上 下
122 / 133
第六章 魔神討伐・神々の業

116 国際会議・降臨する唯一神

しおりを挟む



「ただいま」

 魔神を掃討し、俺とアヤは自宅に帰って来た。みんなと今後の方針を決めないといけない。アリアには先走らない様に言われたが、あんな連中を野放しにはできないからな。ギルドへの報告はステファンにとりあえず念話を送っておいた。
 みんな地下の鍛練場にいるらしいので、その足ですぐそこへ向かう。帰宅した俺達を仲間が出迎えてくれる。さて問題はここからだな。

「おかえりなさい、カーズ様にアヤ様。任務お疲れ様でした。ですが、大変なことになりましたね……」
「ありがとうディード。アリアには無茶しない様に釘を刺されてはいるが、どうしたもんかな。エリック達は面識があったよな? あの皇帝とかいうジジイに」

 エリユズの方を見る。わかり易くムカムカしているな。アガシャも顔には出していないが、雰囲気から憤りが伝わって来る。

「前は逃げやがったからな。わざわざ自分達から姿を現すとは、気に入らねえ……」
「そうね。しかも全世界に攻撃するとか、傘下に加われですって? ふざけてるわ。悪即殺の時間よ」

 相変わらず気が短い。しかし、先ずは色々と情報が欲しい。

「アガシャはどう思う?」
「父上……。私も彼らの愚行は見逃せません。裏切者の機械神の助力を受けていた以上、普通の科学力ではありません。彼らの兵器には神気が籠められている。普通の人達には太刀打ちできないでしょう。我々神格者が何とかしないといけないと思います」

 彼女にしては珍しく感情的だ。地下での闘いでその危険性を目の当たりにしているだろうしな。

「とりあえずはあの帝国について知りたい。恐らくナギストリアなら何か知っているんじゃないだろうか?」

 訓練場の一角で素振りをしているナギストリアを見て、此方へ呼ぶ。


「頑張っている様だな。ところで聞きたいことがあるんだが」
「ああ、どうせバベイル帝国のことだろう。あいつらこそが大虐殺を引き起こす引き金を引いたと言えるような独裁国家だ」
「……そうなのか。詳しく教えてくれ」
「わかった――」


 あの帝国は当時でも最先端の科学力を持っていて、他の惑星に進出するなどあらゆることで先を行っていたらしい。広大な領土を持ち、どの国家も逆らうことができない程の力を持っていたと……。

「……だが奴らはその力のせいで、内部の権力闘争で内戦が起こり、血みどろの争いを繰り広げた。それにより領土は荒廃し、人口もかなり減少したと聞いている。そこで帝位に就いたのがあのイグナーツだ。奴は自国の復興の為に全世界に宣戦布告した。他国の豊かな資源やらが目的だったと言われている。俺達もその世界大戦に巻き込まれた。その激しい戦火は何年も続き、世界は荒廃していったんだ。その折だな、見かねた神々によって大虐殺が決行されたのは……」
「そんな理由があったのか……。復興の為に世界大戦を仕掛けるとは……、イカレてるな」

 悲痛な表情をするナギストリア。結果的に全世界の人間が巻き込まれた出来事に発展したわけだ、平和に生きて来た清魂のこいつが腹を立てるのはわかる。

「しかも奴らだけがのうのうと生き延びていたとは……。裏切者の神が付いていたとはいえ、何の関係もない犠牲となった人々が浮かばれない……。カーズよ、俺には最早そこまでの力はない。こんなことをお前に頼むのはお門違いかも知れないが……」
「今更何言ってるんだよ。お前は過去の俺の悲劇を引き受けてくれた俺自身でもある。あんな腐った奴らを野放しになどしない。お前の無念も晴らしてやるよ」
「ああ……、礼を言う」
「それは全部終わらせてからでいいさ。俺達もお前と同じ気持ちだ。あんな奴らを消し去るためなら俺は悪魔にもなれる」

 仲間達の顔を見る。みんな決意を固めているのが伝わって来る。

「世界の観測者として、竜王として、あんな奴らは許せないわ。カーズ、私も行くからね」

 チェトレは龍人族としての使命もある。反対する理由はないか。

「フフフ……、兄貴、俺の封印された右腕が疼きますね」

 アジーン、こいつは何を言ってるんだ? 右手に包帯撒いて……。

「なあ、あいつはまた何か変なこと言ってるぞ。誰か心当たりあるか?」

 ディードがバツが悪そうに手を上げて、俺に本を渡して来た。何だこれ? 『俺の右手の封印が疼くとき、世界が混沌に包まれる件』……アリア文庫。またあいつの意味不明な作品か?!

