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第四章 脚光を浴びる
第101話 超速フラグ回収
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ひとまず各々の…ステーキやらサラダやらを注文した俺たちは、しばしの暇を
持つ。その間、俺たちは雑談に興じた。話を切り出したのはレシアルド。
「そういえば銃とはどうやって作っているのだ?」
確かに、銃はこの世界に存在しない武器だ。鍛錬して使い慣れているとは言え、
当然の疑問だろう。いつも出しているのはスキルで出したレプリカだし。
「あー…まず弾丸を作るでしょ?装填出来なきゃ意味が無いし。他の銃と共通の
弾を使う時は良いんだけど、特別な銃とかは一から術式を組まなくちゃ
ならないし。次に弾の通り道と外枠を作って、間に威力増強だの弾丸製造だの
自動装填だの弾速上昇だの色々組んで、最後に弾の通り道の型を取る。
んで、マガジンを作って嵌め込めば完成って事。基本はこれで作ってる」
前世で銃を製造してるなんて知られたら何個の法に触れるか分かった物
じゃないが、ここは異世界。更に実戦に登用された事も数える程しかない上に、
基本悪意を持って使う人には反応しない様に出来ている(セドリックの協力)。
だから安心して…と言うわけでは無いが、趣味程度に作れる訳だ。
その時、丁度ウェイターが料理を運んできた。
「お持ちしました。ペルル牛のステーキにペレットピザトースト、それに
サラダになります」
デッカいステーキと6枚のピザトーストにサラダが置かれる。3品しか頼んで
無いが、1品の圧力が強過ぎるせいでどうしても物量を感じる。
「ごゆっくりどうぞ」
ウェイターがそう言うが早く、俺たちは早々に食べ始める。特に運動した
わけでも無いが、この若い肉体は際限なく食事を求めるのだ。
…仮に食べ切れなかったとしても、数十人前を軽く平らげるレシアルドがいるし。
そんなこんな15分程で半分くらいを平らげた俺たちは、一度喉を潤す目的で
小休止を挟む。未だ素性不明の少年に集まる視線は多いが、当の少年は若干
顔色が優れていない。ま、この注目に晒されたらそうなるわな。
その時、ブレアがふと思い出した様に言った。
「そう言えば、俺たちが食事している時って何かと事件起きるよね。今回も
起こったり?」
「まさかぁ。何も珍しい事して無いし、わざわざ角席の俺達に声をかける
物好きなんていないでしょ」
…超フラグ立っている気がする。風に吹かれてはためいているぞ。
ま、この状況では流石に無いだろうが、な。
その後水を飲み、再び食い始めて2分ほど経った時にそれは起こった。
ガッチャアン!とけたたましい音が店内に響き渡った。俺とセドリックは
振り向くより早く探知を発動し、何がどこで起こったのかを探る。
同時にレシアルドは臨戦体制を整え、ブレアは保持で腕を覆う。
そこまでにかかった時間は瞬きより短かった。
しかし、音の原因は特にならず者が入店したとかそう言うことはなく、
店内の一席にあった事を悟った。
「超速フラグ回収、と言うべきか…」
発生源は、先程結界で覆われていたあの少年が座っていた席。そして、見れば
少年が地面に倒れ伏しているでは無いか。少年の腕や頬は赤くなり、所々に
発疹している。呼吸は荒くなり、ゼーゼーと喘息の様に息をしている。
すぐさま俺は自らの持つ医療系の漫画・小説の知識にアクセスし、この場で
発し得る症状と照らし合わせる。
赤い皮膚、鳥肌の様な発疹、30分前までの健康さ、呼吸の荒さ。
「不味いな!」
俺はこの病気…否、反応の正体の最も高い可能性に直ぐに行き着く。
俺はそのまま席を飛び出し、少年の座っていた席の近くに立つ。
「フンッ!!」
一息に結界を魔力で突き破った。後でなんと言われようが、今は少年の身を
優先するべき!説教なら甘んじて受けよう!
