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不動ベイシン
カクテルまじっく4
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ついこの間も記憶をなくすくらい飲んでしまったんだ。
お酒は危険。
「弱いお酒も作れるよ?」
圭介さんがささやく魅力的なお誘い。
「つまみはチーズ? クリームチーズとサーモンあるから、簡単なカナッペ作れるよ?」
圭介さんのBarは僕の欲しいものしか出てこない。
「だし巻き焼く? ワインベースのカクテルに合うよ?」
初めて聞く組み合わせ。すごく気になる。
「ビールのカクテルにスモークナッツでカジュアルに楽しむ?」
どの提案も素敵すぎて選べないよ。
「他に唯が好きそうなのだと……」
これ以上の選択肢は必要ないよ。
だってすでに選べないくらい、全部が素敵。
「どれも美味しそうで選べないです」
「じゃあ全部作ろ」
「そんなにたくさんは飲めないですって」
僕は圭介さんみたいにお酒強くないもん。
そんな残念そうな顔しないで。
僕のためのレシピをいろいろ考えてくれてたんだよね?
「今夜は1杯だけいただきます。それで明日もまた1杯作ってくれますか?」
毎晩の楽しみに。
一度に飲まなくても、ずっと楽しめるよ。
圭介さんが今夜にぴったりな究極の1杯を考え始めた。
あんまり悩みすぎてのぼせないでね。
お風呂上がりに仲良くキッチンへ行こうとと歩いていたら、廊下で成瀬さんに出会う。
通りすがりにすれ違うというより、ここで待ってた感じ。
僕達のお風呂が終わるのを出待ちしてた?
「佐倉さんとご一緒のところすいません。松川さんから何度か電話がありまして」
こんな時間に何度も?
それは急ぎの連絡だよ。
早くかけ直さなきゃ。
「圭介さん、早くお電話してあげてください。きっと待ってますよ」
「明日で良い。今は唯に酒を用意しなきゃ」
また僕を優先しようとする。悪い癖だ。
「お酒はまた今度にしましょう」
圭介さんは納得してない顔をしてる。困ったな。
松川さんはこんな夜遅くに電話を待っているのに。
「今夜の予定が明日になっただけです。楽しみが明日に伸びたってことは、僕は明日の夜までずっと圭介さんがどんなカクテルを用意してくれるのか。楽しみに待ち続けられるんですよ」
圭介さんのお酒を飲まないわけじゃない。
今日は飲めないだけ。
楽しい予定は延期になったんだ。
「だから、成瀬さんにも怒っちゃ駄目ですよ。成瀬さんは秘書としての仕事をしているだけなんだから」
松川さんからの電話を取り次いだのは仕事の範疇。
それに怒るのは理不尽な上司だ。
むしろこんな夜遅くまで対応してくれて、時間外手当を付けなきゃ。
「せっかくお酒を飲むなら、僕はポテトサラダが食べたいです。圭介さんの作るカリカリのベーコンが入ったやつ。大好きだから」
「分かった。明日はポテトサラダとそれに合う酒を用意する」
「楽しみです」
明日の予定が決まって、圭介さんはようやく納得した。
電話は人に聞かれないように離れでかけると言うので玄関まで見送りに行く。
今夜、圭介さんの作るカクテルを飲めないのはとても残念だけど。
僕は良い子だから我慢できるよ。
明日の夜は急ぎの仕事がないといいな。
「夜遅くまでお疲れ様です。僕は先に休みますね」
「おやすみ。唯」
「おやすみなさい、圭介さん」
誰もいないのを確認して。
そっと触れるだけのキスをした。
おやすみなさいといってらっしゃいの挨拶。
玄関の鍵を締めて。
ひとり部屋に戻る。
眠るための布団を敷いて。
明日も朝は早い。
いつまでも寂しがっていないで寝てしまおう。
太陽のペンダントを外して枕元に置く。
表面を軽く撫でて、1日の終りの挨拶。
「おやすみなさい。圭介さん。また明日」
部屋の電気を消して、布団に潜り込む。
肩までタオルケットをかぶって、目を閉じた。
「明日の家飲みが楽しみです。今度は急用の電話がないといいですね」
こういう事言うとフラグが立つって言うけど。
僕は希望を積極的に伝えていくことにしたんだ。
言葉には魂が宿る。
それなら願いも声に出していこう。
そうすれば叶いやすくなる。
「ポテトサラダに合うお酒ってなにかなー。やばっ。楽しみ」
お酒は危険。
「弱いお酒も作れるよ?」
圭介さんがささやく魅力的なお誘い。
「つまみはチーズ? クリームチーズとサーモンあるから、簡単なカナッペ作れるよ?」
圭介さんのBarは僕の欲しいものしか出てこない。
「だし巻き焼く? ワインベースのカクテルに合うよ?」
初めて聞く組み合わせ。すごく気になる。
「ビールのカクテルにスモークナッツでカジュアルに楽しむ?」
どの提案も素敵すぎて選べないよ。
「他に唯が好きそうなのだと……」
これ以上の選択肢は必要ないよ。
だってすでに選べないくらい、全部が素敵。
「どれも美味しそうで選べないです」
「じゃあ全部作ろ」
「そんなにたくさんは飲めないですって」
僕は圭介さんみたいにお酒強くないもん。
そんな残念そうな顔しないで。
僕のためのレシピをいろいろ考えてくれてたんだよね?