「アジーンから何か面白い本を貸して欲しいと言われまして……。たまたま彼くらいの年代には相応しいかと……」
「ディード……、アリアの書いた本は読むな。多分面白いんだろうけど、あーいう被害者が出る。見ろあのチョロゴンを。完全に厨二病発症してるじゃねーか」
「そ、そうですね。気を付けます」

 あいつの作品は悲劇しか生まんのか。目が合ったイヴァに喚び出したぶちを、ほいっと投げて渡す。こいつはどうするかな。

「ぶちー、元気だったのさー?」
「時は来た」
「その通りなのさー。あんな奴らは許せないのさー。カーズ、僕も行くのさー」
「今ので会話が成立したのか? じゃあイヴァも行くか」
「当たり前なのさー。みんなと一緒に闘うのさー」

 みんな闘うことに異論はないか。ただアリアに勝手に動かない様には言われている。攻めるより先に他国を攻撃されては堪らない。守備を固めるのが先だ。まだ時間はある。

「よし、じゃあみんな転移も使えるし、大迷宮攻略でほとんどの国には行ったはずだ。先ずは各国や街に神気の結界を張る。あんなレーザー砲を国の中心部に撃たれたら多くの人が亡くなる。アリアにも先走らない様に言われているし、専守防衛だ。神様連中が戻ったらまた作戦会議にしよう。俺もクラーチのオッサンに世界の指導者達を集めて会議を開いてもらう様に念話をしておこう。俺は転移で行ける国が少ないから、結界はみんなに任せる。神気結界を厳重に張れば1週間は無事だろうしな。早速それぞれ行動に移ろう」
「「「「「「「「応!!!」」」」」」」」

 みんなで受け持ちを決めて、各国と街や港町にも結界を張る。ここリチェスターにバルドリード公国、商業都市コルドヴァに宗教国メキア。そしてその足でクラーチに俺とアヤは向かう。近くの小さな集落なども含めたらかなり多いが、それは俺達が走ればすぐだ。
 ニルヴァーナ北部から中部はエリユズに竜王兄妹、南部はディードにアガシャ、イヴァに任せる。数日もかからずこの処理は終わるはずだ。
 別に正義の味方を気取るわけじゃないが、絶対にこの世界の罪もない人達を傷つけさせはしないからな。




----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------




 世界に激震が走ったその日の内に、クラーチ王国の国王フィリップは自らに掛けられていた『魂の制約ギアス』が外れたことを感じた。あの地下に潜んでいた帝国の皇帝イグナーツと名乗る男の、全世界に向けた宣戦布告と隷属の強要。これに対しては既にカーズ達が何かしらの行動を取るはずだと信じていた。彼の父のバサトも側に付いている。

「あいつらが何もしないなんてことはねえさ。お前さんは自分にできることをするべきだろ?」

 とバサトにも言われた。ならば自らにできることは、各国の代表者やギルドマスターをクラーチに招集し、対策を講じることだと。世界中の国々に向けて通信魔導具で連絡を取った。翌日にはクラーチに招集された各国の代表者達と共に、ニルヴァーナ史上初となる緊急国際会議が開かれることとなった。




(カーズ、我が息子カーズよ。聞こえておるか?)
(おう、義父さんか。これから丁度良くアヤとクラーチに結界を張りに向かうところだ。どうした?)
(ふむ、やはり其方は行動が早いな。此方も世界中の国王やらの代表者を我が国に招集したところなのだ。これから国際会議を行う。できれば其方達、アリア様も含め出席して貰いたい。可能だろうか?)
(大丈夫だ、そいつはありがたい。俺も頼もうと思っていた。だが神様連中はまだ恐らく天界で会議中だ。もうすぐ戻るとは思うが、それまでは何とか持たせてくれ。俺達は世界中の国々や街に結界を張っているところなんだよ。任せたからな、寝返りそうな奴がいたらクソ親父にビビらせてやってくれたらいい。じゃあまた後で。あの帝国は俺達が何とかするから、そっちはやるべきことをやってくれ)
(わかった。王族としての責務を果たそう。其方との約束だからな)
(あいよ、任せた)

 念話が途切れる。殺伐とした雰囲気、城内の広い円卓の会議室で国際会議が幕を開ける。フィリップの隣にはアランとレイラ。後ろには騎士団長のクレアにバサトがいる。他国が寝返ることのないように時間を稼ぐ。カーズ達やアリアの到着まで……。



