恋愛サティスファクション

初陣アプレンティス

これまでのあらすじ

圭介さんが用意してくれたマンションで、僕と圭介さんと玲司君の3人で共同生活が始まった。
外には様々な危険がある。
だから僕は自由に外には出られない。

だけど僕は平気だった。
僕は圭介さんと玲司君がいてくれたら、それだけで幸せだった。

それなのに、信じて過ごしていた家に仕込まれた隠しカメラに気づいてしまったことから僕の平穏は崩れてしまった。

家を飛び出した僕に明かされた真実。
鈴村さんの傷だらけの身体。
壁やんのご両親が信じていた宗教。
玲司君の劣悪な養育環境と治験被害。

誰もが抱えていた痛みを隠していた。
それは圭介さんも。

圭介さんのお母さんが亡くなった日。
5歳の僕は誘拐され、そして、圭介さんに助けられた。

短くて長い10日間。記憶にない夏の日々。
僕が忘れてしまった日々を圭介さんはずっと覚えていた。そして黙っていた。
そのせいで僕達の関係はひずみ、狂って、壊れかけている。

僕だけがなにも知らずにいた。
そのツケを払う時がきたのだろう。
幼い僕がなくした夏を、大人になった今取り戻すんだ。
それがこの夏、僕が向き合うべき痛み。

そんなふうに僕は今とっても大変だと言うのに。
お構いなしに襲ってくる女性支援団体Little WOMAN。
自分達の悪事が表に出てはいけないと、相手は本気で僕達を殺そうとしているんだ。
それは夜の街で燃え上がる車の炎が物語る。

僕は圭介さんと話し合いたいだけなのに。