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第三章 成長
第52話 竜vs神
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その試合は、すぐに始まるわけではなかった。
お互い見合い、そのまま暫し牽制し合っているように見える。その間に流れる空気
は、何も無いように見えるが裏にある気配をひしひしと感じさせた。
セドリックは一歩下がって足に魔力を込める。それに反応し、竜さんも複数の魔法
を展開して迎撃体制を整える。
《来い!》
その一声と同時に、セドリックは一身に懐に飛び込む。そのまま巨体の下に入り、
上に巻き上げる斬撃と爆発を打ち出した。この巨体でそれをどう避けるか。
しかし竜さんは、避けるなどせず直にそれを受けた。白光りする鱗は、
セドリックの攻撃を一つ残らず弾き、僅かに受けた傷をすぐに塞いだ。
そしてその体制で、魔法を発動する。腹下の鱗が爛々と光って発動を知らせる。
「危ない!」
セドリックは剣先で地面を押して勢いを相殺し、そのまま地面を蹴って
飛び退いた。その刹那、光った鱗が爆発し、周囲を土煙に包ませる。
…初手は失敗と言って良いだろう。しかし、これしきで終わるような男
ではない。セドリックは。
《それしきでは我の体に傷はつけれぬぞ!》
「わかってるよ!そんな事!」
翼の羽ばたき一つで、辺りを抉る風が吹き荒れる。セドリックはそれらを
纏めて作った防御壁で受け、軌道を逸らして回避した。
翼攻撃が終わったと思ったら、今度は青色の目の頭の口先に魔力を収束させ
一気にそれを放った。思わず呟いた。
「ブレスだ…」
淡い青色のそれは一直線にセドリックに向かって来る。セドリックは
それを避けなかった。ブレスで上手く隠してはいるが、ブレス周りに抉り風
が吹き荒れている。避けたら一段階遅れて来たそれらに斬られてお陀仏だ。
って、待って。
こっち来てる!流れ弾が!
「え、ちょ、待っ!」
その場で踊るように避ける。危なかったぁ。俺は今更ながら結界を張って
その中から観戦する。外ではセドリックが、連射される炎弾を魔法で
捌いている最中だった。そのまま瞬間移動して、即席のナイフを投げる。
それらは翼に飛んでいき、当たった。
ガキイン!
《重みが足りん!…む!?》
翼を一つ見た竜さんは、再びセドリックを見る。そして、彼が持っている武器を
本能的に危険だと察知したのか、地面に降りて防御結界を展開した。
ダダダダン!ダダダダン!ダダダダン!
4発装填の銃を連射し、竜さんの動きを止める。前世の4弾銃をモデルに作られた
その銃は自動弾丸生成、装填機能により連射で相手の動きを封じるのに特化
した物だが、まさか竜という巨体にも有効か。
《その武器は初めて見るのお。ここに居た間に随分外の世界は変わったのか!》
「いいや、これは僕たちが作った武器だよ!」
セドリックは4弾銃を消して、オートマチックピストルを作り左手に持つ。
そのまま右手の剣で切り掛かる。すると、隣で同じく観戦していたブレアが
感嘆の声を上げた。
「相手が知らない武器を使って攻略される前に勝負をつける…か。凄い」
今セドリックが持っている銃は破壊に特化しているので連射こそ遅いが壁に
当てるだけでも十分錯乱には使える。
ダン!ドゴオン!
彼の思惑通りか否か、竜さんは着弾点の尻尾を見た。やはり、破壊力は
流石だ。一瞬気がそれたその隙に、セドリックは渾身の突きを叩き込む。
バリイン!パラパラ…
竜さんの防御結界が破れた。これには竜さんも想定外らしく、顔で胸元を
見ている。
《凄まじい威力だ。避けるのも難しい。是非その武器を扱いたいものだ》
「この勝負で僕が勝ったら、幾らでも使える…よ!」
破れた結界の部分に接近し、防御壁付きの爆発を発生させた。竜さんは
呻き声を上げ、その場から離れる。セドリックもそれを見逃す筈なく、
近づきながら弾丸を撃ち込む。
ダン!ダン!
《うう…良い魔法だ。だが!》
竜さんは思い切り咆哮を上げた。それと同時に、放った弾がその場で霧散した。
《こうすれば使えまい!》
そのまま飛び上がり、空中から爆撃を仕掛けて来る。火属性の大規模爆発。
その威力は隕石を彷彿とさせた。
「ふ!は!おりゃ!」
再び、セドリックはナイフを投げる。
《見慣れた!》
そう言って竜さんは避けた。しかし、それだけでは終わらない。
「八方封爆弾!」
ナイフが弾けて爆発を起こし、更に八つの爆薬を飛ばすことでもう一度時間差で
爆発を起こす。衝撃波で竜さんは少しよろけた。しかし直ぐに体勢を
立て直し、ミサイルのように突っ込んでくる。
《爆発が好きよのう!ならこれは好きか!砲丸弾!》
セドリック向かって一直線に突っ込んで来る。全身が光っているのを見る限り、
恐らく、いや確実に自爆技だろう。異常な再生能力と耐久力が有るからこその
技だ。
バガアアアンン!!!
