恋愛サティスファクション

くらげ

文字の大きさ
上 下
40 / 429
恋愛サティスファクション

バレンタインぱーりーぴーぽー10

しおりを挟む
玲司君は圭介さんのおうちの場所も知ってるみたいなので、タクシーの運転手さんへの説明はお任せ。
僕一人だったら住所書いたメモ渡してスマホのメモ帳をメッセージボード代わりに細かい指示を伝えることになる。
めんどくさいし玲司君が一緒にいてくれて良かった。

なんて考えてたら、圭介さんの自宅マンションに到着。
心配して玲司君も部屋まで一緒に来てくれることになった。

「おーい。圭いるかー? ウサギ連れ帰ってきたぞー」

玲司君が玄関に入って呼び掛けるけど、返事はない。
お部屋は冷たいままだし、圭介さんは帰ってきてないみたい。
どうしたんだろう。
もしかして、本当に事故にあってるとか。

「とりあえず、お前はシャワー浴びて着替えてこい」

そうだよね。まずは着替えなきゃ。
圭介さんを探しにもいけない。
着替えるためにコレクションルームに向かう。
玲司君もその後ろを着いてきているから、お部屋に詰め込まれた圭介さんのコレクターズアイテムの山を見せることになって。

あっ。そういえば、このコレクションを人に見せても良かったのかなって思ったけど。
お部屋を見た玲司君が呆れた声を溢した。

「うわっ。服が増殖してる。きもっ!!!」

キモくないよ。素敵だよ。

玲司君は圭介さんのコレクションのことを知ってたんだ。
考えてみれば玲司君は皇子様系モデルなんだし、ロリータアイテムコレクターの圭介さんと、そっちの趣味で仲良くなってておかしくないよね。
それなら気にしなくても良いかな。

普通にヘッドドレスをはずしてファーマントやワンピースを脱いでいく。
さすがに下着までは人前で脱ぐ気になれなくて、ドロワーズを履いたまま脱衣所へ。

玲司君が堂々と僕の後ろをついてくる。
ここから先はついてきちゃ駄目。
リビングで待っててよ。

残りは一人になったのを確認してから脱いだ。
ウィッグをはずして、メイクも落として、シャワーを浴びれば。
鏡のなかにはいつもの僕@パジャマモード。
不安な気持ちも少し落ち着いた。

リビングの扉を開ける前に、扉のガラスを覗いて中の様子を窺ってみると。
玲司君はソファに座ってスパークリングミネラルウォーターを飲みながらスマホを触っていた。
誰かと連絡を取ってるのかな?
扉を開けて、玲司君に声をかける。

「圭介さんとは連絡とれた?」
「うおぉっ!」
「どうしたの?玲司君?」

濡れた髪の毛をタオルで押さえながら、ソファに近付く。

「どうしたの? じゃねえ。本当に話せたんだな」
「うん。外で話さないのはロリータのとき限定。ジェスチャーでの会話に付き合ってくれてありがとうね。面倒だったでしょ?」
「どうせあそこじゃ煩くてろくに話せなかったから、それは気にするな。あぁいうのも悪くねぇ。それよりなんだよ、その変わりっぷり。詐欺かよっ!」

あぁ。僕の格好が普段のバージョンに戻ったからビックリしてるのか。
たしかに、知らない人が見たら驚くかも。
素の僕はただの地味メンだから。

「詐欺じゃないよ。メイクで化けてただけだよ。それに詐欺っていうなら玲司君だって。ぜんぜんRoi君っぽくないじゃん」
「オレはあれが仕事なんだからいーの」
「僕だってあれが趣味なんだからいーの。それより、圭介さんだよ。まだ帰ってきてないとか、どこかで交通事故にでもあってるんじゃないかって僕は思うんだ」
「あぁ。圭なら、さっき佐倉のスマホに電話きたぞ。なんか詳しくは聞いてねぇが、仕事先でトラブルがあって今夜は帰れないってよ」

圭介さんの職場って区役所だけど。
帰れないくらいのトラブルって何だろう。
想像もできないや。

「圭介さんが怪我したとかではないんだね」
「ああ。そういうのじゃないって。だから佐倉は先に寝ててくれって伝言された」
「伝言よりも直接話したかった。お風呂場までスマホ持ってきてくれたら良かったのに。それ、生活防水だからお風呂でも大丈夫なやつ」
「それは圭が嫌がったんだよ。お前のシャワーシーンをオレに見せたくないんだとさ。なんであんな独占欲の塊が好きかねぇ」
「一目惚れだもん。理由なんてないよ」
「ノロケはよそでやれ」

ひどいなぁ。友達なら恋バナくらい聞いてよ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

女装とメス調教をさせられ、担任だった教師の亡くなった奥さんの代わりをさせられる元教え子の男

湊戸アサギリ
BL
また女装メス調教です。見ていただきありがとうございます。 何も知らない息子視点です。今回はエロ無しです。他の作品もよろしくお願いします。

初恋の幼馴染の女の子の恰好をさせられメス調教もされて「彼女」の代わりをさせられる男の娘シンガー

湊戸アサギリ
BL
またメス調教ものです。今回はエロ無しです。女装で押し倒されいますがエロはありません 女装させられ、女の代わりをさせられる屈辱路線です。メス調教ものは他にも書いていますのでよろしくお願いいたします

クラスの仲良かったオタクに調教と豊胸をされて好みの嫁にされたオタクに優しいギャル男

湊戸アサギリ
BL
※メス化、男の娘化、シーメール化要素があります。オタクくんと付き合ったギャル男がメスにされています。手術で豊胸した描写があります。これをBLって呼んでいいのかわからないです いわゆるオタクに優しいギャル男の話になります。色々ご想像にお任せします。本番はありませんが下ネタ言ってますのでR15です 閲覧ありがとうございます。他の作品もよろしくお願いします

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

トリビアのイズミ 「小学6年生の男児は、女児用のパンツをはくと100%勃起する」

九拾七
大衆娯楽
かつての人気テレビ番組をオマージュしたものです。 現代ではありえない倫理観なのでご注意を。

6年生になっても

ryo
大衆娯楽
おもらしが治らない女の子が集団生活に苦戦するお話です。

処理中です...