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第四章 脚光を浴びる
第145話 セドリック対アラン
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準決勝戦は熾烈を極めた。俺とケイテルという女闘士の戦いは俺の安定した勝ちで進んだが、Cブロック対Dブロック…即ちセドリック対ブレアはお互いに容赦した条件下ではあるもののそれまでとは規模が違う戦いになった。お陰様でルフィノが『実況が追い付かないからもう少し落ち着いて戦え』と懇願し出す始末である。まあ、俺含む彼らの化け物さをよく知っている人達は『平常運転か』が感想である。
この試合はブレアが5分の時を耐え切れなかったのと、単純に武器の性能などの細かいステータスで負けてしまった。この試合ではそれまで防御力に任せて突撃を繰り返していたブレアも剣を持ち、フルに不可視攻撃を繰り出したが、彼の不可視攻撃はセドリックに通用しなかった。
確かに、ブレアの不可視攻撃は確かに魔力を見れない人からしたら十分すぎる脅威である。ただ、俺とセドリックは魔力の流れが見える上、固めた物質の軌道は基本一直線。俺たちの攻撃の様に魔力で軌道を曲げれない為、どうしても物量に頼らざるを得ないのだ。これの攻略はスキル『心眼・極』の有無だけで大きく変わる。
…裏を返せば、滅茶苦茶相性の悪い相手と日常的に戦っている訳だから、戦術の伸び方も尋常じゃないが。
そんなこんなで、決勝戦は俺対セドリックと言う、まぁ…予想出来た構図になった。ちなみに試合前、契約中使用をどうするかについて聞かれたが、全力で断った。俺1人でセドリックとレシアルドを同時に相手取るなんて不可能に等しい。
「さぁさぁさぁ!いよいよ交流戦も佳境!これより決勝戦を始めさせて頂きます!」
これまでで一番でっかい雄叫びが会場に響き渡る。やはり決勝戦と言う前提と先程の試合で化け物じみた戦い方をした事が影響して視線を集めている様だ。
「ステージはぁ!『森と草原の境目』!対戦相手はぁ…アラン・ベネットとセドリック・ベネットオオオォォォォ!兄弟での戦いだあああぁぁぁぁぁぁ!!!!」
俺たちはそれぞれの剣を腰に携えた状態でステージに登場する。この時、既に俺たちの頭の中では100でも200でも戦いが繰り広げられ、あらゆる手に対し対処する準備を整えている。
「両者ステージに登場しました!さてさてオードラさん、彼らの最終的な分析はどう解釈されますか?」
「そうですね…セドリック氏は言わずもがな先程の試合からおよそ人間離れした戦闘を見せてくれています。まず間違い無くこの試合では先程以上の戦闘を見せるでしょう。アラン氏はセドリック氏ほど明確なぶっ壊れな感じはありませんが、それ以外で使った魔法が凄まじいです。あの様な幻視魔法や高度な送音魔法は構造もさることながら維持するのにどれだけの魔力を使うのか定かではありません。なので個人的には十分セドリック氏と同格の力は持っていると推測されます。正直なところ彼らを普通の人間の基準で推し量るには少々無理がある気がします」
「ふむふむ!確かにそれは正鵠を射ていますねぇ!」
おおう…ど直球に言われると響く物がありますわい、オードラよぉ…ルフィノも同調するな。
「さぁ解説も頂いたところで始めましょう!交流戦、決勝戦!アラン・ベネット対セドリック・ベネット…初めえ!」
俺たちはそれと同時に剣に魔力を流し臨戦態勢を整える。更に膨大な魔力を噴出し合い、闘技場のステージの壁から1アブデリ程の距離にに心置き無く戦える耐衝撃結界を20枚程展開し、更に観客席と結界の間に長い空間を挟み万が一にも余波が飛んで行かない様にした。
放出された魔力はぶつかり合い、境界に壁の様な魔力の塊が形成される。抜いた剣が俺の魔力に呼応し、内包する全ての空間が活動を開始する。下手に扱えば鞘から抜いた時に斬った空間の衝撃で王都が真っ二つになるだろうこの剣が伸び伸びと戦える状況まで準備を整えた俺たちは、お互い剣を一度振るった。逆袈裟で斬り上げた剣から膨大な質量を携えた斬撃が放たれ、ぶつかり合う。
俺は斬撃のせめぎ合い方や重さでセドリックも冗談では語れない魔力を揮っている事を判断する。
その時、セドリックが一気に数百の魔法を展開した。俺はソレを爆発性の火炎弾を発射するものと判断する。ソレに対抗する為に俺は同じく数百の凍結性の光線を用意し、同時に放つ。
絶対零度の氷結晶と10万℃を超える炎弾がぶつかり合う。氷を燃やし、炎を凍らせる2つの力が鬩ぎ合い、絶え間無く攻撃の余波が発生する。
更に全方向に風の刃を飛ばす竜巻を7つ出現させ、氷の光線と共に攻撃する。直後、セドリックが竜巻を貫通して光の矢を200本程に闇の力を有する石礫を300個程飛ばした。鋭利な刃物を軽く超える切れ味を持っているだろう石や矢を俺は次手を警戒しつつ撃ち落とす。
ヒュカカカカカ!
