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くらげ

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魔女の子のこった4

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僕の準備は整った。
着付けはスペースも必要だしリビングに戻る。
着物用のインナーに着替えるために服を脱いでたら、ちょうど鈴村さんが帰ってきた。

「鈴村さん、おかえりなさい」

って、また脱いでる。
こっちまで歩きながらズボン脱がない! 服を捨てない!
女性の前で服を脱いだら、わいせつ物陳列罪で捕まっちゃいます!

鈴村さんの腰に飛びつくと、下着を押さえつけ、大事なところが露わにするのを阻止する。

「楓さんが来てるんですよ! なんで脱いでるんですか!」
「服は嫌いだ」

服を着るのが嫌いなのか。
それは知らなかった。
感覚過敏とかってやつ?
肌に触れる服の感覚が苦痛に感じる人もいるんだっけ。
僕にはない感覚だけど、本人がツラいなら脱いでも仕方ないのか? でも。

「鈴村さんの身体はキレイなんだから、そんな簡単に脱いじゃ駄目なんですよ」
「きれいじゃない」

どこが!?

「控えめながら適切に育てられた筋肉。シックスパックをうっすらおおう皮下脂肪でマッチョイズムを軽減。歪みのない背骨と羽が生えてきそうな肩甲骨。ハイヒール履いた時に映えるふくらはぎの拝復筋。全てがキレイでしょ?」

僕が欲しい身体がここにある!
毎日こつこつ育てたボディメイクもこの数日サボっただけで太ももの内側がたゆんってしちゃったんだよ!

「特に何もしてない」
「うそだー」
「嘘をつく理由がない」
「天然モノかよ」

神様は不公平ですー。

「しかも、朝よりフェイスラインがすっきりしてるし。エステに行ってますよね?」

最高の素材をさらに磨きあげるなんて。
努力を惜しまない、その姿勢に尊敬しかない。

「行ってきたのはカッサだよ。興味があるなら紹介してあげよう。合う合わないは個人差があるけれど。私は気に入ってる」

カッサは丸い石や骨を使ってリンパマッサージをするやつ。
テレビで見たことがある。リフトアップや小顔効果がのぞめるって。
鈴村さん御用達の美容サロン。その紹介はすごく嬉しい。

「私だって手間をかけるところはかけている。だいたいサクラの方がきれいだ。肌だってハリがあって傷ひとつない」
「それは若さというアドバンテージであって年齢とともに失う諸刃の剣です」

言わせないで悲しくなるから。
それと傷のことを気にしてるなら、そこまでネガティブになる必要はない。

「美しいものは傷ついても美しいんです。ミロのビーナスもそうでしょう?‌ 割れた茶器には金継ぎを施して。軍艦島のような廃墟すら愛でる。日本人のDNAに刻まれた荒廃的な美に対する感受性をなめちゃいけません!」

僕は鈴村さんの傷を美術品のように感じる。
怪我をしたバッググラウンドも含めたメッセージ性の高いアートなんだ。

とにかく女性の前での露出は駄目なので。
しぶしぶでもTシャツを着てくれて良かった。
下着脱いじゃうのはもういいよ。シャツの丈長めだし。
覗き込まなきゃ中は見えない。
見えなきゃ履いてるか履いてないか外から分からない。
これでようやく僕も安心して着物に着替えられる。
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