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裂side


中山さんに合わせて立ち上がったところ、急に立ったせいか立ちくらみを感じた。

その場で体勢を立て直そうと足を踏ん張るも力が入らなくて、そのまま前のめりに倒れてしまう。

バタン、なんて自分の倒れる音を他人事のように聴きながら、朦朧とする意識の中で少し考え事をする。



(あー・・・多分、貧血だな・・・)



中山さんと話してたように、少し大きな課題が出ていたため全然睡眠が取れていなかった。また、その課題を理由にして、何食か抜きがちになっていたのも原因の1つだろう。

食べたとしても、あまり食べる気になれなくて。明らかな栄養不足・・・・・・と思い当たる節は山ほどある。

頭の片隅では悠長にそんな事を考えつつも、実際のところ目眩するし、クラクラする。立ち上がるのもままならない。

うつ伏せが苦しくて、力を振り絞って寝返りをうつ。少しばかり呼吸が楽になった。

そして薄っすら目を開く。

そこには急に動いた俺にビビりながらも呼びかけてくれる中山さん────そして



(・・・・・・あ、これ本格的にやばい)



自分の症状のやばさに、思わず優れない体調の中もため息をつきたくなる。

だって珍しく体調崩して弱って、その上で幻覚すら見えるなんて。

いや、もしくは夢なのか・・・これ。俺さっき倒れたもんな。

そんな事あるはずないんだ。科学的にもありえない。有り得るはずがないんだ。



「しっかりして篠原!篠原ってば!」



泣きそうな顔の結がいるんだから。







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