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教育係の伴侶になりました
その⑥【終】
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「やっと、着いた……!ここが魔王城……!悪名高き悪鬼が住まう処か……!」
この城を目指して行方不明になった人間は数知れず。かくいうオレの友人、アルターもその一人だ。心優しい奴なのに、勇者の痣が現れたのなんだので王宮に連れていかれて……、そこで厳しい訓練をさせられたんだろう。旅に出る直前に会うことが出来たアルターの身体には、痛そうな傷が目立っていた。本人は虫も殺せないような優しい奴なのに。
だからオレは死に物狂いでモンスターテイムの技を修得した。アルターがもしこの城に捕まっていたとしても、これなら救うことが出来るはずだ。
「……よし。まずは潜入ルートを探して……」
「…………誰だ?」
「うわあぁっ!?なっ、え、あ……、に、人間?」
茂みの中からガサリと現れたのは、すらりとした体躯の青年だった。褐色の肌に金の瞳……、異国の人間だろうか。
驚いて尻もちをついてしまったのが恥ずかしい。すぐに立とうとしたところで、手の傍でしゅるりと蠢くそいつが見えた。
「ひっ…………!!!」
蛇。
魔物でも何でもない、野生の、普通の蛇。オレの頭の中が一瞬でパニックになった。思考が、弾ける。
「やああぁっ!へびっ、へびこないでっ!こわいよぉっ、たすけて……っ!!」
「は?」
「うわあぁんっ!あるたーっ、あるたーたすけて!」
「……あるたー?……ふーん」
目の前にいた綺麗なお兄さんに抱きついて、ひたすらに助けてと訴える。無意識に呼んでしまうのは、アルターの名前だ。蛇に噛まれたことがトラウマになってしまったオレを、助けてくれていたアルター。ひぐひぐと涙声になりながら抱きしめる腕に力を込めると、不意に聞いたことがない言葉が耳を掠めた。
パンッ、という小さな破裂音と粉塵。どうやら蛇は驚いて逃げていったみたいだ。
「ほら、助けてやったけど」
「あ……っ、あぅ、ありがと……っ、おにいしゃんっ……」
「あーもう、べしょべしょじゃん。……ま、気晴らしに出てきただけでこんな可愛い拾い者すんのはツイてっか」
「ん……、ぐすっ……」
「アルター、って言ってたよな。会わせてやるよ」
「っ!?ほ、ほんとに……っ!?アルターに会えるのっ!?うあぁんっ、よかっ……、生きてたぁ……!…………っあ、ご、ごごごめん!!オレ、蛇が苦手でっ、し、初対面なのに恥ずかしい姿見せちゃって……、ぇ、あ、あの?離してもらっても……?」
我に返って咄嗟に離れようとしたのに、今度はオレが抱きしめられていた。
「ちょうどよかった。友人代表としてスピーチしてやれよ。アルターも人間のトモダチが居た方が嬉しいだろ」
──至近距離でにっこり笑う彼の瞳孔は、まるで蛇のようだった。
アルター
勇者とは名ばかりの心優しい青年。無意識の内にリラッドを好きになっていた。おもらし癖がついてしまったので、漏らさないようにずっとハメていてほしいとねだってはリラッドの理性をぶっ壊している。
リラッド
意思を持った触手。顔から太腿辺りにかけては人間で、舌や手足は触手。城を訪れた勇者に一目惚れして、つよつよな執着心を抱く。なかなか伴侶にと言えなかったヘタレ。
魔王
平和主義者で楽しいことが好き。本来の姿はドラゴン。大きすぎて邪魔なのでいつもは人型になっている。城に来た人間を全員可愛がっていたが、最近拾った人間ばかり選ぶようになっている。
アルターの友人
アルターと触手の結婚式で突然スピーチをすることになり、混乱しまくりな中、アルターが無事であったことに号泣する。テイムの技は魔王には効かず、寧ろ跳ね返されて自分がテイムされてしまい、散々恥ずかしい目に合わされた。
蛇と出会うと幼児みたいになり、魔王のドラゴン姿を初めて見た時も泣いて失禁した。
他の人間達は魔王の恋路を応援してるよ。そのうちそれぞれ人間同士や人間と魔族でラブラブになるよ。
はっぴーえんど!
