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悪役令嬢は王妃なんです!
第36話 またアイスピック突き刺しましてよ!?
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王都炎上から一カ月が経ちました。
重篤な患者を助けることはできませんでしたが、城に残っていた魔法陣のおかげで、生き残った住民への炊き出しは毎日行われ、怪我の治療も医者を各領地で派遣しあったこともあり、大部分が落ち着いたと言って良いでしょう。
焼け残った貴族の屋敷も少なからずあり、それも幸いして援助が滞らなかったのも大きい。
しかし、王都に住んでいた民の怒りは、元国王夫婦に向けられ、幸い私の許への攻撃は無かったにしろ、王都にあった元王妃の屋敷は焼き討ちにあい、数名の死者が出ました。
今なお混乱の中にある元王都の秩序を保つのは容易なことではない。
何より、元王都を領としなくてはならず、誰がその領を受け持つかと言う議論もしなくてはならなかったのですが……縁起の悪いという理由で誰も領地として欲しがらず、結果、元王都は私が管理することに決まり、飛び地としての領地として残すことになりました。
その間にしめやかに行われたのは、元国王夫妻の葬式でした。
しかし、クリスタルの怒りに触れた国王と王妃として名を残すことになった二人の葬儀に、貴族たちは参列することはなく、王妃のご実家ですら葬式に出ることもなく、我が領地で本当に少ない人数で送り出すことになりました。
ではご遺体はと言うと……。
『王に非ず、王妃に非ざる者たちを王家の墓に入れることは罷りならん』
そう言って、葬儀が終わったのち、二人の遺体を炎で燃やし尽くしてしまいました。
灰すら残らないほど燃え上がった二人の遺体……どれほどの怒りをクリスタルが秘めているのか未だにわかりませんが、少なからず、クリスタルは我が弟夫婦への怒りで満ちているのはわかりました。
一か月。
私は元王都への対応に追われ、リコネルは領民の受け入れに追われました。
「領民の受け入れは一か月で終わらせますわ」
そう言っていたリコネルは、本当に一か月で受け入れを終わらせ、まだ仮設住宅ではあるものの、避難民であった領民たちは仮設住宅に入り、当初リコネルが言っていたように、園や老人院を利用し、落ち着きを取り戻しつつあります。
目下の問題として、彼らの仕事先ですが、幸い見目麗しくない者たちへの偏見も少ない領民だったようで、各自仕事を見つけたり、見つからなかった者たちは本当に僅かで、リコネル商会に一時的に入る、または、仕事に就くと言う形で収まりました。
また、我が領……と言う言い方は可笑しいですが、我が国に元々いた住民たちは見た目に対する差別をするものは少なく、それも幸いしたようでした。
「取り合えず、一か月乗り切りましたね……」
「ええ、本当に……ジュリアス様もご自愛なさって?」
「リコネルもですよ。お互い体には気を付けなくては……」
本当に久しぶりに二人でお茶の時間を取ることが出来ました。
互いに目の下には大きなクマができ、疲労困憊であろうとも夫婦の時間を大切にしたかったのです。
この一か月、クリスタルは人間の姿を保ちながら屋敷を堪能しておりました。
その間にリコネルとも仲良くなったようで、何とも不思議な気分にさせられます。
『なんじゃ、茶の時間か?』
「クリスタル様、只今夫婦の時間を楽しんでおりますの。無粋な真似は為さらないでくださいませ」
『なんじゃなんじゃ! リコネルは我に厳しいのう!』
なんというか、リコネルがクリスタルに立場的に何故か勝っていました。
不満を露にするクリスタルに、リコネルはツーンとした様子で対応します。
「大体、此処まで忙しくしたのはどこのクリスタル様かしら?」
『む! 我の所為である! 文句はあるまい!』
「開き直らないで頂きたいですわね……玄関にあるクリスタルにアイスピック刺しますわよ」
『なんという王妃じゃ!』
そんな様子を生暖かく見守る私……本当にリコネルならアイスピックで刺しそうですね。
良き妻を貰ったものです。
「ところで、何故お二人はそこまで仲が宜しいのです?」
以前から問いかけたかった疑問を問いかけると、リコネルは大きくため息を吐き、私に事の内容を教えてくださいました。
「クリスタル様から、子はまだかと付きまとわれた日がありまして」
