純白のレゾン

大歓迎します

04

「お前もしかして飲む方？」
「自宅では飲みませんよ、ただお店に来ると色々物珍しくて飲んでしまいますよね。青海先生も私に気を遣わずに飲んで下さい。飲み放題、せっかくならいろんな味を楽しんだ方がお得ですよ。私は……次はハイボールをいただこうかな。青海先生はどうします？」
「えっ、ああ、そうだな。俺も同じの貰うわ……」
「すみませーん」

　そしてまた、運ばれてきたハイボールを向島は音も立てずに飲み干して。結局、一時間も経たないうちに、向島のぺースに合わせた俺の方が、前後不覚の状態になっていた。

「私はカシスオレンジをお願いします。青海先生は、……そろそろ烏龍茶でも注文しましょうか？」
「あ、ああ……」

　向島は顔色ひとつ変えずに、頼んだカシスオレンジを待っている。泣くどころじゃねえ、もしかしてこいつだけ運ばれてくるのがジュースなんじゃないのか……。

「向島、お前本当に酒飲んでるよな？」
「はい、いただいていますよ。今日はペース遅いかな」
「そ、そうか……」