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しおりを挟む朝、だるい体を起こしてみると、やっぱり結が帰ってきた形跡はない・・・まぁ妥当な結果といえば、そうだ。
1人だと朝食をまともに摂る気にもなれず、置いてあったカロリーメイツと牛乳を無理やり押し込んだ。
いつも朝食は、あいつが作ってくれていた。料理だけは得意分野だと、胸を張っていた結の料理は確かに美味しい。
勉強は嫌でも、料理関係を学べるなら栄養学部万歳だ、と何度も耳にタコができると思うほどに聞かされた。その度に「他の勉強もしろよ」と俺も言っていたけど。
そんな会話のない朝は、酷く寂しくて。
(・・・俺って、面倒くさい)
つい、自己嫌悪に陥ってしまう。
必要最低限の支度をして、玄関に向かう。
ぼーっとしているせいで、サークルで必要なものを持って行き忘れそうになって、慌ててもどる・・・ダメだダメだ。集中しよう。
今度こそ、と靴を履き立ち上がる。そして
「おい結、行ってk───────────」
自分の言葉に自分で不快になり、眉をひそめた。
癖って怖い、単純にそう思う。
今、その相手はいないのに。いつも隣にいる相手がいないだけで、違和感を覚えた。
「・・・・・・これはかなりの重症だな・・・」
自分に呆れ、乾いた笑いを溢す。
とっとと謝ろう。結も流石に大学は休んでないだろう、そう思って大学へ向かった。
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