「何と言うことを仰っているんですクリスタル」
「それで、質の悪いお姑のような真似は辞めてくださる? と言って対立した時からですわ」
なるほど……質の悪いお姑とはまた何とも表現がアレですが、クリスタルは苦笑いしながら『あの後でな』と言葉を繋げます。
『あの後、本当にしつこく聞いたら台所からリコネルがアイスピックを取り出してきおってな、一発クリスタルにぶっさしおったわ』
「ブフッ」
思わず飲んでいた紅茶を吹き出しました。
本当にリコネルやったのですかと聞こうとしましたが、リコネルは笑顔で「そうでしたわね」と口にしています。
「本当にしつこくてしつこくて、忙しいのにしつこくて。頭にきて台所からアイスピックを借りてきて刺しましたわ」
「それで……クリスタルは怒らなかったんですか?」
「怒るような真似をするクリスタル様が悪いんですもの。セクハラですわよ? 母なるクリスタルのすべき言動ではありませんわ」
「それはそうかも知れませんが」
『良き良き! この気の強さがジュリアス、お主には必要なのじゃよ。アイスピックで一発刺された甲斐があるというものじゃて』
クリスタルもクリスタルで声を出しながら笑い、豪快な性格のクリスタルに今では変貌してしまっていました。
これもリコネルの影響でしょうか……ちょっと心配になります。
『ジュリアスは幼き頃は気弱な少年じゃったからのう……優しいゆえに気が弱いと言うべきか……それを補う王妃となると、この国ではリコネルくらいじゃろうて』
「わたくし以外の妻を貰っては困りますわ」
「貰うつもりもありませんよ! 第二妃なんて考えてもいませんからね!?」
「それはようございましたわ」
花の咲く笑顔で答えたリコネルにホッと胸を撫でおろし、私はリコネルの隣で茶を貰うクリスタルを見つめため息が出ました。
男性とも女性とも取れない見た目、そして、徐々にリコネルに似てくるクリスタル。
いえ、性格ではなく、顔が徐々にリコネルに似てきたのです。
この事を以前クリスタルに問いかけたところ、波長がとても合うからこそ似てくるのだと言っていました。
――きっと性格も似てくるのでしょうね。
とても口に出しては言えませんでしたが、そんな二人を見つめ紅茶を飲みつつ、その日は早々に夫婦揃っての睡眠になったのでした。
重篤な患者を助けることはできませんでしたが、城に残っていた魔法陣のおかげで、生き残った住民への炊き出しは毎日行われ、怪我の治療も医者を各領地で派遣しあったこともあり、大部分が落ち着いたと言って良いでしょう。
焼け残った貴族の屋敷も少なからずあり、それも幸いして援助が滞らなかったのも大きい。
しかし、王都に住んでいた民の怒りは、元国王夫婦に向けられ、幸い私の許への攻撃は無かったにしろ、王都にあった元王妃の屋敷は焼き討ちにあい、数名の死者が出ました。
今なお混乱の中にある元王都の秩序を保つのは容易なことではない。
何より、元王都を領としなくてはならず、誰がその領を受け持つかと言う議論もしなくてはならなかったのですが……縁起の悪いという理由で誰も領地として欲しがらず、結果、元王都は私が管理することに決まり、飛び地としての領地として残すことになりました。
その間にしめやかに行われたのは、元国王夫妻の葬式でした。
しかし、クリスタルの怒りに触れた国王と王妃として名を残すことになった二人の葬儀に、貴族たちは参列することはなく、王妃のご実家ですら葬式に出ることもなく、我が領地で本当に少ない人数で送り出すことになりました。
ではご遺体はと言うと……。
『王に非ず、王妃に非ざる者たちを王家の墓に入れることは罷りならん』
そう言って、葬儀が終わったのち、二人の遺体を炎で燃やし尽くしてしまいました。
灰すら残らないほど燃え上がった二人の遺体……どれほどの怒りをクリスタルが秘めているのか未だにわかりませんが、少なからず、クリスタルは我が弟夫婦への怒りで満ちているのはわかりました。
一か月。
私は元王都への対応に追われ、リコネルは領民の受け入れに追われました。
「領民の受け入れは一か月で終わらせますわ」
そう言っていたリコネルは、本当に一か月で受け入れを終わらせ、まだ仮設住宅ではあるものの、避難民であった領民たちは仮設住宅に入り、当初リコネルが言っていたように、園や老人院を利用し、落ち着きを取り戻しつつあります。