「各国の皆様、この度は私の急な呼び出しに応じて頂きありがとうございます。議題は勿論のこと、全世界に宣戦布告をした上に悪魔達とも手を組んで我々に隷属を強要したバベイル帝国に対する問題であります。我がクラーチ王国は徹底抗戦致します。あの様な危険な国に従うなどあってはならないことだ」
「確かにその通りですな。我がアレキサンドリア連合もあの様な非道な国に下げる頭は持っておりません」

 アレキサンドリア連合王国のチャールズ国王も賛同する。

「気持ちはわかりますが……、あの攻撃を見たでしょう? 次にあの光線が国を襲えば民は一溜まりもない。我々の科学力では到底太刀打ちできませんぞ。それに我が国はまだ復興の途中。あれとやり合う兵力も足りていない……」

 娘のSランク冒険者、王女セリスを伴って出席しているローマリア帝国皇帝のバルドル・ローマリアが告げる。かの国が大魔強襲スタンピードで半壊するほどの被害を受けたのはまだ記憶に新しい。

「それを言うなら我が軍国カーディスも大魔強襲スタンピードでの被害から立ち直れておらん。徹底抗戦するのならば勝算がなければならない。自国から奴らのクリスタルのタワーを見たが、あれはとんでもないシロモノだ。天の雷も効果がなかったのだぞ。どう闘うと言うのだ?」

 魔王領から人類の壁の役割を果たしている軍国カーディスの国王、アウグスト・カーディスも異を唱える。間近でそれを見たからこその意見だと言える。

「民の命が最優先だ。頭を垂れるのは癪だが、敵対しなければすぐさま侵略されることはあるまい。我々指導者が血気に逸るのは簡単だ。だが民の安寧をこそ考えなければなるまいよ」

 ヴォルカの父、多種族国家ユヴァスの国王、狼獣人のヴォルグ・ウォルフガングが声を上げる。国王としては懸命な判断だと言えるだろう。

「ですが、奴らは魔人、悪魔達とも手を取っております。すぐに侵略はされずとも悪魔が放たれることになる。そうなれば国は内部から崩壊していきますぞ。我が国もそれによって崩壊しかけたのです。現SSランク冒険者のカーズと女神アストラリア様が現れなければ、我が国は終わっていたでしょうから……」
「「「「「なっ!?」」」」」

 フィリップの言葉に会議場は騒然となる。唯一神が降臨するなど、前代未聞である。

「私はあの皇帝が言っていた過去の事実を女神様自身からお聞き致しました。他言できないように魂に制約を掛けられておりましたが、イグナーツが神々の禁忌に触れる内容を口にし、それが世界中に認知されてしまったせいで制約の効果はなくなりました。我らにはこの世界に派遣されて来た神々と、その神々に認められた闘士達がついております。この前のSランク冒険者の試合を見た方々も多いでしょう。その彼らが今世界の国々に結界を張ってくれております。それに、この場に後程顔を出すと約束してくれました。まだ希望は残っているのです!」

 フィリップの力強い言葉に、円卓の会場は一瞬静まり返った。しかし、そんなことが信じられないという声も上がる。

「確かにそれが本当ならば我らには希望があるのだろう。しかし、この世界が神の身勝手な行いで滅んだとも、あの皇帝は言っていた。我々が何かの禁忌を知らずに犯せば、神々は再び我々を滅ぼすのではないのか?!」
「その通りだ。人類が科学を発展させると天の雷が降り注ぐではないか!」

 神に縋りたい思いと、その思いに反すれば滅ぼされるかも知れないという複雑な感情が入り混じった言葉が飛び交う。

「それが二度と起こらない様に、アストラリア様は世界を管理なさっているのです。人としてこの世界に暮らしながら。Sランクマッチの実況を楽しそうにされていたでしょう? あの方は人々を慈しんでいらっしゃる。その輪の中に混ざり、人々に脅威が及ばない様に動いて下さっているのです。そしてその神格を受け継いだカーズも、この危機を何とかすると約束してくれた。私はその言葉を信じます!」
「あの時の実況の女性?! 確かに楽しそうでしたな……」
「あんな無邪気な方が女神だったとは……!」

 まさかあんな愉快な実況をしていたのが唯一神とは誰も思ってはいなかった。しかもあのSランクマッチは世界中に放映されている。誰もが赤毛のアストラリアを目にしているのだ。そしてその後の突発的な大魔強襲スタンピード撃退でも彼女は戦果を挙げている。

「カーズによると、彼女は今天界でこの事態について何とかしようと考えて下さっているのです。もう少ししたらこの場に来て頂けるはずです。それまで私達が希望を捨ててはならないのです!」

