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第二章 駆け出し

第8話 冒険者ギルドへ

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小1時間ほど歩いて王都エニスヘベスに着いた。

「ひゃーでk…」
「『ひゃーでか!』って言いたいんでしょ?」

セドリックがしてやったりという顔をしながらしながら聞いてくる。

「アランどこに行っても第一声は『ひゃーでか!』じゃん?」
「しょうがないだろ」

だって、前世ではこんなでかい街を取り囲む城壁などない…否、ある。イタリアのローマや韓国のソウルには街を囲む城壁があった筈だ。まあ、少なくともそこに旅行に行く余裕など無かったが。

「じゃ、入ろうか」
「だな」

門の前で順番を待ち、やっと自分の番が来た。コワモテの衛兵が話しかけてきたので応じる。

「止まれ。身分証明書を提示せよ。無ければ申せ」
「えっと、二人とも持っていません」
「了解した。ではこっちに来てくれ」
「はい」

俺は少し衛兵と話し、そのままの流れで城壁の内部(?)に来た。

「この水晶に触って青色なら問題なしだ。では、そっちからどうぞ」
「分かりました」

俺が水晶に触ったら、綺麗な青色に光った。どういう原理なんだ?セドリックも触ったら、青色に光った。

「よし、問題なしだ。引き止めて悪かったな。1人当たり大銅貨2枚で通れるぞ」
「これでお願いします」

大銅貨4枚を出す。

「よし、通っていいぞ。王都エニスヘベスへようこそ」
「あ、あの、冒険者ギルドってどこですか?」

忘れていた。セドリックが聞いてくれなかったらそのまま道に迷うとこだった。

「ギルドなら、この道を行って3つ目の角を右だ。あとは進めばいい」
「ありがとうございます」

俺たちは教えられた通りに道を進む。8分程歩いて、俺たちは『自分の想像上の冒険者ギルド』に酷似した建物の前に着いた。建物は大きめの木造扉に煉瓦造りの小洒落た見た目だ。俺がしばし建物を眺めていると、セドリックが少し大きな声で声をかけてきた。

「よし、入ろうよ」
「あっと、だな」

俺たちは扉を開ける。中は左側が食堂&酒場、右側が事務関係になっている。2階は一部吹き抜けで、受付窓口の上に廊下があるようだった。俺がまたもや少し立ち止まって呆けていると。

「あのーすいません、冒険者登録に…」

なんでアイツセドリックはあんなに行動が早いんだ。慌てて追いかける。

「はい、ではこちらに必要事項を記入願います」

受付嬢も一人できたと勘違いして手続きを進めようとしている。駆け込み乗車のごとく割って入る。

「すいません俺もついでに!」
「遅いよアラン~。早く動いてよ」
「すまん」
「ではそちらの方も一緒で?」
「はい、お願いします」

こういうケースもあるのか、特に動じる事なくそのまま続けてくれた。アブナイアブナイ。

「では改めて、こちらに必要事項を記入願います」
「分かりました」

必要事項と言っても簡素な物で、名前、年齢、犯罪歴などの質問が並んでいるだけだ。そして自分のが書き終わった後、チラリとセドリックの文面を見たら、年齢の欄に『3』と書いて2重線で消して隣に『15』と書いてあるのが目についた。こいつ…さては神の時からの年齢の386歳を書こうとしていたな?必要事項を書き終えた俺たちは受付嬢にそれを渡す。

「はい、確かに受け取りました。では少し水晶で、魔力量の測定にご協力頂けますか?」
「問題ありません」
「ではこちらに触れて下さい」

受付嬢は水晶を取りに行くため、裏方に行く。その時、俺たちは少し念話で話をする。

(これ、そのまま魔力値とか明かす?怪しまれそう)
(隠してもいずれはバレるし、今どうこうされる方が後々楽でしょ)

そう。一応黙秘することもできる。ただ、黙秘するとそれだけで若干評価が変わってしまう事もあるので、今回はそのまま明かすことにした。

(めんどくせ~…)
(ははは…)

話している間に受付嬢が水晶を持ってきたようだ。
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