目下の問題として、彼らの仕事先ですが、幸い見目麗しくない者たちへの偏見も少ない領民だったようで、各自仕事を見つけたり、見つからなかった者たちは本当に僅かで、リコネル商会に一時的に入る、または、仕事に就くと言う形で収まりました。
また、我が領……と言う言い方は可笑しいですが、我が国に元々いた住民たちは見た目に対する差別をするものは少なく、それも幸いしたようでした。
「取り合えず、一か月乗り切りましたね……」
「ええ、本当に……ジュリアス様もご自愛なさって?」
「リコネルもですよ。お互い体には気を付けなくては……」
本当に久しぶりに二人でお茶の時間を取ることが出来ました。
互いに目の下には大きなクマができ、疲労困憊であろうとも夫婦の時間を大切にしたかったのです。
この一か月、クリスタルは人間の姿を保ちながら屋敷を堪能しておりました。
その間にリコネルとも仲良くなったようで、何とも不思議な気分にさせられます。
『なんじゃ、茶の時間か?』
「クリスタル様、只今夫婦の時間を楽しんでおりますの。無粋な真似は為さらないでくださいませ」
『なんじゃなんじゃ! リコネルは我に厳しいのう!』
なんというか、リコネルがクリスタルに立場的に何故か勝っていました。
不満を露にするクリスタルに、リコネルはツーンとした様子で対応します。
「大体、此処まで忙しくしたのはどこのクリスタル様かしら?」
『む! 我の所為である! 文句はあるまい!』
「開き直らないで頂きたいですわね……玄関にあるクリスタルにアイスピック刺しますわよ」
『なんという王妃じゃ!』
そんな様子を生暖かく見守る私……本当にリコネルならアイスピックで刺しそうですね。
良き妻を貰ったものです。
「ところで、何故お二人はそこまで仲が宜しいのです?」
以前から問いかけたかった疑問を問いかけると、リコネルは大きくため息を吐き、私に事の内容を教えてくださいました。
「クリスタル様から、子はまだかと付きまとわれた日がありまして」
「何と言うことを仰っているんですクリスタル」
「それで、質の悪いお姑のような真似は辞めてくださる? と言って対立した時からですわ」
なるほど……質の悪いお姑とはまた何とも表現がアレですが、クリスタルは苦笑いしながら『あの後でな』と言葉を繋げます。
『あの後、本当にしつこく聞いたら台所からリコネルがアイスピックを取り出してきおってな、一発クリスタルにぶっさしおったわ』
「ブフッ」
思わず飲んでいた紅茶を吹き出しました。
本当にリコネルやったのですかと聞こうとしましたが、リコネルは笑顔で「そうでしたわね」と口にしています。
「本当にしつこくてしつこくて、忙しいのにしつこくて。頭にきて台所からアイスピックを借りてきて刺しましたわ」
「それで……クリスタルは怒らなかったんですか?」
「怒るような真似をするクリスタル様が悪いんですもの。セクハラですわよ? 母なるクリスタルのすべき言動ではありませんわ」
「それはそうかも知れませんが」
『良き良き! この気の強さがジュリアス、お主には必要なのじゃよ。アイスピックで一発刺された甲斐があるというものじゃて』
クリスタルもクリスタルで声を出しながら笑い、豪快な性格のクリスタルに今では変貌してしまっていました。
これもリコネルの影響でしょうか……ちょっと心配になります。
『ジュリアスは幼き頃は気弱な少年じゃったからのう……優しいゆえに気が弱いと言うべきか……それを補う王妃となると、この国ではリコネルくらいじゃろうて』
「わたくし以外の妻を貰っては困りますわ」
「貰うつもりもありませんよ! 第二妃なんて考えてもいませんからね!?」
「それはようございましたわ」
花の咲く笑顔で答えたリコネルにホッと胸を撫でおろし、私はリコネルの隣で茶を貰うクリスタルを見つめため息が出ました。
男性とも女性とも取れない見た目、そして、徐々にリコネルに似てくるクリスタル。
いえ、性格ではなく、顔が徐々にリコネルに似てきたのです。
この事を以前クリスタルに問いかけたところ、波長がとても合うからこそ似てくるのだと言っていました。
――きっと性格も似てくるのでしょうね。
とても口に出しては言えませんでしたが、そんな二人を見つめ紅茶を飲みつつ、その日は早々に夫婦揃っての睡眠になったのでした。
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