 フィリップは何とか代表者達の意見を宥めつつ、時間を稼ぐことに尽力した。




-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------





 クラーチ王国城壁近く。

「よし、これでクラーチも結界完了だね。後はアリアさん達がいつになるのかな?」

 クラーチの結界はアヤに任せた。故郷の守備は自分でやると言って聞かなかったし。俺はそろそろアリアに念話をするとしよう。スキルを展開する。


(アリアー、おい、アリア聞こえるか?)
(あら、カーズですか? もうすぐサーシャ達と戻りますよー。あの帝国を潰します)
(そうか、調度良かった。その前にクラーチで国際会議してるらしいから一緒に出てくれ。俺達は世界中の国や街に神気結界を張ったところだ)
(うーむ、さすがにそろそろちゃんと顔見せしないとですかねー。まあもうSランクマッチの実況で顔が割れてますけどー)
(それはそれだろ。ちゃんと神様らしくしろよな。クラーチのオッサンが世界の指導者を何とか纏めてくれているから、急いでくれ)
(アリアさん、急いでー)
(はいはいー、アヤちゃん。今から行きますねー)


 念話が途切れると同時に、アリアとサーシャ、ルクスにティミスの神様カルテットが目の前に転移して来た。


「はい、来ましたよー」

「いない間にあの機械文明がメチャクチャしてるみたいね」
「とっととぶっ潰すか」
「神々の業は神の手で決着を着けないといけないわね」

 一気に賑やかになったな。神様なんだが、俺にはもうその辺の人にしか思えない。

「裏切者はどうなったんだ? 機械神とか言うのは」
「あいつはファーヌス姉さんにお仕置きされてるぜ。神聖向槌むこうづちを神格に打たれてるからな。さすがに改心するだろ」
「そうね、あの地下での闘いの時は助かったわ。ありがとうカーズ」
「サーシャ、お礼は機転を利かせたアガシャに言ってやってくれたらいいよ。あいつが念話を繋いでくれたから打開策が見つかったんだし」
「あなたはいつも謙虚ね。でもありがとう」
「まあ、ありがたく受け取っとくよ」

 サーシャは真面目だな。アリアとの格差が半端ない。ルクスもいつも通り近所のにーちゃんみたいだし。ティミスは……

「何? じーっと見て。ははーん、カーズも私の魅力に漸く気付いたということね」
「うん、良い感じでズレてる」
「どういう意味かしら?」

 怖いから深追いはやめよう。さて、そろそろクラーチの国際会議に参加しないといけない。

「丁度神様も揃ったし、ここで国際会議してるみたいだから顔出して行こう。色々と意見が割れて大変そうだしな」
「そうですねー。じゃあアヤちゃん案内お願いしますねー」
「はい、では城内に転移します。来て下さい」

 シュンッ!!!

 ここにいるメンバーで城内に転移する。目の前にある扉が円卓会議場か……。中から騒々しい声が聞こえる。荒れてるみたいだな。まあ良くやったよ国王。後は俺達が何とかする番だ。

 がちゃり。

 扉を開けて、神様達を連れて入室する。誰もが神格者の神々しさに目を奪われる。よしよし、第一印象はバッチリだな。

「おお、カーズにアヤ。それにアリア様も。お待ちしておりました!」

 席を立ち、跪くクラーチ国王。それを見た他国の指導者達は驚き、立ち上がって礼をした。アリアめ、神気覇気を軽く放ったな。だが此方の素性を認めさせるには調度良い。
 立ち上がったフィリップが此方を紹介し始める。

「この方がこの世界の唯一神アストラリア様であらせられる。皆様、御無礼のないようにお願い致します」
「あのバベイル帝国のせいで色々と天界の禁忌に触れてしまいました。もう私が人々の前に姿を現しても問題はありません。改めまして、私がこの世界の管轄者である女神アストラリアです。各国には神の結界を張ってあります。決してあのような秩序を乱す国に迎合してはなりません」

 アリアの真剣な声が響く。場内は静まり返っていたが、少しずつざわめき始める。

「本当にアストラリア様なのか……?」
「いや、だがあの神々しいオーラ……、普通の人間のはずがない」
「あの冒険者はカーズか、それに元クラーチのアヤ姫もSSランク……。しかしあの二人も美しいな」
「残りの御三方はどなたなのですか、アストラリア様!」