周囲に瓦礫やら火の粉やらが飛び散った。
さて、これをどう切り抜ける、セドリック。
お互い見合い、そのまま暫し牽制し合っているように見える。その間に流れる空気
は、何も無いように見えるが裏にある気配をひしひしと感じさせた。
セドリックは一歩下がって足に魔力を込める。それに反応し、竜さんも複数の魔法
を展開して迎撃体制を整える。
《来い!》
その一声と同時に、セドリックは一身に懐に飛び込む。そのまま巨体の下に入り、
上に巻き上げる斬撃と爆発を打ち出した。この巨体でそれをどう避けるか。
しかし竜さんは、避けるなどせず直にそれを受けた。白光りする鱗は、
セドリックの攻撃を一つ残らず弾き、僅かに受けた傷をすぐに塞いだ。
そしてその体制で、魔法を発動する。腹下の鱗が爛々と光って発動を知らせる。
「危ない!」
セドリックは剣先で地面を押して勢いを相殺し、そのまま地面を蹴って
飛び退いた。その刹那、光った鱗が爆発し、周囲を土煙に包ませる。
…初手は失敗と言って良いだろう。しかし、これしきで終わるような男
ではない。セドリックは。
《それしきでは我の体に傷はつけれぬぞ!》
「わかってるよ!そんな事!」
翼の羽ばたき一つで、辺りを抉る風が吹き荒れる。セドリックはそれらを
纏めて作った防御壁で受け、軌道を逸らして回避した。
翼攻撃が終わったと思ったら、今度は青色の目の頭の口先に魔力を収束させ
一気にそれを放った。思わず呟いた。
「ブレスだ…」
淡い青色のそれは一直線にセドリックに向かって来る。セドリックは
それを避けなかった。ブレスで上手く隠してはいるが、ブレス周りに抉り風
が吹き荒れている。避けたら一段階遅れて来たそれらに斬られてお陀仏だ。
って、待って。
こっち来てる!流れ弾が!
「え、ちょ、待っ!」
その場で踊るように避ける。危なかったぁ。俺は今更ながら結界を張って
その中から観戦する。外ではセドリックが、連射される炎弾を魔法で
捌いている最中だった。そのまま瞬間移動して、即席のナイフを投げる。
それらは翼に飛んでいき、当たった。
ガキイン!
《重みが足りん!…む!?》
翼を一つ見た竜さんは、再びセドリックを見る。そして、彼が持っている武器を
本能的に危険だと察知したのか、地面に降りて防御結界を展開した。
ダダダダン!ダダダダン!ダダダダン!
4発装填の銃を連射し、竜さんの動きを止める。前世の4弾銃をモデルに作られた
その銃は自動弾丸生成、装填機能により連射で相手の動きを封じるのに特化
した物だが、まさか竜という巨体にも有効か。
《その武器は初めて見るのお。ここに居た間に随分外の世界は変わったのか!》
「いいや、これは僕たちが作った武器だよ!」
セドリックは4弾銃を消して、オートマチックピストルを作り左手に持つ。
そのまま右手の剣で切り掛かる。すると、隣で同じく観戦していたブレアが
感嘆の声を上げた。
「相手が知らない武器を使って攻略される前に勝負をつける…か。凄い」
今セドリックが持っている銃は破壊に特化しているので連射こそ遅いが壁に
当てるだけでも十分錯乱には使える。
ダン!ドゴオン!
彼の思惑通りか否か、竜さんは着弾点の尻尾を見た。やはり、破壊力は
流石だ。一瞬気がそれたその隙に、セドリックは渾身の突きを叩き込む。
バリイン!パラパラ…
竜さんの防御結界が破れた。これには竜さんも想定外らしく、顔で胸元を
見ている。
《凄まじい威力だ。避けるのも難しい。是非その武器を扱いたいものだ》
「この勝負で僕が勝ったら、幾らでも使える…よ!」
破れた結界の部分に接近し、防御壁付きの爆発を発生させた。竜さんは
呻き声を上げ、その場から離れる。セドリックもそれを見逃す筈なく、
近づきながら弾丸を撃ち込む。
ダン!ダン!
《うう…良い魔法だ。だが!》
竜さんは思い切り咆哮を上げた。それと同時に、放った弾がその場で霧散した。
《こうすれば使えまい!》
そのまま飛び上がり、空中から爆撃を仕掛けて来る。火属性の大規模爆発。
その威力は隕石を彷彿とさせた。
「ふ!は!おりゃ!」
再び、セドリックはナイフを投げる。
《見慣れた!》
そう言って竜さんは避けた。しかし、それだけでは終わらない。
「八方封爆弾!」
ナイフが弾けて爆発を起こし、更に八つの爆薬を飛ばすことでもう一度時間差で
爆発を起こす。衝撃波で竜さんは少しよろけた。しかし直ぐに体勢を
立て直し、ミサイルのように突っ込んでくる。
《爆発が好きよのう!ならこれは好きか!砲丸弾!》
セドリック向かって一直線に突っ込んで来る。全身が光っているのを見る限り、
恐らく、いや確実に自爆技だろう。異常な再生能力と耐久力が有るからこその
技だ。
バガアアアンン!!!
周囲に瓦礫やら火の粉やらが飛び散った。
さて、これをどう切り抜ける、セドリック。
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