「今夜は1杯だけいただきます。それで明日もまた1杯作ってくれますか?」
毎晩の楽しみに。
一度に飲まなくても、ずっと楽しめるよ。
圭介さんが今夜にぴったりな究極の1杯を考え始めた。
あんまり悩みすぎてのぼせないでね。
お風呂上がりに仲良くキッチンへ行こうとと歩いていたら、廊下で成瀬さんに出会う。
通りすがりにすれ違うというより、ここで待ってた感じ。
僕達のお風呂が終わるのを出待ちしてた?
「佐倉さんとご一緒のところすいません。松川さんから何度か電話がありまして」
こんな時間に何度も?
それは急ぎの連絡だよ。
早くかけ直さなきゃ。
「圭介さん、早くお電話してあげてください。きっと待ってますよ」
「明日で良い。今は唯に酒を用意しなきゃ」
また僕を優先しようとする。悪い癖だ。
「お酒はまた今度にしましょう」
圭介さんは納得してない顔をしてる。困ったな。
松川さんはこんな夜遅くに電話を待っているのに。
「今夜の予定が明日になっただけです。楽しみが明日に伸びたってことは、僕は明日の夜までずっと圭介さんがどんなカクテルを用意してくれるのか。楽しみに待ち続けられるんですよ」
圭介さんのお酒を飲まないわけじゃない。
今日は飲めないだけ。
楽しい予定は延期になったんだ。
「だから、成瀬さんにも怒っちゃ駄目ですよ。成瀬さんは秘書としての仕事をしているだけなんだから」
松川さんからの電話を取り次いだのは仕事の範疇。
それに怒るのは理不尽な上司だ。
むしろこんな夜遅くまで対応してくれて、時間外手当を付けなきゃ。
「せっかくお酒を飲むなら、僕はポテトサラダが食べたいです。圭介さんの作るカリカリのベーコンが入ったやつ。大好きだから」
「分かった。明日はポテトサラダとそれに合う酒を用意する」
「楽しみです」
明日の予定が決まって、圭介さんはようやく納得した。
電話は人に聞かれないように離れでかけると言うので玄関まで見送りに行く。
今夜、圭介さんの作るカクテルを飲めないのはとても残念だけど。
僕は良い子だから我慢できるよ。
明日の夜は急ぎの仕事がないといいな。
「夜遅くまでお疲れ様です。僕は先に休みますね」
「おやすみ。唯」
「おやすみなさい、圭介さん」
誰もいないのを確認して。
そっと触れるだけのキスをした。
おやすみなさいといってらっしゃいの挨拶。
玄関の鍵を締めて。
ひとり部屋に戻る。
眠るための布団を敷いて。
明日も朝は早い。
いつまでも寂しがっていないで寝てしまおう。
太陽のペンダントを外して枕元に置く。
表面を軽く撫でて、1日の終りの挨拶。
「おやすみなさい。圭介さん。また明日」
部屋の電気を消して、布団に潜り込む。
肩までタオルケットをかぶって、目を閉じた。
「明日の家飲みが楽しみです。今度は急用の電話がないといいですね」
こういう事言うとフラグが立つって言うけど。
僕は希望を積極的に伝えていくことにしたんだ。
言葉には魂が宿る。
それなら願いも声に出していこう。
そうすれば叶いやすくなる。
「ポテトサラダに合うお酒ってなにかなー。やばっ。楽しみ」
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