「やっと、着いた……!ここが魔王城……!悪名高き悪鬼が住まう処か……!」
この城を目指して行方不明になった人間は数知れず。かくいうオレの友人、アルターもその一人だ。心優しい奴なのに、勇者の痣が現れたのなんだので王宮に連れていかれて……、そこで厳しい訓練をさせられたんだろう。旅に出る直前に会うことが出来たアルターの身体には、痛そうな傷が目立っていた。本人は虫も殺せないような優しい奴なのに。
だからオレは死に物狂いでモンスターテイムの技を修得した。アルターがもしこの城に捕まっていたとしても、これなら救うことが出来るはずだ。
「……よし。まずは潜入ルートを探して……」
「…………誰だ?」
「うわあぁっ!?なっ、え、あ……、に、人間?」
茂みの中からガサリと現れたのは、すらりとした体躯の青年だった。褐色の肌に金の瞳……、異国の人間だろうか。
驚いて尻もちをついてしまったのが恥ずかしい。すぐに立とうとしたところで、手の傍でしゅるりと蠢くそいつが見えた。
「ひっ…………!!!」
蛇。
魔物でも何でもない、野生の、普通の蛇。オレの頭の中が一瞬でパニックになった。思考が、弾ける。
「やああぁっ!へびっ、へびこないでっ!こわいよぉっ、たすけて……っ!!」
「は?」
「うわあぁんっ!あるたーっ、あるたーたすけて!」
「……あるたー?……ふーん」
目の前にいた綺麗なお兄さんに抱きついて、ひたすらに助けてと訴える。無意識に呼んでしまうのは、アルターの名前だ。蛇に噛まれたことがトラウマになってしまったオレを、助けてくれていたアルター。ひぐひぐと涙声になりながら抱きしめる腕に力を込めると、不意に聞いたことがない言葉が耳を掠めた。
パンッ、という小さな破裂音と粉塵。どうやら蛇は驚いて逃げていったみたいだ。
「ほら、助けてやったけど」
「あ……っ、あぅ、ありがと……っ、おにいしゃんっ……」
「あーもう、べしょべしょじゃん。……ま、気晴らしに出てきただけでこんな可愛い拾い者すんのはツイてっか」
「ん……、ぐすっ……」
「アルター、って言ってたよな。会わせてやるよ」
「っ!?ほ、ほんとに……っ!?アルターに会えるのっ!?うあぁんっ、よかっ……、生きてたぁ……!…………っあ、ご、ごごごめん!!オレ、蛇が苦手でっ、し、初対面なのに恥ずかしい姿見せちゃって……、ぇ、あ、あの?離してもらっても……?」
我に返って咄嗟に離れようとしたのに、今度はオレが抱きしめられていた。
「ちょうどよかった。友人代表としてスピーチしてやれよ。アルターも人間のトモダチが居た方が嬉しいだろ」
──至近距離でにっこり笑う彼の瞳孔は、まるで蛇のようだった。
アルター
勇者とは名ばかりの心優しい青年。無意識の内にリラッドを好きになっていた。おもらし癖がついてしまったので、漏らさないようにずっとハメていてほしいとねだってはリラッドの理性をぶっ壊している。
リラッド
意思を持った触手。顔から太腿辺りにかけては人間で、舌や手足は触手。城を訪れた勇者に一目惚れして、つよつよな執着心を抱く。なかなか伴侶にと言えなかったヘタレ。
魔王
平和主義者で楽しいことが好き。本来の姿はドラゴン。大きすぎて邪魔なのでいつもは人型になっている。城に来た人間を全員可愛がっていたが、最近拾った人間ばかり選ぶようになっている。
アルターの友人
アルターと触手の結婚式で突然スピーチをすることになり、混乱しまくりな中、アルターが無事であったことに号泣する。テイムの技は魔王には効かず、寧ろ跳ね返されて自分がテイムされてしまい、散々恥ずかしい目に合わされた。
蛇と出会うと幼児みたいになり、魔王のドラゴン姿を初めて見た時も泣いて失禁した。
他の人間達は魔王の恋路を応援してるよ。そのうちそれぞれ人間同士や人間と魔族でラブラブになるよ。
はっぴーえんど!
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