 まあこういう質問は来ると思っていた。さて、自己紹介して貰おうか。

「私は愛と闘いの女神アザナーシャ。この世界の危機に助太刀に来た者です。地上ではカーズがリーダーとなって活動しています」

 白いロングスカートを摘み、カーテシーをするサーシャ。その美しい仕草に誰もが溜息を吐く。

「俺は闘神マルクスリオ。同じくアストラリアの助っ人だ。今このニルヴァーナには様々な危機が訪れている。奴隷制度や魔王の復活など、それらは堕天した悪神が行ったことだ。ここにいるカーズが中心となって全てを解決してきたのさ」

 仁王立ちでふんぞり返るルクス。まあこの人はこういう感じだよな。みんな威圧されている。

「私はアザナーシャの姉にして月の、狩猟・貞潔を司る女神アルティーミシアよ。神界の特別指令でここにいるわ。まだまだこの世界には魔神やらの脅威が残っている。神が四人もここに集まったことに感謝しなさい」

 おおぅ、さすが傲慢お姉様。誰もが唖然としてるぜ。じゃあ俺も喋らせて貰おう。神様は口下手だしなあ。

「彼らは頼りになる俺の仲間であり、俺に神格を託してくれた恩人でもあります。そして俺とアヤ、勇者ジャンヌは且つての大虐殺の際に神に救われた存在でもある。俺はこの世界が大好きです。それを壊そうとする存在は許せない。あの帝国はこの世界の敵。過去の神々の行いには複雑な思いがある人もいるでしょう。でもそれは人類が科学を暴走させて世界を崩壊させたからです。それを一からリセットして今のこの世界があるんです。もう二度と壊させたりはしない。ここにいる神々は俺達の味方です。だから、信じて欲しい。あの帝国はこの世界を滅ぼそうとしている。今こそ世界のみんなが一丸となって立ち向かう時です。俺達が必ず護ってみせますから!」
「「「「「おおおおおおおおおおお!!!!!」」」」」

 よし、こういう時には交渉術Sの恩恵がありがたい。なくても俺は同じことを言うだろうけどね。一々ビビっていられない。

「では、この世界の管轄者として命じます。各国の代表者達は国に戻り、国民を安心させて下さい。正義と公平を司る女神アストラリアの名の下に、この世界の悪を討つ。あれは神々の業。ですが人々が私達を信じてくれなければ力を振るうことはできません。信じて下さい。カーズが言ったように、私達この世界に生きる人々の勝利を!」
「「「「「うおおおおおおおー!!!!!」」」」」
「「「「「アストラリア様バンザーイ!!!!!」」」」」

 さすが唯一神。決める時は決めてくれる。これで世界の人々の不安は多少なりとも和らぐだろう。後は俺達であのふざけた国を悪魔共々一緒に壊滅させてやるからな。待っていろ、バベイル帝国。








しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

旦那様、どうやら御子がお出来になられたようですのね ~アラフォー妻はヤンデレ夫から逃げられない⁉

Hinaki
ファンタジー
「初めまして、私あなたの旦那様の子供を身籠りました」  華奢で可憐な若い女性が共もつけずに一人で訪れた。  彼女の名はサブリーナ。  エアルドレッド帝国四公の一角でもある由緒正しいプレイステッド公爵夫人ヴィヴィアンは余りの事に瞠目してしまうのと同時に彼女の心の奥底で何時かは……と覚悟をしていたのだ。  そうヴィヴィアンの愛する夫は艶やかな漆黒の髪に皇族だけが持つ緋色の瞳をした帝国内でも上位に入るイケメンである。  然もである。  公爵は28歳で青年と大人の色香を併せ持つ何とも微妙なお年頃。    一方妻のヴィヴィアンは取り立てて美人でもなく寧ろ家庭的でぽっちゃりさんな12歳年上の姉さん女房。  趣味は社交ではなく高位貴族にはあるまじき的なお料理だったりする。  そして十人が十人共に声を大にして言うだろう。 「まだまだ若き公爵に相応しいのは結婚をして早五年ともなるのに子も授からぬ年増な妻よりも、若くて可憐で華奢な、何より公爵の子を身籠っているサブリーナこそが相応しい」と。  ある夜遅くに帰ってきた夫の――――と言うよりも最近の夫婦だからこそわかる彼を纏う空気の変化と首筋にある赤の刻印に気づいた妻は、暫くして決意の上行動を起こすのだった。  拗らせ妻と+ヤンデレストーカー気質の夫とのあるお話です。    

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

おっさんの神器はハズレではない

兎屋亀吉
ファンタジー
今日も元気に満員電車で通勤途中のおっさんは、突然異世界から召喚されてしまう。一緒に召喚された大勢の人々と共に、女神様から一人3つの神器をいただけることになったおっさん。はたしておっさんは何を選ぶのか。おっさんの選んだ神器の能力とは。

処理中です...