兵士は、一度カニバル城の本拠地まで戻り、国を挙げての宴を開催することになった。その食材は、カニバル国の肉屋から魚屋から買い取っているため、必然的にそれを配達に来た気のいい商人たちを交えた大騒ぎとなる。
――うわぁ、やかましいなぁ。
そんな中、軽度の人見知りを発揮し、机の端でちびちびオレンジジュースを飲むのは我らがサンである。カニバル軍勝利の立役者として全く似つかわしくない様子で、サンはソワソワしながら、目の前の料理をつつく。
――え? このローストビーフうま。
ちなみにサンは、飲み屋でたまにいる気に入った料理だけめちゃくちゃ集中して食べる微妙に迷惑なタイプである。
大人数用に用意されたローストビーフを、すでに半分ほど食べ終わろうとしているサン。そんな彼に、一人の獣人が声をかける。
「……サン、ローストビーフ好きなの?」
サンは、その声だけで誰が話しかけてきたのかすぐわかった。これほど、感情の読み取りづらい声を発する獣人を、サンは彼女しか知らない。
「あ、ネク。いや別に一番好きというわけじゃないんだけどさ。なんかやけにうまくて」
「……そっか」
すると、何食わぬ顔をしてサンの隣に腰をかけるネク。あ、座るのか、彼女の様子を眺めながら、そんなことを考えるサン。ちなみに作戦やシェド隊でのコミュニケーションの場で話したことはあるが、しっかりと一対一でネクと会話をしたことはない。まあサンは自分からはなしかけるタイプでないし、ネクも話しかけられないと話さないタイプなため、無理もないことだが。
再び目の前のローストビーフを見つめるサン。しかし、隣に人がいるのに、何も話さないのも変な話なので、それとなくサンはネクへ会話を行う。
「ネクはあれなの? なんか好きな食べ物ないの?」
「……うん、特には。でも強いていうなら、枝豆好き」
「え、意外だな。意外とおつまみ系が好きなんだ。じゃあ始まってからはそれ食べてきたの? というかネクって、さっきまで何してたの?」
勢い衰えず。またいくつかローストビーフを自分の皿に盛り付けながら、サンはネクに問う。ネクはその質問に何食わぬ顔で答える。
「……別にみんなと飲んでただけ。まあ一緒に飲んで2人くらい隊長潰してきたけど」
「え? 潰してきたって、飲み比べで買ってきたってこと?」
「うんそう」
「あれ? 俺と同い年だよね? ってことはお酒飲めるようになってから全然経ってないよね?」
「……でも、あんなんで倒れる気持ちがわからない。味は好きだけど、なんであんな水で頭が痛くなるのか」
――ええぇぇ。
ちなみに国にもよるが基本的には16から飲酒可能というか、酒を飲んでも特に怒られないという風習になっている。ちなみにサンは、そんなに酒は強くなかった。味は好きなんだが、どうにもすぐに記憶を無くしてしまう。まあだからこそ自分が酒を飲んだらどうなるのか自分が一番よくわからないのだが。
彼女の意外な特技もわかり、まあまあ打ち解けて会話をしているサンとネク。そんな彼らを見つけて、1人の男が寄ってくる。
「やぁ、ネク、サン。もう十分飲んでるクマ?」
やけに大きな体格がフラフラと揺れながら、サンの隣へ着席する。カニバル国王ベアリオだった。ベアリオは満面の笑みに対し、ネクが静かに言葉を返す。
「……うん。ベアリオ。十分飲んでるよ。ベアリオ国王もずいぶん飲んだね」
「え? 僕はまだまだいけるクマよ。サンも飲んでるクマかい?」
「え、ああ、まあまあいただいてるよ。おいしいねカニバルの料理は」
「そうだろそうだろ。うちのカニバルの畜産業は世界一だクマからな」
――え? ちょっと待って、これ俺にしか聞こえてない?
あからさまに不自然な語尾に戸惑いを隠せないサン。そんなサンの様子を見取り、ネクが小さな音量で声をかけてくる。
『……ごめん。びっくりしたでしょ。うちの国王ね。酔うと語尾がクマになるの。まあ真面目な話をする時は、何故か治るんだけどね。でも本人は気づいてないからサンも気づいてないフリして』
『なんで? 絶対指摘した方がいいでしょ』
『でも、この語尾のままの方が絶対面白い。それがカニバル国民の意見であり総意』
『まじか』
とんでもない国民と国王がいたものだ。でもたまに出てくる力の抜けたところもまたこの国王の魅力なのかもしれない。
そんなことを思っているサンに対し、ベアリオはふいに彼に言葉を投げる。
「なあ、サン。君にちゃんと話がしたかったんだ」
あ、ほんとだ、真面目な雰囲気になると語尾がなくなった。眼前の獣人の酔っている際の脳の作りに疑問を覚えながらもサンは話の続きを促す。ちなみに記し忘れていたことだが、サンは戦争までの訓練期間で、ある程度国王と親しくなり、タメ口で話す仲になっている。
「なに、話っていうのは」
「なに、シンプルなことだよ。……カニバルを勝たせてくれて、本当にありがとう」
そうして深々と頭を下げる、ベアリオ。急に一国の王が自分に頭を下げたことに対してサンは慌てる。
「え、待ってよ、ベアリオ。頭上げてって。流石に王様に頭を下げさせるわけには」
「国を救ってくれた英雄に謝辞を述べるのは、他ならぬ王の務めだよ。君の勇気ある突撃によって、1日目に敵に押されていたのにもかかわらず、カニバルは勝利できたんだ。シェドもゲッコウのもとまでたどりつくことができた。本当にありがとう。君のおかげでまた、国民に笑顔が戻った」
満面の笑みで、そう言葉を投げかけるベアリオ。サンもそんな彼の言葉を聞いて、あたりを見渡す。すると本当にたくさんの笑顔がそこにはあった。腕相撲をするもの、歌を歌うもの、ダンスをするもの。本当にこの場にいるカニバル兵全員が、全身で喜びを讃えていた。
――そっか、この笑顔は俺が取り戻せたのか。それは良かったな。
『お前はこの戦争の経緯を知らない! 歴史を知らない! 視野を広げれば容易くひっくり返る脆弱な正義が、信念であってなるものか!』
その時、サンの脳内にゲッコウの言葉がよぎった。その瞬間、まるで万力で挟まれたかのように、どんどん心が締め付けられていくのを感じる。
――よかった? 本当に? これで俺は、本当によかったのか?
――俺がやっていることは、本当に正しいのか?
「まあ、だから今日はいっぱいのんで欲しいクマ。そのローストビーフも好きなら新しいの持ってくるクマよ?」
また再び語尾がクマにもどるベアリオ。しかし、サンはそんなことに気づく余裕は無くなっていた。どんどん自身の胸の奥が窮屈になってくる。サンは、次第に苦しくなり、血色のない青白くなった顔で、彼はベアリオに言う。
「ありがとう、ベアリオ。でもちょっとだけ席を外すね。トイレに行ってくる」
そして、席を外し、飲みの席から離れるサン。ずいぶん、トイレを我慢していたんだなぁ、アルコールの回っていたベアリオは、そんな彼の姿を見てそんな風にしか思っていなかった。
「あら、あの様子だとずいぶん我慢していたんだクマね。急に話しかけて気を遣わせてしまったクマかなぁ」
「…………」
しかし、ネクは戦場での話をシェドから聞いて、なんとなくサンがどんな感情になっているのか、察しがついていた。そして彼女は、サンの背中にどこか不穏な影を見るのだった。
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