少年の両親は俺を見て、そして叫んだ。
「な、なんですかあなたは!」
「通りすがりの医者です!この子の症状に覚えがあるので治療します!」
全然医者じゃありません。って言うか、この世界に医者って言う
職業あんの?だが、後半は本当だ。
「治癒魔法なら結構です、私も光属性を持っているので!」
「恐らく治癒では治せません!」
アレルギー。体が過剰に一定の物質に反応し拒絶してしまう症状。
病気やその類では無く、ただ『対象を食べるだけ』で発症してしまう。
それならば、体の免疫や抵抗力などを促進したり本来の肉体に再生させたり
する治癒魔法は無効化…最悪の場合、拒絶反応を促進する可能性もある。
俺は迷う事なく鑑定を発動する。
…………………………
名前:テレッド・ログワート
種族:人族
性別:男
年齢:8
健康状態:かなり危険
傷病:エビアレルギー発症
呼吸不全、蕁麻疹、意識混濁、血管膨張、血圧低下
…………………………
異世界だろうと日本だろうと、こう言った病気や体質は存在するのだな…と
俺は1人微妙な気持ちになるのだった。
持つ。その間、俺たちは雑談に興じた。話を切り出したのはレシアルド。
「そういえば銃とはどうやって作っているのだ?」
確かに、銃はこの世界に存在しない武器だ。鍛錬して使い慣れているとは言え、
当然の疑問だろう。いつも出しているのはスキルで出したレプリカだし。
「あー…まず弾丸を作るでしょ?装填出来なきゃ意味が無いし。他の銃と共通の
弾を使う時は良いんだけど、特別な銃とかは一から術式を組まなくちゃ
ならないし。次に弾の通り道と外枠を作って、間に威力増強だの弾丸製造だの
自動装填だの弾速上昇だの色々組んで、最後に弾の通り道の型を取る。
んで、マガジンを作って嵌め込めば完成って事。基本はこれで作ってる」
前世で銃を製造してるなんて知られたら何個の法に触れるか分かった物
じゃないが、ここは異世界。更に実戦に登用された事も数える程しかない上に、
基本悪意を持って使う人には反応しない様に出来ている(セドリックの協力)。
だから安心して…と言うわけでは無いが、趣味程度に作れる訳だ。
その時、丁度ウェイターが料理を運んできた。
「お持ちしました。ペルル牛のステーキにペレットピザトースト、それに
サラダになります」
デッカいステーキと6枚のピザトーストにサラダが置かれる。3品しか頼んで
無いが、1品の圧力が強過ぎるせいでどうしても物量を感じる。
「ごゆっくりどうぞ」
ウェイターがそう言うが早く、俺たちは早々に食べ始める。特に運動した
わけでも無いが、この若い肉体は際限なく食事を求めるのだ。
…仮に食べ切れなかったとしても、数十人前を軽く平らげるレシアルドがいるし。
そんなこんな15分程で半分くらいを平らげた俺たちは、一度喉を潤す目的で
小休止を挟む。未だ素性不明の少年に集まる視線は多いが、当の少年は若干
顔色が優れていない。ま、この注目に晒されたらそうなるわな。
その時、ブレアがふと思い出した様に言った。
「そう言えば、俺たちが食事している時って何かと事件起きるよね。今回も
起こったり?」
「まさかぁ。何も珍しい事して無いし、わざわざ角席の俺達に声をかける
物好きなんていないでしょ」
…超フラグ立っている気がする。風に吹かれてはためいているぞ。
ま、この状況では流石に無いだろうが、な。
その後水を飲み、再び食い始めて2分ほど経った時にそれは起こった。
ガッチャアン!とけたたましい音が店内に響き渡った。俺とセドリックは
振り向くより早く探知を発動し、何がどこで起こったのかを探る。
同時にレシアルドは臨戦体制を整え、ブレアは保持で腕を覆う。
そこまでにかかった時間は瞬きより短かった。
しかし、音の原因は特にならず者が入店したとかそう言うことはなく、
店内の一席にあった事を悟った。
「超速フラグ回収、と言うべきか…」
発生源は、先程結界で覆われていたあの少年が座っていた席。そして、見れば
少年が地面に倒れ伏しているでは無いか。少年の腕や頬は赤くなり、所々に
発疹している。呼吸は荒くなり、ゼーゼーと喘息の様に息をしている。
すぐさま俺は自らの持つ医療系の漫画・小説の知識にアクセスし、この場で
発し得る症状と照らし合わせる。
赤い皮膚、鳥肌の様な発疹、30分前までの健康さ、呼吸の荒さ。
「不味いな!」
俺はこの病気…否、反応の正体の最も高い可能性に直ぐに行き着く。
俺はそのまま席を飛び出し、少年の座っていた席の近くに立つ。
「フンッ!!」
一息に結界を魔力で突き破った。後でなんと言われようが、今は少年の身を
優先するべき!説教なら甘んじて受けよう!
少年の両親は俺を見て、そして叫んだ。
「な、なんですかあなたは!」
「通りすがりの医者です!この子の症状に覚えがあるので治療します!」
全然医者じゃありません。って言うか、この世界に医者って言う
職業あんの?だが、後半は本当だ。
「治癒魔法なら結構です、私も光属性を持っているので!」
「恐らく治癒では治せません!」
アレルギー。体が過剰に一定の物質に反応し拒絶してしまう症状。
病気やその類では無く、ただ『対象を食べるだけ』で発症してしまう。
それならば、体の免疫や抵抗力などを促進したり本来の肉体に再生させたり
する治癒魔法は無効化…最悪の場合、拒絶反応を促進する可能性もある。
俺は迷う事なく鑑定を発動する。
…………………………
名前:テレッド・ログワート
種族:人族
性別:男
年齢:8
健康状態:かなり危険
傷病:エビアレルギー発症
呼吸不全、蕁麻疹、意識混濁、血管膨張、血圧低下
…………………………
異世界だろうと日本だろうと、こう言った病気や体質は存在するのだな…と
俺は1人微妙な気持ちになるのだった。
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