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第二章 駆け出し

第12話 初依頼と…

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次の日。

「っあ~よく寝た~」
「起きるの遅いよ。もうすぐ朝食の受付始まっちゃうよ」

欠伸をしながらベットを出て服を取り出す。

「ごめんごめん。すぐ着替えるから許して」
「嫌だと言ったら?」
「…ノーコメント」
「ねえごめんって!」

そんないつも通りのやりとりを交わしながら、俺は普段着に着替える。「行こ」と声をかけて一緒に下に降りる。

「お目覚めかい!朝食はもう出来てるから、食堂で食べてくんな!」
「おはようございます、女将さん」
「ブレンダさんと呼んでおくれ!」
「分かりました、ブレンダさん」
「ははは、素直だねぇ!素直なのはいい事だ!」
「ありがとうございます、じゃ!」
「はいよ!いい1日を!」

やっぱりブレンダさんの勢いはちょっと慣れない。嫌いじゃないけど。食堂でパンと焼きベーコンの様なものやサラダを頬張り、朝食を終えた俺らは宿を出た。

「じゃ、腹ごしらえも終わったしギルドに向かお」
「だね」

俺たちはてくてくと冒険者ギルドに歩いて向かう。4~5分で冒険者ギルドに着き、扉を開けて中に入る。

「すいません、依頼の受注をしに来たのですが…」
「ああ、昨日の方ですね。依頼はあちらのボードに纏めて貼ってあります」

俺が声を掛けるとアリシアさんはすぐに案内してくれた。俺たちは案内に従い、軽くボードを見て、『Fランク』と書かれた依頼書のうち最も高額な報酬を得られる物を選び受付に持っていく。

~~~~~~~~~~~~~~~

Fランク

場所 マガソフ森
期限 28週4つの日まで
条件 ユリフグサ採取 30本以上
報酬 大銅貨15枚 加えて10本あたり大銅貨6枚

~~~~~~~~~~~~~~~

「これを受注します」
「はい、了解しました。…では、2日後までにユリフグサを30本以上、お願いします。マガソフ森は王都を出て西に1時間ほどの所にあります」
「分かりました」

……ここで、この世界の日付の基準を話しておこう。前世(日本)では1時間60分、24時間で1日。1週間7日、52週に1日を足して365日なのだが、ここ(異世界)では時間と日の単位は一緒だが、1週間6日、60週で360日なのだ。更に『何月』の概念がなく『何周目、何日目』で日付を表現している。ちなみに今日は28週2つの日だ。

「早く行って回収して沢山休も」
「おうよ」

俺たちはギルドから出て人目のつかないところでー

瞬間移動テレポート

ヒュン!ーあっという間にマガソフ森に着いた。

「よし、早く見つけよ…見つけるの任せていい?」
「オーケー。探知サーチ…よし、あったよ!」

すぐに群生地を見つけ、現場に向かう。

「ほほー…これがユリフグサ…」

まじまじと目の前の草を観察する。見た目は普通の草の見た目だ。先には花らしき白いものがある。これをそっと根本から引っこ抜き、手で持つ。

「じゃ、回収始めよか」
「りょーかい、バッサリ刈る?」
「いや、やめとこ。根っこも使えるかもだし」
「分かった」

どこがいるか、根っこも使えるのか聞かなかった少し前の自分を恨みたくなってしまう。そしてこの地獄を耐える為スキルは肉体強化系統で疲れを知らない体にして、丁寧に根から引き抜く作業を繰り返しユリフグサを70~80本採集した。

「ホント根まで引っこ抜く必要ないだろうけど、念のためね…」
「別に俺は迷惑してないし、運動になったし良くない?」
「ま、そうだよね」

肉体的には疲れてはないのだが、精神的にはめっちゃ疲れた。溜め息を吐きながら言葉を綴るセドリックを元気付けながら、採集したユリフグサを創作空間に放り込む。物を無限にしまえるアイテムバッグもあるが、わざわざあるのに買う必要はないと判断し購入はやめた。

「じゃ、戻ろう」
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