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恋愛サティスファクション
誕生日はフルコース5
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圭介さんから「唯の体をキレイにしようね」って言われて。
お風呂にでも入るのかなって思ったら、キレイにするのは僕の体の中のことで。
男同士でSEXするのがこんなに大変だなんて僕は知らなかった。
「唯、機嫌直してー」
「機嫌悪くなんてないです」
「ほら悪い」
そんなんじゃないって身じろぐとお湯がチャプンっと跳ねた。
僕は湯船のなか、後ろから抱き締められるように圭介さんの足の間に座っているから、自由に動けない。
圭介さんに包まれるように、僕は膝を抱えて丸くなって座る。
僕の濡れた髪を、お湯から顔を出す膝小僧を、ちょっと意固地になってほどかない腕を、圭介さんの手のひらは優しく撫でる。
こうやって背中を預けて触れ合えるのは嫌じゃないんだけど。
さきほどまでの記憶は今すぐ地平線の彼方に投げ捨てたい。
僕の内側をきれいにしたあと。
今度は体の外側をキレイにしようってお風呂に入ることになって。
圭介さんが僕を丁寧に洗ってくれるから、お礼に僕も圭介さんの体を洗って。
最後はお互いが泡をどれだけ相手に塗りつけるかの遊びみたいになってた。
そこまでは良かったんだ。楽しかったし。
だけど、ゆっくりお湯に浸かってるうちに、さっきの忘れたくて堪らないのに忘れられない記憶が疼いてきて。
やっぱりさ、僕はSEXにも夢を見ていたんだよ。
キスしてイチャイチャして、そういう雰囲気になったら体を重ねて。
そういうムードが大事なんじゃないの?
それなのに、ふたを開けたら結構生々しい感じで。
僕は理想と現実のギャップに打ちひしがれていた。
こんな思いをするなら事前にネットで調べておけば良かった。
圭介さんはネットの情報は嘘も多くて信頼できないって言うから見ないでいたけど。
必要なことは俺が教えるって、本当に教えてくれたけど。
心の準備をする時間は必要だよね!
「唯、今夜はもう、やめておく?」
圭介さんの腕が僕の腕に絡むように抱き締めてくる。
後ろから耳元で囁くのはズルいと思う。
何がズルいかはうまく言えないけど。
なんか僕の思考力が弱くなる感じする。
それにやめるってエッチしないってこと? それはどうなの?
確かに今の僕は子供みたいに拗ねてるけど。
ここでやめてしまったら、さっきの僕の頑張りは無駄になるってことだよね?
そんなのは嫌だ。あんなに頑張ったんだから、ちゃんと最後までやりたい。
「今さらやめるとか言わないでください」
僕の失った誇り分くらいは気持ちよくなりたい。
そこは譲れない。僕だって男だ。
圭介さんとのデートでランチを食べていたら、僕だけレディースサービスのデザートを付けられたりする女顔だけど。
ちゃんと付いてるものは付いてる。
「続けるなら、唯にはもっと頑張ってもらうことになるよ」
「それでも」
「俺は唯のこと好きだから、ツライことしたくない」
「僕だって圭介さんのことが大好きだから。続けたいです」
ここまできたら僕だって腹をくくる。
なにされて大丈夫。のはず。
圭介さんも僕に気を使いすぎないで。
初めてなんて戸惑って当然、ぐらいの勢いでガツンってやっちゃってよ。
「全部、圭介さんにお任せしちゃうけど。僕は圭介さんと最後までやりたい」
僕の決意表明を圭介さんは黙って聞いていた。
俯く僕の顎を圭介さんはくいっと後ろを振り向くように掴んで。
ゆったりとした、微睡むようなキス。
激しいキスも好きだけど、この穏やかなキスも癖になりそう。
このキスが圭介さんの答えなんだよね。
言葉がなくても伝わってくる。
僕達もうひとつになってる。
お風呂にでも入るのかなって思ったら、キレイにするのは僕の体の中のことで。
男同士でSEXするのがこんなに大変だなんて僕は知らなかった。
「唯、機嫌直してー」
「機嫌悪くなんてないです」
「ほら悪い」
そんなんじゃないって身じろぐとお湯がチャプンっと跳ねた。
僕は湯船のなか、後ろから抱き締められるように圭介さんの足の間に座っているから、自由に動けない。
圭介さんに包まれるように、僕は膝を抱えて丸くなって座る。
僕の濡れた髪を、お湯から顔を出す膝小僧を、ちょっと意固地になってほどかない腕を、圭介さんの手のひらは優しく撫でる。
こうやって背中を預けて触れ合えるのは嫌じゃないんだけど。
さきほどまでの記憶は今すぐ地平線の彼方に投げ捨てたい。
僕の内側をきれいにしたあと。
今度は体の外側をキレイにしようってお風呂に入ることになって。
圭介さんが僕を丁寧に洗ってくれるから、お礼に僕も圭介さんの体を洗って。
最後はお互いが泡をどれだけ相手に塗りつけるかの遊びみたいになってた。
そこまでは良かったんだ。楽しかったし。
だけど、ゆっくりお湯に浸かってるうちに、さっきの忘れたくて堪らないのに忘れられない記憶が疼いてきて。
やっぱりさ、僕はSEXにも夢を見ていたんだよ。
キスしてイチャイチャして、そういう雰囲気になったら体を重ねて。
そういうムードが大事なんじゃないの?
それなのに、ふたを開けたら結構生々しい感じで。
僕は理想と現実のギャップに打ちひしがれていた。
こんな思いをするなら事前にネットで調べておけば良かった。
圭介さんはネットの情報は嘘も多くて信頼できないって言うから見ないでいたけど。
必要なことは俺が教えるって、本当に教えてくれたけど。
心の準備をする時間は必要だよね!
「唯、今夜はもう、やめておく?」
圭介さんの腕が僕の腕に絡むように抱き締めてくる。
後ろから耳元で囁くのはズルいと思う。
何がズルいかはうまく言えないけど。
なんか僕の思考力が弱くなる感じする。
それにやめるってエッチしないってこと? それはどうなの?
確かに今の僕は子供みたいに拗ねてるけど。
ここでやめてしまったら、さっきの僕の頑張りは無駄になるってことだよね?
そんなのは嫌だ。あんなに頑張ったんだから、ちゃんと最後までやりたい。
「今さらやめるとか言わないでください」
僕の失った誇り分くらいは気持ちよくなりたい。
そこは譲れない。僕だって男だ。
圭介さんとのデートでランチを食べていたら、僕だけレディースサービスのデザートを付けられたりする女顔だけど。
ちゃんと付いてるものは付いてる。
「続けるなら、唯にはもっと頑張ってもらうことになるよ」
「それでも」
「俺は唯のこと好きだから、ツライことしたくない」
「僕だって圭介さんのことが大好きだから。続けたいです」
ここまできたら僕だって腹をくくる。
なにされて大丈夫。のはず。
圭介さんも僕に気を使いすぎないで。
初めてなんて戸惑って当然、ぐらいの勢いでガツンってやっちゃってよ。
「全部、圭介さんにお任せしちゃうけど。僕は圭介さんと最後までやりたい」
僕の決意表明を圭介さんは黙って聞いていた。
俯く僕の顎を圭介さんはくいっと後ろを振り向くように掴んで。
ゆったりとした、微睡むようなキス。
激しいキスも好きだけど、この穏やかなキスも癖になりそう。
このキスが圭介さんの答えなんだよね。
言葉がなくても伝わってくる。
僕達もうひとつになってる。
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