26 / 39
26
しおりを挟む
裂side
中山さんに合わせて立ち上がったところ、急に立ったせいか立ちくらみを感じた。
その場で体勢を立て直そうと足を踏ん張るも力が入らなくて、そのまま前のめりに倒れてしまう。
バタン、なんて自分の倒れる音を他人事のように聴きながら、朦朧とする意識の中で少し考え事をする。
(あー・・・多分、貧血だな・・・)
中山さんと話してたように、少し大きな課題が出ていたため全然睡眠が取れていなかった。また、その課題を理由にして、何食か抜きがちになっていたのも原因の1つだろう。
食べたとしても、あまり食べる気になれなくて。明らかな栄養不足・・・・・・と思い当たる節は山ほどある。
頭の片隅では悠長にそんな事を考えつつも、実際のところ目眩するし、クラクラする。立ち上がるのもままならない。
うつ伏せが苦しくて、力を振り絞って寝返りをうつ。少しばかり呼吸が楽になった。
そして薄っすら目を開く。
そこには急に動いた俺にビビりながらも呼びかけてくれる中山さん────そして
(・・・・・・あ、これ本格的にやばい)
自分の症状のやばさに、思わず優れない体調の中もため息をつきたくなる。
だって珍しく体調崩して弱って、その上で幻覚すら見えるなんて。
いや、もしくは夢なのか・・・これ。俺さっき倒れたもんな。
そんな事あるはずないんだ。科学的にもありえない。有り得るはずがないんだ。
「しっかりして篠原!篠原ってば!」
泣きそうな顔の結がいるんだから。
中山さんに合わせて立ち上がったところ、急に立ったせいか立ちくらみを感じた。
その場で体勢を立て直そうと足を踏ん張るも力が入らなくて、そのまま前のめりに倒れてしまう。
バタン、なんて自分の倒れる音を他人事のように聴きながら、朦朧とする意識の中で少し考え事をする。
(あー・・・多分、貧血だな・・・)
中山さんと話してたように、少し大きな課題が出ていたため全然睡眠が取れていなかった。また、その課題を理由にして、何食か抜きがちになっていたのも原因の1つだろう。
食べたとしても、あまり食べる気になれなくて。明らかな栄養不足・・・・・・と思い当たる節は山ほどある。
頭の片隅では悠長にそんな事を考えつつも、実際のところ目眩するし、クラクラする。立ち上がるのもままならない。
うつ伏せが苦しくて、力を振り絞って寝返りをうつ。少しばかり呼吸が楽になった。
そして薄っすら目を開く。
そこには急に動いた俺にビビりながらも呼びかけてくれる中山さん────そして
(・・・・・・あ、これ本格的にやばい)
自分の症状のやばさに、思わず優れない体調の中もため息をつきたくなる。
だって珍しく体調崩して弱って、その上で幻覚すら見えるなんて。
いや、もしくは夢なのか・・・これ。俺さっき倒れたもんな。
そんな事あるはずないんだ。科学的にもありえない。有り得るはずがないんだ。
「しっかりして篠原!篠原ってば!」
泣きそうな顔の結がいるんだから。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
別れてくれない夫は、私を愛していない
abang
恋愛
「私と別れて下さい」
「嫌だ、君と別れる気はない」
誕生パーティー、結婚記念日、大切な約束の日まで……
彼の大切な幼馴染の「セレン」はいつも彼を連れ去ってしまう。
「ごめん、セレンが怪我をしたらしい」
「セレンが熱が出たと……」
そんなに大切ならば、彼女を妻にすれば良かったのでは?
ふと過ぎったその考えに私の妻としての限界に気付いた。
その日から始まる、私を愛さない夫と愛してるからこそ限界な妻の離婚攻防戦。
「あなた、お願いだから別れて頂戴」
「絶対に、別れない」
選ばれたのは美人の親友
杉本凪咲
恋愛
侯爵令息ルドガーの妻となったエルは、良き妻になろうと奮闘していた。しかし突然にルドガーはエルに離婚を宣言し、あろうことかエルの親友であるレベッカと関係を持った。悔しさと怒りで泣き叫ぶエルだが、最後には離婚を決意して縁を切る。程なくして、そんな彼女に新しい縁談が舞い込んできたが、縁を切ったはずのレベッカが現れる。
【完結】夫もメイドも嘘ばかり
横居花琉
恋愛
真夜中に使用人の部屋から男女の睦み合うような声が聞こえていた。
サブリナはそのことを気に留めないようにしたが、ふと夫が浮気していたのではないかという疑念に駆られる。
そしてメイドから衝撃的なことを打ち明けられた。
夫のアランが無理矢理関係を迫ったというものだった。
夫の不貞現場を目撃してしまいました
秋月乃衣
恋愛
伯爵夫人ミレーユは、夫との間に子供が授からないまま、閨を共にしなくなって一年。
何故か夫から閨を拒否されてしまっているが、理由が分からない。
そんな時に夜会中の庭園で、夫と未亡人のマデリーンが、情事に耽っている場面を目撃してしまう。
なろう様でも掲載しております。
裏切りの先にあるもの
マツユキ
恋愛
侯爵令嬢のセシルには幼い頃に王家が決めた婚約者がいた。
結婚式の日取りも決まり数か月後の挙式を楽しみにしていたセシル。ある日姉の部屋を訪ねると婚約者であるはずの人が姉と口づけをかわしている所に遭遇する。傷つくセシルだったが新たな出会いがセシルを幸せへと導いていく。
「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
私が死ねば楽になれるのでしょう?~愛妻家の後悔~
希猫 ゆうみ
恋愛
伯爵令嬢オリヴィアは伯爵令息ダーフィトと婚約中。
しかし結婚準備中オリヴィアは熱病に罹り冷酷にも婚約破棄されてしまう。
それを知った幼馴染の伯爵令息リカードがオリヴィアへの愛を伝えるが…
【 ⚠ 】
・前半は夫婦の闘病記です。合わない方は自衛のほどお願いいたします。
・架空の猛毒です。作中の症状は抗生物質の発明以前に猛威を奮った複数の症例を参考にしています。尚、R15はこの為です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる