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番外編 ※本編を読んでからお読み下さい。
レンのお仕事
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俺はレン・フォレスト。これでも一応公爵という地位についている。まぁ、所詮お飾りの地位だがな。俺の本職は密偵。公爵の地位は隠れ蓑に過ぎない。
そんな俺はある日突然叔父さんに呼び出された。叔父さんはこの国の国王で、俺の母は陛下の妹だ。
叔父さんが俺を呼び出すなんて珍しいと思っていた。何でも一人でしようとする人だから。そう、王という立場なんか忘れて戦場に出て言ったりするような、な。
「失礼します。レン・フォレストです。」
「入れ。」
さすが国王なだけあって貫禄のある声だな、と思う。余興を好む叔父さんは適当な人に思われがちだがそれは違う。かなりの策略家だ。適当な人に見せているのは相手を油断させるためだ。甘く見るとすぐに喉元に噛みつかれる。たとえそれが誰であろうと、だ。
「この度はどのようなご要件でしょうか、陛下?」
「まあ、焦るな。気楽にしなさい。」
「これでも仕事が立て続けに入っていて休む時間が惜しいくらいなんですよ陛下。ですので出来るだけ早くしていただけると嬉しいのですが。」
「あぁ、分かったよ。さて、レンには東の砦で調査をしてきてほしい。どうやらどうやら集めた税金を使い込んでいる輩がいるという情報を掴んでな。出来れば潰して来て欲しいんだが」
「了解致しました。陛下の仰せのままに。」
すると陛下が纏う空気が変わった。
「で、レン。ミーナは元気か?」
ミーナは俺の母親。つまりは陛下の妹にあたる。
「ええ、つつがなく過ごしております。」
「本当だろうな?」
そう。何を隠そう陛下はシスコンだ。母の前でめちゃくちゃデレデレしている。それはこっちがこんな奴が国王でいいのかと思うくらいのレベルで・・・。
あぁ、頭痛がしてきた。
ーー後書きーー
お久しぶりです。今回はレンのお仕事中の姿が見たいというリクエストを頂いたので書かせていただきました!!あと数話は続くと思いますのでよろしくお願いします!!
この作品、恋愛大賞に参加しております。投票のボタンをポチッとしてくれると嬉しいです。
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