剣の一振りでまとめて50程の石を斬り落とした俺はそのままセドリックに向かって突進する。
この試合はブレアが5分の時を耐え切れなかったのと、単純に武器の性能などの細かいステータスで負けてしまった。この試合ではそれまで防御力に任せて突撃を繰り返していたブレアも剣を持ち、フルに不可視攻撃を繰り出したが、彼の不可視攻撃はセドリックに通用しなかった。
確かに、ブレアの不可視攻撃は確かに魔力を見れない人からしたら十分すぎる脅威である。ただ、俺とセドリックは魔力の流れが見える上、固めた物質の軌道は基本一直線。俺たちの攻撃の様に魔力で軌道を曲げれない為、どうしても物量に頼らざるを得ないのだ。これの攻略はスキル『心眼・極』の有無だけで大きく変わる。
…裏を返せば、滅茶苦茶相性の悪い相手と日常的に戦っている訳だから、戦術の伸び方も尋常じゃないが。
そんなこんなで、決勝戦は俺対セドリックと言う、まぁ…予想出来た構図になった。ちなみに試合前、契約中使用をどうするかについて聞かれたが、全力で断った。俺1人でセドリックとレシアルドを同時に相手取るなんて不可能に等しい。
「さぁさぁさぁ!いよいよ交流戦も佳境!これより決勝戦を始めさせて頂きます!」
これまでで一番でっかい雄叫びが会場に響き渡る。やはり決勝戦と言う前提と先程の試合で化け物じみた戦い方をした事が影響して視線を集めている様だ。
「ステージはぁ!『森と草原の境目』!対戦相手はぁ…アラン・ベネットとセドリック・ベネットオオオォォォォ!兄弟での戦いだあああぁぁぁぁぁぁ!!!!」
俺たちはそれぞれの剣を腰に携えた状態でステージに登場する。この時、既に俺たちの頭の中では100でも200でも戦いが繰り広げられ、あらゆる手に対し対処する準備を整えている。
「両者ステージに登場しました!さてさてオードラさん、彼らの最終的な分析はどう解釈されますか?」
「そうですね…セドリック氏は言わずもがな先程の試合からおよそ人間離れした戦闘を見せてくれています。まず間違い無くこの試合では先程以上の戦闘を見せるでしょう。アラン氏はセドリック氏ほど明確なぶっ壊れな感じはありませんが、それ以外で使った魔法が凄まじいです。あの様な幻視魔法や高度な送音魔法は構造もさることながら維持するのにどれだけの魔力を使うのか定かではありません。なので個人的には十分セドリック氏と同格の力は持っていると推測されます。正直なところ彼らを普通の人間の基準で推し量るには少々無理がある気がします」
「ふむふむ!確かにそれは正鵠を射ていますねぇ!」
おおう…ど直球に言われると響く物がありますわい、オードラよぉ…ルフィノも同調するな。
「さぁ解説も頂いたところで始めましょう!交流戦、決勝戦!アラン・ベネット対セドリック・ベネット…初めえ!」
俺たちはそれと同時に剣に魔力を流し臨戦態勢を整える。更に膨大な魔力を噴出し合い、闘技場のステージの壁から1アブデリ程の距離にに心置き無く戦える耐衝撃結界を20枚程展開し、更に観客席と結界の間に長い空間を挟み万が一にも余波が飛んで行かない様にした。
放出された魔力はぶつかり合い、境界に壁の様な魔力の塊が形成される。抜いた剣が俺の魔力に呼応し、内包する全ての空間が活動を開始する。下手に扱えば鞘から抜いた時に斬った空間の衝撃で王都が真っ二つになるだろうこの剣が伸び伸びと戦える状況まで準備を整えた俺たちは、お互い剣を一度振るった。逆袈裟で斬り上げた剣から膨大な質量を携えた斬撃が放たれ、ぶつかり合う。
俺は斬撃のせめぎ合い方や重さでセドリックも冗談では語れない魔力を揮っている事を判断する。
その時、セドリックが一気に数百の魔法を展開した。俺はソレを爆発性の火炎弾を発射するものと判断する。ソレに対抗する為に俺は同じく数百の凍結性の光線を用意し、同時に放つ。
絶対零度の氷結晶と10万℃を超える炎弾がぶつかり合う。氷を燃やし、炎を凍らせる2つの力が鬩ぎ合い、絶え間無く攻撃の余波が発生する。
更に全方向に風の刃を飛ばす竜巻を7つ出現させ、氷の光線と共に攻撃する。直後、セドリックが竜巻を貫通して光の矢を200本程に闇の力を有する石礫を300個程飛ばした。鋭利な刃物を軽く超える切れ味を持っているだろう石や矢を俺は次手を警戒しつつ撃ち落とす。
ヒュカカカカカ!
剣の一振りでまとめて50程の石を斬り落とした俺はそのままセドリックに向かって突進する。
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